停電が起きた直後、多くの人が迷うのが「ブレーカーはすぐ落とすべきか、そのままでいいのか」です。結論から言うと、その場にとどまっていて安全確認ができる時は、まず火の気や電気機器の状態を確認し、避難などで家を離れる時はブレーカーを落とすのが基本です。消防庁は、通電火災対策として、停電中は電気機器のスイッチを切り、停電中に自宅から離れる際はブレーカーを落とすことを案内しています。
https://www.fdma.go.jp/publication/ugoki/items/rei_0201_48.pdf
つまり、停電直後の判断で大切なのは、「とりあえず落とす」「何もしない」の二択ではなく、今その場にいるのか、避難で離れるのか、再通電時に火災リスクがあるのかで考えることです。この記事では、その判断基準を現実的に整理して解説します。
■① まず結論として、停電直後に最優先すべきことは何か
結論から言うと、最優先にすべきことは、火災と感電の危険を増やさないことです。
停電すると、真っ暗になる、家電が止まる、情報が切れるので、まず不安になります。ですが、ここで一番危ないのは、あわてて家電を触り回ることや、停電復旧後の再通電で火災が起きることです。だから、停電直後は「すぐブレーカーを触る」より、「危険な機器がそのままになっていないか」を先に見た方が安全です。
元消防職員として感じるのは、停電そのものより、復旧した瞬間に起きる通電火災の方が見落とされやすいという点です。私なら、停電直後は
まず火の気を止める
次に電気機器のスイッチを切る
最後に家を離れるならブレーカーを落とす
この順で考えます。
■② なぜ停電時にブレーカーが話題になるのか
理由は、通電火災を防ぐためです。
通電火災とは、停電していた電気が復旧した時に、倒れた電気ストーブ、破損したコード、濡れた電気機器などに再び電気が流れて出火する火災です。消防庁は、停電中に自宅から離れる時はブレーカーを落とすことを勧めています。これは、再通電時の火災リスクを減らすためです。
https://www.fdma.go.jp/publication/ugoki/items/rei_0201_48.pdf
被災地派遣の現場でも、揺れや浸水の後は「その時は何も起きていない」のに、復電してから煙が出ることがあります。だから、停電時のブレーカー判断はかなり重要です。
■③ すぐブレーカーを落とした方がいいのはどんな時か
すぐ落とした方がいいのは、避難で家を離れる時です。
東京電力パワーグリッドも、地震時には「避難するときはブレーカーを切ってください」と案内しています。消防庁も、停電中に自宅から離れる際はブレーカーを落とすよう示しています。
https://www.tepco.co.jp/pg/consignment/for-general/earthquake.html
つまり、家の中に誰もいなくなるなら、再通電時の火災を防ぐためにブレーカーを落とす方が現実的です。私なら、地震・水害・火災で避難する時は、余裕があれば最後にブレーカーを確認します。
■④ 逆に、すぐ落とさなくてもよいのはどんな時か
すぐ落とさなくてもよいのは、その場にいて安全確認ができ、避難する必要がない時です。
たとえば、短時間の停電で家の中にとどまり、状況を見ている場合です。この時は、まず使用中の電気機器のスイッチを切る、熱器具のプラグを抜く、周囲に燃えやすい物がないかを見る方が先です。いきなりブレーカーを落とすことより、今の危険を減らすことが大切です。
私なら、停電した瞬間に真っ暗な中で無理に分電盤へ向かうより、まず足元と火の気を確認します。その方が転倒や別の事故を防ぎやすいです。
■⑤ 停電直後に切るべき家電は何か
特に注意したいのは、熱を出す家電です。
たとえば、電気ストーブ、アイロン、ドライヤー、トースター、電気コンロなどです。停電復旧時にスイッチが入ったままだと、周囲の物に引火する危険があります。東京電力パワーグリッドも、地震時は使用中の器具のスイッチを切り、特に熱器具はプラグを抜くよう案内しています。
https://www.tepco.co.jp/pg/consignment/for-general/earthquake.html
元消防職員としても、「火を使っていないから大丈夫」ではなく、「熱を出す機器が戻った時に危ない」と考えます。私は、まず熱器具から止めます。
■⑥ 再通電した時に何を確認すべきか
再通電した時に大切なのは、すぐ全部の家電を使わないことです。
消防庁は、給電が再開されたら、浸水などによる電化製品の破損、配線やコードの損傷、燃えやすいものの有無などを確認してから使うよう案内しています。さらに、外見上は無事でも、壁内配線や家電内部の故障で、再通電後しばらくして火災になることがあるとしています。
https://www.fdma.go.jp/publication/ugoki/items/rei_0201_48.pdf
私なら、復電したら
においはないか
煙は出ていないか
コードが傷んでいないか
を見ます。少しでも異常があれば、すぐブレーカーを落として消防へ相談します。
■⑦ 地震や水害の後では考え方は変わるのか
かなり変わります。揺れや浸水があった後は、ブレーカーを落とす優先度が上がると考えた方が安全です。
特に水に濡れたコンセントや機器、倒れた家電、傷んだ配線は危険です。消防庁も、水害に伴う停電では通電火災対策の徹底を求めています。だから、地震や浸水後に家を離れるなら、ブレーカーを落とす判断はかなり重要になります。
被災地でも、「停電しただけ」と見えて、実際には見えない損傷があることがありました。私は、災害後の停電は“いつもの停電”とは別物として考えます。
■⑧ 迷った時の判断基準
迷ったら、次の順番で考えてください。
「今すぐ避難で家を離れるのか」
「熱器具や危険な家電のスイッチは切れているか」
「浸水・倒壊・配線損傷の可能性はないか」
「再通電した時に火災リスクが上がらない状態か」
この4つが整理できれば、停電直後にブレーカーを落とすかどうかの判断としてはかなり現実的です。防災では、「ブレーカーを落とすかどうか」だけでなく「どんな条件で落とすべきか」を知っておく方が大切です。
■⑨ まとめ
停電直後にやるべき行動で大切なのは、火の気と危険な家電を止め、避難で家を離れる時はブレーカーを落とし、再通電時の通電火災を防ぐことです。消防庁は、停電中は電気機器のスイッチを切り、停電中に自宅から離れる際はブレーカーを落とすよう案内しています。東京電力パワーグリッドも、地震時に避難するときはブレーカーを切るよう示しています。
私なら、停電直後に一番大事なのは「とりあえずブレーカーを触ること」ではなく「火災リスクを増やさない順番で動くこと」だと伝えます。現場でも、助かったのは早く動いた人より、危険を見て順番を外さなかった人でした。だからこそ、まずは火の気、次に家電、最後に避難するならブレーカー。この順番で整えるのがおすすめです。
出典:https://www.fdma.go.jp/publication/ugoki/items/rei_0201_48.pdf(消防庁「通電火災対策について」)

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