消防学校に入る前、多くの人は
「入ってから頑張れば何とかなるのでは」
と考えがちです。
もちろん、消防学校はゼロから教わる場でもあります。
ただ実際には、入校前に何をしていたかで、最初の1か月からかなり差がつきます。
結論から言えば、消防学校で差がつく人は、特別な才能がある人ではなく、“生活・体力・気持ち・基礎知識”を整えて入る人です。
東京消防庁も、採用予定者が消防学校に入校するまでの期間に、入校後の消防活動訓練に必要な体力を効果的に養うための自主的な体力トレーニング資料を作成しています。
また、消防庁の教育訓練基準でも、初任教育は新たに採用された消防職員全てに対して行う基礎的教育訓練とされています。
つまり、入校前は「受かったから終わり」ではなく、消防学校に入りやすくするための準備期間です。
元消防職員として率直に言えば、消防学校で最初に苦しくなる人は、能力不足だけではありません。
準備不足で、生活ごと崩れる人です。
だから入校前は、追い込むことより、崩れない準備をした方がかなり強いです。
■① 一番差がつくのは“朝型生活に戻しているか”
消防学校で最初にかなり差が出るのが、生活時間帯です。
消防学校は全寮制で朝から夜まで密度の高い生活になることが多く、夜型のまま入るとかなり苦しくなります。
元消防職員として率直に言うと、入校前に差がつく人は、まず
・起きる時間を固定する
・夜更かしを減らす
・昼夜逆転を直す
・朝食を取る
といった、生活の土台を整えています。
体力があっても、朝に起きられない、夜に切り替えられない状態だと、消防学校では一気にきつくなります。
だから最初に差がつくのは、筋肉量より、朝型生活への適応です。
■② 体力づくりは“強くなること”より“毎日動ける体”を作っている
東京消防庁が入校前トレーニング資料を示しているように、採用後から体力を整えることには意味があります。
ただし、元消防職員としてかなり大事だと思うのは、ここでやるべきなのは
追い込みではなく、継続できる体づくり
だということです。
差がつく人は、たとえば
・軽いジョギング
・速歩
・腕立て
・スクワット
・体幹
・ストレッチ
を、無理なく続けています。
逆に、入校前に差がつかないどころか不利になりやすいのは、
急に毎日走る
急に高回数の筋トレを始める
腰や膝を痛める
というパターンです。
消防学校で強いのは、入校前に最強の体を作った人ではなく、入校後も毎日動ける土台を作った人です。
■③ 持ち物と生活用品を“早めに整理している人”はかなり安定する
消防学校では、訓練そのものだけでなく、生活を回せるかどうかがかなり重要です。
そのため、差がつく人は持ち物準備を直前の一発勝負にしません。
元消防職員として見ると、安定している人は、
・書類
・指定品
・洗面具
・洗い替え
・消耗品
を早めに分けて整理しています。
さらに、地味ですがかなり効くのが、
・ワイドハイター
・サポーター
・コルセット
・飲料水
・小銭
のような“毎日を止めない物”です。
以前整理したとおり、消防学校で崩れる原因の多くは、
大きな問題より
小さな不快の積み重ねです。
差がつく人は、そこを先に潰しています。
■④ “消防学校で何を学ぶか”をざっくり知っている人は入りやすい
消防学校は、体力訓練だけの場所ではありません。
消防庁の教育訓練基準でも、初任教育は消防業務全般の基礎を学ぶ場とされており、法学基礎・消防法・予防・危険物・救急・訓練礼式など幅広い内容が含まれます。
元消防職員として率直に言えば、差がつく人は、全部を先取りしている人ではありません。
でも、少なくとも
・消防法
・予防
・危険物
・救急
・礼式
といった言葉に少し触れています。
この「見たことがある」「聞いたことがある」状態がかなり大きいです。
入校後に何もかもが初見だと、それだけで疲れやすくなります。
だから差がつく人は、深く勉強しすぎず、分野に少し慣れている人です。
■⑤ “返事・姿勢・時間”を意識している人は最初から崩れにくい
消防学校で最初にかなり見られるのは、実は高度な技術ではありません。
返事、姿勢、時間、報告といった基本です。
元消防職員として見ると、入校前から差がつく人は、
・「はい」を短く大きく言う
・立つ姿勢を整える
・時間の少し前に動く
・言われたことを後回しにしない
という感覚を少し持っています。
つまり、ロープ結索を完璧にやることより、
基本動作に体が入っていること
の方がずっと強いです。
消防学校で最初に楽になるのは、派手な技術より、こうした土台です。
■⑥ 家族や恋人と“連絡の前提”を共有している人は気持ちが崩れにくい
消防学校に入ると、連絡頻度や会える頻度はかなり変わることがあります。
そのため、差がつく人は、自分だけ準備するのではなく、周囲にも前提を伝えています。
たとえば、
・連絡が減るかもしれない
・返事が短くなるかもしれない
・週末も疲れて余裕が少ない時がある
・しばらく生活が変わる
こうしたことです。
元消防職員として率直に言うと、消防学校で気持ちが崩れやすい人は、訓練だけでなく、周囲とのすれ違いでしんどくなることがあります。
だから差がつく人は、入校前に人間関係の前提も整えています。
これはかなり大きいです。
■⑦ “遊び切る”より“整えて休む”を選んでいる人は強い
採用後や入校前の期間は、自由時間として使いたくなるのが自然です。
旅行、趣味、友人との時間も大切です。
ただ、元消防職員として強く言えるのは、差がつく人は
回復を削る遊び方をしない
ということです。
・昼夜逆転しない
・暴飲暴食しない
・徹夜しない
・入校直前まで予定を詰めすぎない
この辺りをちゃんと守っています。
消防学校前に一番強いのは、気合いでも根性でもなく、整えて休めることです。
ここができる人は、入校初週からかなり崩れにくいです。
■⑧ まとめ
消防学校で差がつく人は、特別な才能がある人ではなく、生活・体力・持ち物・基礎知識・気持ちを整えて入る人です。
東京消防庁は、採用予定者が入校前に消防活動訓練へ必要な体力を効果的に養うための自主トレ資料を示しており、消防庁の基準でも初任教育は新たに採用された全ての消防職員に対する基礎的教育訓練と位置づけられています。
つまり、入校前は「何も知らなくていい期間」ではなく、かなり差がつく準備期間です。
元消防職員として強く言えるのは、消防学校で本当に差がつくのは、入校後に特別な力を見せる人ではなく、入校前に崩れにくい土台を作ってきた人です。
迷ったら、まずは朝型生活。
次に軽い体力づくり。
そして持ち物と生活用品の整理。
この3つをやるだけでも、かなり入りやすくなります。

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