【元消防職員が解説】消防学校でメンタル面がつらくならないために何を意識すべきか|ストレス対策・相談先・休みの日の過ごし方の判断基準

消防学校に入る前、体力や訓練のきつさ以上に不安になりやすいのがメンタル面です。
「全寮制で気が休まるのか」
「同期と比べて落ち込まないか」
「辞めたくなった時はどうすればいいのか」
こうした不安はかなり自然です。

結論から言えば、消防学校でメンタル面がつらくならないために一番大事なのは、“強い心を作ること”ではなく、“崩れそうな時に早めに整えられる生活を作ること”です。
つまり、気合いや根性だけで乗り切ろうとするより、
・睡眠
・食事
・一人になる時間
・同期との距離感
・相談するタイミング
を先に整えておく方が現実的です。

元消防職員として率直に言えば、消防学校でメンタル的にきつくなる人は、弱い人ではありません。
真面目で、頑張りすぎて、休み方が分からない人が崩れやすいです。
だから入校前は、「自分はメンタルが強いか」より、「しんどくなった時の立て直し方を持っているか」で考える方がいいです。

■① まず前提として、消防学校は“メンタルが揺れやすい環境”ではある

消防学校は、
訓練
座学
寮生活
規律
人間関係
評価
が同時に進みます。

つまり、普通の学校や普通の職場より、心が揺れやすい条件はそろっています。
これは珍しいことではありません。

元消防職員として見ても、消防学校で落ち込む瞬間は、

・訓練についていけない時
・同期と比べてしまう時
・教官に注意された時
・生活の自由が少ない時
・疲れが抜けない時

に起きやすいです。

だから最初に持っておいた方がいい感覚は、
「つらくなること自体は異常ではない」
ということです。
ここを間違えないだけでもかなり楽になります。

■② 一番のストレス対策は“生活リズムを崩さないこと”

メンタル対策というと、特別な方法を探したくなります。
でも、消防学校で一番効くのはかなり地味です。
それは、生活リズムを崩さないことです。

具体的には、

・寝る時間をずらしすぎない
・朝食を抜かない
・入浴を雑にしない
・休める時にスマホで削らない
・休日に無理な予定を詰め込みすぎない

このあたりです。

元消防職員として強く言えるのは、消防学校ではメンタル不調と体調不良がかなりつながっているということです。
睡眠不足、疲労、食事の乱れがあると、注意されただけでも必要以上に落ち込みやすくなります。
だから最初のストレス対策は、気持ちの問題ではなく、生活の土台を崩さないことです。

■③ 比較しすぎる人ほどしんどくなりやすい

消防学校では、どうしても同期が見えます。
走るのが速い人
号令がうまい人
覚えが早い人
教官受けがよく見える人
そういう人が必ずいます。

でも、ここで一番危ないのは、
「自分は向いていないのでは」と早く結論を出しすぎることです。

元消防職員として率直に言うと、消防学校で最初に目立つ人が、そのままずっと安定するとは限りません。
逆に、最初は苦しそうでも、生活を崩さずコツコツ積み上げる人の方が、あとから強くなることもかなりあります。

だから比較はゼロにできなくても、
「昨日の自分より少し整ったか」
くらいで見た方が現実的です。
消防学校では、派手な才能より継続の方が勝つ場面が多いです。

■④ ストレスが強い時は“原因を一つに分ける”とかなり楽

消防学校でつらくなる時、人は全部がしんどく感じやすいです。
でも実際には、原因を分けると整理しやすくなります。

たとえば、

・体力的にきつい
・人間関係がきつい
・注意されるのがきつい
・生活の自由が少なくてきつい
・将来への不安がきつい

このように一つに分けることです。

元消防職員としても、メンタルが崩れにくい人は、「もう全部無理」とまとめないで、
何が一番しんどいかを分けられる人です。
一つに分けられると、対策も打ちやすくなります。

■⑤ 相談先は“限界になってから”ではなく“違和感の時点”でいい

消防の世界は、昔のイメージだと「弱音を吐きにくい」と感じる人も多いです。
ただ、消防庁の調査では、消防本部で実施しているメンタルヘルス対策として、職員研修、面接相談、電話相談、啓発などが行われています。
また、消防学校や消防本部が平常時から地域メンタルサポートメンバーによる研修や教育を受ける体制づくりも示されています。
つまり今は、相談すること自体が特別なことではない方向に動いています。 (fdma.go.jp) (fdma.go.jp)

元消防職員として率直に言うと、相談は
「もう無理です」
の時より、
「ちょっとまずいかも」
の時の方が意味があります。

だから、

・眠れない
・食欲が落ちる
・朝に強い吐き気がある
・涙が出る
・何をしても回復しない
・訓練や授業に集中できない

こうしたサインが続くなら、早めに整理した方がいいです。

■⑥ 休みの日は“頑張って充実させる”より“回復を優先する”方が強い

消防学校の休日は貴重です。
だからこそ、
遊ばなきゃ
外出しなきゃ
リフレッシュを完璧にしなきゃ
と考えて逆に疲れる人もいます。

でも元消防職員として言えば、消防学校中の休みの日は、
充実より回復
を優先した方がかなりいいです。

おすすめは、

・少し長めに寝る
・洗濯や身の回りを整える
・静かな時間を作る
・軽く散歩する
・家族や恋人に短く連絡する
・来週の準備を少しだけしておく

このくらいです。

逆に、
毎回予定を詰め込む
夜更かしする
暴飲暴食する
帰寮前に気持ちが重くなるほど遊びすぎる
こうなると、休み明けがかなりしんどくなります。

■⑦ “一人で整える方法”を持っている人は強い

消防学校は集団生活なので、人といる時間が長いです。
その中でメンタルを保つには、一人で整える方法を持っているとかなり強いです。

たとえば、

・イヤホンなしで静かに座る
・ノートに少し書く
・呼吸を整える
・短くストレッチする
・家族に一言だけ連絡する
・入浴で切り替える

こうした小さいもので十分です。

元消防職員としても、消防学校で安定しやすい人は、派手な趣味がある人というより、
短時間で気持ちをリセットする方法を持っている人
です。

■⑧ よくある誤解は「メンタルが強い人だけが残る」ということ

ここはかなり大事です。
消防学校の話になると、どうしても
「結局、メンタルが強い人しか無理」
と思いがちです。

でも元消防職員として強く言いたいのは、
残る人は、最初から強い人だけではありません。
しんどくなった時の整え方がある人
が残りやすいです。

つまり、

・落ち込まない人
ではなく
・落ち込んでも戻れる人

の方が強いです。

だから入校前に必要なのは、最強のメンタルではなく、
崩れても立て直せる生活と相談意識
です。

■⑨ まとめ

消防学校でメンタル面がつらくならないために一番大事なのは、強い心を作ることではなく、崩れそうな時に早めに整えられる生活を作ることです。
消防の世界でも、職員研修、面接相談、電話相談、平常時からのストレス教育など、メンタルヘルス対策が進められています。
つまり、今は「相談するのが弱さ」という時代ではなく、早めに整えることが実務的だと考える方が正確です。

元消防職員として強く言えるのは、消防学校で本当に強いのは「一度も落ち込まない人」ではなく、落ち込んだ時に生活を崩さず戻せる人です。
迷ったら、まずは睡眠、次に食事、そして一人で整える時間を少しでも持つ。
それだけでも、かなり変わります。

出典:消防庁「消防職員の現場活動に係るストレス対策フォローアップ研究会報告書」

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