固定電話の仕組みが2024年についに大きく変わりました。
NTT東日本・西日本は、公衆交換電話網(PSTN)をIP網へ移行し、2024年11月までに全国切り替えを完了。
利用者はそのまま使えるとはいえ、災害時の通信確保という視点では重要な見直しポイントがあります。
この記事では、防災士として
✔ PSTN → IP網移行のポイント
✔ 防災面での影響
✔ 家庭が確認しておくべきこと
✔ 災害時に固定電話はどこまで役立つか
をわかりやすく解説します。
■① PSTNからIP網へ移行した背景
従来の固定電話網(PSTN)は、老朽化や維持費の増大が課題でした。
そのためNTTは、より効率的で拡張性の高い IP網へ移行 を決断。
- 2024年1月:順次切り替え開始
- 2024年11月:全国すべての切り替え完了
今後は、固定電話もインターネットと同じ通信技術(IP)を利用する形になります。
■② 利用者側の設備はそのまま継続可能
最も重要なのは、
✔ 電話機・回線はそのまま使用可能
✔ 手続き不要
✔ 電話番号も変わらない
利用者側の変更はゼロ。
電話局側の設備だけがIP方式へ変更され、家庭側は自動的に「メタルIP電話」として利用されます。
■③ 通話料金が全国一律に統一
IP網移行の大きなメリットがこちら。
✔ 通話料が全国一律 9.35円/3分
距離に関係なく同じ料金。
地方の親族へ電話する家庭ではコストが下がるケースが多いです。
■④ 一部サービスでは影響が出る可能性
ほとんどの家庭は影響無しですが、以下は注意が必要です。
- FAXの古い機種
- セキュリティ機器(警備会社)
- 医療機器の通信
- モデム通信(ガスメーター、古い制御機器など)
- ダイヤルアップ接続
これらはIP網で動作が不安定になる可能性があるため、
各機器メーカーへの確認が推奨されています。
■⑤ 災害時に固定電話はどこまで強い?
PSTN時代、固定電話は 停電でも通じる強い通信手段 として評価されていました。
しかしIP化が進むと、以下がポイントになります。
【1】停電しても“加入電話(メタル回線)”は基本的に利用可能
電話機が停電対応型なら通話可能。
【2】ただし、光回線の固定電話(ひかり電話)は停電時は使用不可
→ ONU・ホームゲートウェイの電源が必要。
自宅の固定電話が「メタル回線」か「ひかり電話」かの確認は必須です。
■⑥ 防災視点で見た「固定電話のメリット」
災害現場の経験上、固定電話には次の強みがあります。
- 携帯回線が混雑してもつながりやすい
- 音声がクリアで高齢者でも聞き取りやすい
- 停電中でも使える場合がある
- 通信位置が特定されやすく119通報が迅速
- 通報内容が安定して届けられる
携帯依存の現代では貴重な通信インフラです。
■⑦ 防災的に家庭が必ず確認しておくべきこと
✔ ① 回線種別
- 加入電話(メタル)
- ひかり電話
→ 回線の強さ・停電時の可否が変わる。
✔ ② 電話機の種類
- 停電対応型
- AC電源が必要なタイプ
✔ ③ FAX・警報機器・医療機器の動作確認
→ IP網移行でエラーが出る可能性あり。
✔ ④ 通報手段の複線化
- 固定電話
- 携帯電話
- スマホ緊急通報アプリ
- 防災ラジオ
■⑧ 災害時の“通信断”に備える方法
通信障害は災害で必ず起きます。
固定電話のIP化を踏まえ、以下の備えが重要です。
- 家族で“連絡手段の優先順位”を決める
- 安否確認先(固定電話番号)を共有
- モバイルバッテリーの常備
- 自治体の災害用伝言ダイヤル(171)を練習
- Wi-Fi自動接続をオフにして混雑回避
通信ができることは、命を守るうえで最重要です。
■まとめ|固定電話のIP化は「防災通信の再確認」のチャンス
PSTN → IP網移行によって
固定電話は“仕組みは変わっても使い勝手はそのまま”です。
しかし災害時の通信手段として見ると、
家庭が確認すべきポイントは確実に増えています。
- 回線種別を確認する
- 停電時に使えるかチェック
- FAX・警報器・機械の対応確認
- 通報手段を複線化しておく
結論:
固定電話のIP化は防災力を弱めるものではなく、むしろ通信手段を見直す絶好の機会。防災士として、今こそ“家の電話が災害に強いか”を確認してほしい。

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