冬になると軒下にできるつらら。
見た目は美しくても、実際は“鋭利な氷の槍”であり、落下すると命を脅かす大事故につながる。
頭部への直撃事故、車のフロントガラス破損、玄関前の落下など、毎年防げるはずの事故が繰り返されている。
■① つららが落下する仕組み
つららは気温の変化で簡単に落ちる。
● 日中の気温上昇で溶ける
● 根元から氷が弱くなる
● 積雪が滑り落ちる勢いでつららが折れる
● 強風や振動（車・洗濯機）で落ちる
● 雨どいの重みによって根元が破損
“突然ボトッ”と落ちるのが最大の危険。
■② つらら落下による重大な被害
つららの落下は、想像以上に危険性が高い。
● 子どもの頭部へ直撃
● 高齢者の転倒＋落下衝撃
● 車のガラス・ボンネット破損
● 玄関ドア・窓ガラスの破損
● 落下衝撃で雨どいが曲がる
● 飛び散った氷片で滑って転倒
事故は“たまたま軒下を歩いた瞬間”に起きる。
■③ 特に危険な落下ポイント
つららは家の構造により落ちやすい場所がある。
● 北側の軒下
● 玄関・勝手口の上
● ベランダ上のひさし
● エアコン室外機の上
● 車の駐車位置
● 雨どいの劣化箇所
● 屋根の端の雪庇（せっぴ）部分
“毎年同じ位置から落ちる家”は特に要注意。
■④ 今日からできるつらら落下の予防策
家庭でできる予防は以下。
● 雨どい掃除（落ち葉・ゴミ除去）
● 屋根の雪を早めに下ろす（※安全第一）
● つららができる場所を把握する
● 落下ラインに近寄らない
● 軒先の断熱状態を見直す
● 積雪地帯は融雪ヒーターを使用
“つくらせない・近寄らない”の2本柱が重要。
■⑤ 絶対にやってはいけない危険行動
つらら落下対策でのNG行動は事故を誘発する。
● つららの真下に立つ
● 頭上を見ながら叩く
● 雪の日に脚立を使う
● 屋根に登って除去する
● 大きなつららを無理に落とす
● 子どもに触らせる
落下の瞬間は“避けようがない”。
■⑥ 安全につららを落とす応急処置
可能な範囲で安全に行うのが原則。
● 真下には絶対に立たない
● 横方向から棒で軽く触れて落とす
● 手の届く小さなものだけ除去
● 大きい・高所のつららは業者へ依頼
● 落とした氷片は掃除して転倒防止
家庭レベルでは“できる範囲だけ”が正解。
■⑦ つららが落下した後に確認すべきポイント
落下後にも家へのダメージが隠れている。
● 雨どいが割れていないか
● 外壁に亀裂がないか
● ガラスにひびが入っていないか
● 屋根の瓦がズレていないか
● 落ちた氷片で通路が滑りやすくなっていないか
落下は“始まり”であり、点検が非常に重要。
■⑧ 家族全員で共有すべき“つらら落下ルール”
冬は以下のルールだけで事故率が大幅に減る。
● 軒下に近づかない
● 子どもに軒下を通らせない
● 玄関前に落下ラインを設定
● つらら発見時は大人へ報告
● 車の駐車位置を変える
● 雪の日は上を見ずに歩く
軒下は冬の“危険ゾーン”。
■まとめ｜つらら落下は“予測不能な凶器”
つららは自然のものでも、落下すると凶器になる。
落ちないようにする、近づかない、見つけたら早めに対応する――
この3つだけで「防げる事故」を確実に防止できる。
結論：
つらら落下は“ほんの数秒の危険”を避けることで守れる命がある。
元消防職員として現場で見てきたが、つらら落下事故は「気づかないうちに軒下へ入る」ことで起きる。
冬は必ず軒下を避け、家族全員でルール化することが最強の防災である。
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