【元消防職員が解説】消防の「準備8割」とは?本当の意味と、初任科前に整えるべきこと

消防の世界でよく聞く「準備8割」という言葉は、根性論ではありません。現場で安全に動き、判断を早め、ミスを減らすための“仕組み”の考え方です。特に初任科に入る前は不安が強くなりやすい時期だからこそ、この言葉の本当の意味を理解しておくと、気持ちがかなり軽くなります。この記事では「準備8割」の中身を、今日から実行できる形に落とし込みます。


■① 準備8割は「現場で迷わないための設計」

準備8割とは、現場で頑張る比率の話ではなく「現場で迷う時間を限界まで減らす」という設計思想です。火災・救助・救急の現場は、音、熱、煙、人の動きなどで情報が一気に増え、判断がぶれやすくなります。そこで必要なのは、平時に動きを型にしておくことです。型があると、緊張しても手順に戻れます。これが準備8割の核心です。


■② 準備の中心は「装備」より「手順」と「役割」

新人ほど「装備が揃えば大丈夫」と思いがちですが、実際に差が出るのは手順と役割です。現場では、誰が何をするのかが曖昧になるほど混乱します。準備とは、装備を持つことではなく「自分の役割を言葉で説明できる」「動きの順番が頭の中で並んでいる」状態を作ることです。装備は道具で、使いこなすのは人です。人の動きが揃って初めて装備が活きます。


■③ 準備不足で起きるのは「能力差」より「確認不足」

準備不足が原因で起きるミスの多くは、能力が低いからではなく確認が甘いからです。確認したつもり、分かったつもり、できるつもり。この「つもり」が現場では一番危険です。準備8割は、確認を習慣にすることでもあります。確認は地味ですが、これができる人ほど現場で落ち着いて動けます。


■④ 初任科前の不安を減らすのは「未知を減らす準備」

初任科前の不安は、ほとんどが未知から来ます。体力、覚える量、雰囲気、人間関係、叱責への怖さ。これらを一気に消すことはできませんが、自分でコントロールできる準備を増やすほど不安は小さくなります。準備8割は、安心材料を“自分の手で増やす”考え方です。大きな努力より、毎日の小さな積み重ねが一番効きます。


■⑤ 今日からできる「準備8割」の最小行動

準備は気合いよりも仕組みで勝てます。まずは最小行動からで十分です。例えば、身につける順番を固定する、置き場所を決める、前日に準備を終える、忘れ物ゼロを確認する。こうした小さな固定化は、現場での迷いを減らします。準備を朝に残さないだけでも、1日のスタートが安定します。


■⑥ 判断が軽くなるのが「準備8割」の最大効果

準備ができていると、現場で判断が軽くなります。次に何をするかが見え、余計な確認が減り、声が出ます。新人にとって最強の武器はスピードではなく「迷わないこと」です。迷わない人は安全で、連携も取りやすく、結果的に動きが速く見えます。準備8割は、現場での判断負担を軽くするためにあります。


■⑦ うまくいく人の共通点は「再現性を作っている」

うまくいく人は、気分や調子に左右されず、同じ結果を出す工夫をしています。つまり再現性です。再現性は、偶然ではなく仕組みで作ります。いつも同じ手順、同じ確認、同じ準備。これがあると、緊張しても崩れません。準備8割は、強い人の才能ではなく、誰でも作れる再現性の技術です。


■⑧ 「準備8割」を勘違いしないための整理

準備8割は、頑張る量を増やす話ではありません。現場での選択肢を増やす話です。準備があると、想定外が起きても戻れる型があり、次の一手を選べます。逆に準備がないと、現場で悩み続けて時間が消えます。準備8割は、現場の安全と成果を支える土台です。初任科前にこの考え方を持つだけで、学びの吸収が変わってきます。


■まとめ|「準備8割」は現場で生き残るための仕組み

準備8割とは、現場で焦らないために平時に型を作る考え方です。装備よりも、手順・役割・確認の習慣が核になります。初任科前の不安は、未知を減らす準備で確実に軽くできます。

結論:
消防の「準備8割」は、現場で迷わず安全に動くために、平時に手順と確認を型として作り込むという意味です。
元消防職員として現場を見てきた感覚で言うと、最後に頼れるのは才能よりも「いつも通りに戻れる準備」です。焦りそうな場面ほど、準備してきた人は落ち着いて動けます。準備は裏切りません。

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