【元消防職員が解説】フェムテック研修は“女性だけの話”で終えると危険 消防職場の判断基準

消防の女性活躍というと、「採用を増やす話」と受け取られがちです。
ただ、結論からいうと、本当に重要なのは人数だけではなく、現場で働き続けられる理解と環境をつくることです。

愛媛県消防長会は、総務省消防庁の「女性消防吏員活躍推進モデル事業」の一環として、フェムテック研修を実施しました。
消防庁のガイドブックでは、松山市消防局の取組として、四国フェムテック協会理事を講師に招き、女性の心身に関する講義、生理痛疑似体験、実際の生理用品に触れる実技研修、女性職員の声を共有するリアルボイスグループワークを行ったと紹介されています。
つまり、今回の研修の核心は、知識だけでなく、体験と対話で現場の認識差を埋めることにあります。

元消防職員として現場を見てきた感覚でも、組織で本当に危ないのは、装備不足だけではありません。
困りごとが言えない空気の方が、長く組織を弱らせます。

■① 最初の結論

最初に持つべき判断はこれです。

フェムテック研修は福利厚生の話ではなく、現場力を落とさないための職場整備です。

消防は24時間勤務、集団生活、災害対応という特殊な職場です。
だからこそ、体調や生理、育児、働き方への理解不足を放置すると、離職、孤立、配置の硬直化につながりやすくなります。

■② 何が危ないのか

一番危ないのは、
「女性の体調の話は個人の問題」と片づけることです。

そうなると、

  • 言い出しにくい
  • 管理職が気づかない
  • 必要な配慮が制度化されない
  • 現場のしんどさが潜在化する

という流れになりやすいです。

消防のようにチームで動く仕事では、個人の困りごとが放置されることは、結局、組織全体の力を下げます。

■③ なぜ体験型研修が効くのか

今回の取組で実践的なのは、生理痛疑似体験やリアルボイスの共有まで入っている点です。
知識だけでは、理解したつもりで終わりやすいからです。

現場では、
知っていることより、
実感として分かること
の方が行動を変えます。

元消防職員としても、現場の改善は講義だけより、体験や当事者の声が入った方が進みやすいと感じます。

■④ 本当に見るべき判断基準

このテーマで大事なのは、研修をやったかどうかではなく、

  • 男性職員も理解を深められたか
  • 女性職員が声を出しやすくなったか
  • 管理職の認識が変わったか
  • 職場環境の見直しにつながったか

です。

つまり、
イベントで終わるか、職場改善につながるか
が分かれ目です。

■まとめ

フェムテック研修は、「女性向けの話」で終わらせると弱いです。
本当に大事なのは、誰もが働きやすい消防職場をつくるための共通理解に変えることです。

消防の現場で強い組織は、体力や技術だけでなく、
困りごとを言えて、理解し合えて、続けられる職場
です。
今回のような研修は、その土台づくりとしてかなり意味があると思います。

出典:消防庁「令和7年度消防庁女性活躍ガイドブック」

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