消防士を目指している人や、採用後に消防学校を控えている人がかなり気になるのが、
「体力づくりはどこまで必要なのか」
という点です。
どれくらい走れればいいのか。
筋トレは毎日必要なのか。
運動部レベルまで仕上げないと厳しいのか。
逆に、やりすぎて故障しないかも不安。
ここが曖昧だと、必要以上に焦ったり、逆に甘く見たりしやすいです。
結論から言えば、入校前の体力づくりで必要なのは、“最強の体を作ること”ではなく、“消防学校の訓練を毎日崩れず受けられる土台を作ること”です。
消防学校で求められるのは、短距離選手のような爆発力だけでも、ボディビルダーのような筋力だけでもありません。
むしろ大事なのは、
持久力・自重を扱う筋力・柔軟性・回復力
をバランスよく整えることです。
元消防職員として率直に言えば、入校前に体力づくりで差がつくのは、元々の運動神経より、
「続けられる形で整えてきたか」
です。
だから、気合いで一気に追い込むより、消防学校に入ってから壊れにくい体を作る方がかなり現実的です。
■① まず前提として、消防学校前の体力づくりには公式にも意味がある
ここはかなり大事です。
体力づくりは「やった方がいいらしい」というレベルではなく、公式にも意味があるものとして扱われています。
東京消防庁は、採用予定者が消防学校に入校するまでの期間に、入校後の消防活動訓練へ必要な体力を効果的に養うことを目的として、自主トレーニング資料を示しています。
また、消防庁の教育訓練基準でも、初任教育には「消防職員の体力づくり」「筋力トレーニング」「持久力トレーニング」「調整力トレーニング」「柔軟性トレーニング」「障害の予防、疲労回復等」が含まれています。
つまり、入校前の体力づくりは、自己満足ではなく、消防学校に入りやすくするための意味ある準備です。
元消防職員として見ても、ここを理解している人の方が、入校後のギャップがかなり小さいです。
■② 一番必要なのは“毎日動ける体”であって、“一発だけ強い体”ではない
消防学校を想像すると、腕立てやランニングのきつさばかりが目立ちます。
でも元消防職員として言えば、消防学校で本当に必要なのは、
一日だけ頑張れる体ではなく、
翌日もまた動ける体です。
消防学校では、授業、訓練、整列、礼式、課外活動、自席学習と、一日全体がかなり密です。
だから、体力づくりを考える時も、
「何回できるか」
より、
「毎日続く負荷に耐えられるか」
で見た方が正確です。
入校前に必要なのは、筋肉を見せる体ではなく、崩れず回る体です。
■③ 優先順位の1番は持久力
消防学校前の体力づくりで、最初に優先したいのは持久力です。
理由はシンプルで、消防学校の生活は短時間の勝負ではなく、朝から夜まで続くからです。
元消防職員として率直に言えば、消防学校で最初に苦しくなる人の多くは、瞬発力不足より、
持久力不足です。
少し走れるだけでは足りず、疲れた状態でも動き続ける基礎が必要です。
目安としては、
・30〜40分の軽いジョギング
・速歩を含めて長く動く
・息は上がっても会話が少しできる強度
このくらいを継続できる方がかなり強いです。
ここで大事なのは、速さより、動き続ける習慣です。
■④ 次に必要なのは“自重を扱える筋力”
消防学校前の筋力づくりで重要なのは、重いバーベルよりも、自分の体をきちんと扱えることです。
消防庁の教育訓練基準でも、筋力トレーニングが明示されていますが、消防学校で最初に差がつきやすいのは、
腕立て・上体起こし・スクワット・体幹
のような基礎的な自重種目です。
元消防職員として言うと、消防学校で苦しくなりやすい人は、筋力がゼロだからというより、
疲れた時にフォームが崩れる人です。
だから入校前は、
・腕立て伏せ
・スクワット
・プランク
・上体起こし系
を、反動を使わず丁寧に続ける方が意味があります。
最初から重い器具を使わなくても十分です。
大切なのは、続く形で積み上げることです。
■⑤ 柔軟性を軽く見るとかなりもったいない
体力づくりというと、どうしても走るか筋トレかの話になりやすいです。
でも、消防庁の教育訓練基準では柔軟性トレーニングも正式に位置づけられています。
つまり、柔軟性はおまけではありません。
元消防職員として率直に言えば、消防学校前に意外と差がつくのは、
硬い人と、少しでも柔らかい人の差です。
股関節が硬い
肩まわりが硬い
足首が硬い
こうした状態だと、
走る
しゃがむ
ロープを扱う
整列する
反復動作をする
全部がきつくなります。
だから入校前は、
・長座体前屈を意識した前屈系
・股関節まわり
・ふくらはぎ
・肩甲帯
を、毎日少しでも伸ばす方がかなりいいです。
体力づくりで一番もったいないのは、筋力を増やして硬くなることです。
■⑥ 体力づくりでやってはいけないのは“急に追い込むこと”
ここはかなり重要です。
不安になると、人は急に頑張りたくなります。
でも元消防職員として強く言いたいのは、入校前に一番危ないのは、
急な追い込みです。
昨日までほとんど動いていなかった人が、
毎日走る
毎日筋トレする
限界まで回数をやる
これをすると、かなり高い確率で膝、腰、すね、足首を痛めます。
消防庁の教育訓練基準にも、「障害の予防、疲労回復等」が含まれているように、鍛えることと壊さないことはセットです。
消防学校前の体力づくりで必要なのは、
“強さ”
より
壊れなさ
です。
だから、無理をしないことは甘えではなく、かなり現実的な判断です。
■⑦ 現実的な入校前メニューは“週4日”くらいで十分
元消防職員としておすすめするなら、入校前の体力づくりは、最初から完璧を目指さなくて大丈夫です。
現実的には、次のような形でかなり十分です。
・ジョギングまたは速歩 30〜40分
・腕立て伏せ
・スクワット
・プランク
・ストレッチ
これを週4日くらいで回すイメージです。
たとえば、
A日:ジョグ+腕立て+ストレッチ
B日:速歩+スクワット+体幹
休み
A日
B日
休み
休み
このくらいで十分意味があります。
元消防職員として率直に言うと、差がつくのは高度なメニューではありません。
やめずに続くかどうかです。
■⑧ まとめ
入校前の体力づくりで必要なのは、“最強の体を作ること”ではなく、“消防学校の訓練を毎日崩れず受けられる土台を作ること”です。
東京消防庁は、採用予定者に対して消防学校入校前の自主トレーニング資料を示しており、消防庁の教育訓練基準でも、初任教育には消防職員の体力づくり、筋力・持久力・調整力・柔軟性トレーニング、障害の予防や疲労回復等が含まれています。
つまり、体力づくりは気合いの問題ではなく、かなり体系的に必要とされている準備です。
元消防職員として強く言えるのは、入校前に本当に大切なのは、
持久力を作ること、 自重を扱う筋力を整えること、 柔軟性を落とさないこと、 そして急に追い込みすぎないことです。
迷ったら、まずは30分動ける体。
次に腕立てとスクワット。
そして毎日のストレッチ。
この3つから始めるのが一番現実的です。

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