停電が起きたとき、最初に困るのは「暗さ」です。
しかし、防災ライトは種類が多すぎて「何を買えばいいか分からない」という声がとても多いのが現実です。
元消防職員として火災や停電現場を経験してきましたが、明かりがあるかどうかで人の判断力と安全性は大きく変わります。
この記事では、防災初心者が“最初に揃えるべき1本”を基準から整理します。
■① 停電時にまず守るべきは「足元」と「両手」
停電直後に起きやすい事故は転倒です。
・割れたガラスを踏む
・家具につまずく
・階段で踏み外す
だから最初のライトは「足元を照らせること」が最優先です。
さらに、両手が使える状態であることも重要です。
片手がふさがると避難や子どもの保護が遅れます。
■② 最初の1本は“ヘッドライト”が合理的
初心者が最初に選ぶなら、私はヘッドライトを勧めます。
理由は3つです。
・両手が空く
・視線の先をそのまま照らせる
・コンパクトで収納しやすい
懐中電灯は便利ですが、両手が必要な場面では不利になります。
現場でも、作業時はヘッドライトの方が圧倒的に効率が上がります。
■③ 明るさは「最大ルーメン」より“調整機能”を見る
多くの人が「とにかく明るい方がいい」と考えます。
しかし、実際に重要なのは明るさの段階調整です。
・弱モード(長時間用)
・中モード(室内移動)
・強モード(屋外確認)
最大出力が高くても、電池がすぐ切れては意味がありません。
停電は数時間で終わるとは限りません。
■④ 電源は“乾電池式”を1つ持つ
充電式ライトは便利ですが、停電が長引くと充電できません。
だから最初の1本は乾電池式を勧めます。
・単三電池が入手しやすい
・コンビニでも調達可能
・保管管理がしやすい
電源が分散されていることは、防災の基本です。
■⑤ 置き場所は「寝室」と「玄関」
ライトは買っても、置き場所が決まっていないと意味がありません。
最低でも次の2か所です。
・寝室(夜間地震・停電対策)
・玄関(避難時の動線確保)
夜間の地震対応で感じたのは、暗闇での移動は想像以上に危険だということです。
手探りで動く時間が事故を増やします。
■⑥ ランタンは“2本目”でいい
よく「ランタンは必要ですか?」と聞かれます。
答えは「はい、でも2本目以降」です。
ランタンは
・部屋全体を照らす
・避難所で役立つ
・食事や作業に便利
しかし、最初の1本は“移動用”。
順番を間違えると本末転倒になります。
■⑦ 実際に多かった失敗
防災士として見てきた失敗の一つは「高機能すぎるものを買って使いこなせない」ことです。
・ボタン操作が複雑
・充電方法が特殊
・保管場所が分からない
結果として、いざという時に電池が入っていない。
これは本当に多い失敗です。
防災用品は“使いやすさ”が最優先です。
■⑧ 今日できる最小行動
・乾電池式ヘッドライトを1本購入
・単三電池を一緒に保管
・寝室と玄関に定位置を決める
・月1回点灯確認をする
これだけで停電への不安は大きく減ります。
■まとめ|停電時の防災ライトは「最初はヘッドライト1本」が正解
停電対策の第一歩は、両手が空く乾電池式ヘッドライトを1本備え、寝室と玄関に定位置を決めることです。
明るさよりも調整機能と電源の分散を重視することで、長時間停電でも安全性が保てます。
結論:
停電対策は“高性能”より“確実に使える1本”から始めることが最も安全です。
元消防職員として断言できるのは、暗闇は人の判断力を奪います。まずは確実な明かりを1本。それが命を守る最初の備えです。

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