子どものケガの中でも特に多いのが「出血」です。
転倒・打撲・遊具でのケガ・ガラスの破片・ドアの挟み込みなど、
日常生活のどこにでも危険があります。
消防の現場では、
「血が止まらない気がして慌ててしまった」
「どの程度で救急車を呼ぶべきか分からなかった」
という保護者の声を数多く耳にします。
ここでは元消防職員として、
子どもの出血に対する正しい応急手当と、
災害時・避難生活での注意点まで分かりやすく解説します。
■① 子どもの出血が多い理由
子どもは身体構造・行動特性から出血しやすい環境にあります。
●転倒しやすい・勢いが強い
遊ぶ動きが大きく、止まる・避けるが苦手。
●皮膚が柔らかく薄い
擦過傷(すり傷)でも出血が多いように見える。
●危険の予測が難しい
ガラス・角・金属・遊具などに突っ込んでしまう。
●痛みの表現が難しい
泣いてしまい、状況を正確に伝えられないことも。
■② 出血の種類と危険度
出血の種類によって、対処が大きく異なります。
●擦過傷(すり傷)
表皮の出血。にじむ程度が多い。
●切り傷
ガラス・刃物・金属で起こりやすい。
●裂創
転倒で皮膚が裂ける。深くなると縫合が必要。
●刺し傷
木片・鉛筆・針など。内部損傷の危険がある。
●大量出血(動脈性出血)
明るい赤い血が“ピュッ”と噴き出すように流れる。
生命に関わるため、一刻も早い止血が必要。
■③ 子どもの出血で絶対にしてはいけないこと
誤った対応は悪化させる危険があります。
❌ 傷口をゴシゴシこする
出血・痛みが増し、感染の原因に。
❌ 不潔なタオルやティッシュで押さえる
細菌が入りやすい。
❌ 消毒液を大量にかける
痛みが増し、治癒が遅れることも。
❌ 刺さった物を抜く
大出血につながるため絶対に抜かない。
■④ 子どもの出血の正しい止血法(消防現場で徹底)
出血は「圧迫止血」が基本であり最も効果的です。
✔ 1)清潔なガーゼ・布を当てて強く圧迫
最低5分以上しっかり押さえる。
✔ 2)血がにじんでもガーゼは外さない
重ねて圧迫する(外すと再出血する)。
✔ 3)心臓より高く上げる
手足の出血に有効。
✔ 4)圧迫で止まらなければ救急要請
10分以上圧迫しても止まらない場合は危険。
■⑤ 救急車を呼ぶべき出血のサイン
次の状況は緊急性が高いです。
- 血が噴き出す(動脈性の可能性)
- 5〜10分強く圧迫しても止まらない
- 血の量がタオルを通り超えるほど多い
- 顔色が悪い・ぐったりしている
- 手足がしびれる・動かしにくい
- 刺さった物がある(抜かない)
迷ったら「119」で相談するのが最も安全です。
■⑥ 傷口の洗浄と保護の方法
出血が落ち着いたら正しい処置を行います。
●流水でしっかり洗う
泥・砂・汚れを取る。石鹸は傷の周囲のみ。
●水分をふき取り、保護材を貼る
キズパワーパッドなどの湿潤療法が有効。
●痛みや腫れ・熱感が強いときは受診
細菌感染や深い傷の可能性がある。
■⑦ 災害時の「子どもの出血」が危険な理由
避難生活では衛生環境が悪く、感染しやすくなります。
- 手洗いが不十分になる
- 土埃・破片で傷が悪化
- 医療機関が混雑・閉鎖していることも
- 夜間などで治療まで時間がかかる
災害時は「軽いケガが重症化しやすい」 のが特徴です。
■⑧ 家庭・避難所でできる出血対策の備蓄
●ガーゼ・救急絆創膏
●滅菌パッド
●包帯・テープ
●消毒用アルコール(手指用)
●抗菌シート
●清潔な布
これらがあれば、ほとんどの軽傷に対応できます。
■まとめ|子どもの出血は「落ち着いて圧迫」が最も大切
子どもの出血は見た目より大げさに見えることも多く、
保護者が慌ててしまいがちです。
しかし、出血のほとんどは 正しい圧迫止血で止められます。
- まずは圧迫
- ガーゼは外さず重ねる
- 刺さった物は抜かない
- 止まらないなら救急要請
- 災害時こそ衛生管理が重要
結論:
子どもの出血は“圧迫止血が最優先”。深刻な出血かどうかを見極め、早めの判断が命を守る。
元消防職員として、
子どものケガは「正しい知識があれば守れるもの」がほとんどです。
落ち着いて、確実な処置を行いましょう。

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