【元消防職員が解説】消防学校初任科でチームワークと同期の絆が大切な理由|現場で“最後に効く力”を作る

消防学校初任科では、体力や技術と同じくらい「チームワーク」が問われます。同期との絆は、仲が良いかどうかの話ではありません。現場で誰かの命を守るための、実務の土台です。
結論から言うと、同期の絆は“訓練を乗り切るため”だけでなく、“現場で崩れないため”に必要です。個人が強くても、隊で崩れたら事故が起きます。初任科は、その事故を起こさないための人間関係を作る期間でもあります。


■① 結論|チームワークは「安全・確実・迅速」を成立させる技術

消防はスポーツではありません。勝敗より、安全が最優先です。
隊の動きは、
・安全(事故を起こさない)
・確実(手順を外さない)
・迅速(必要な場面で早い)
を同時に求められます。
これを成立させるのがチームワークです。声、復唱、指差呼称、連携。すべてが“絆の上に乗る技術”です。


■② 初任科で絆ができる理由|同じ負荷を一緒に越えるから

同期の関係が強くなるのは、同じ負荷を同じ時間に受けるからです。
・きつい訓練
・暑さや寒さ
・失敗と反省
・緊張感
この共有は、短期間で信頼を生みます。ここで作った信頼は、現場に出た後も残ります。


■③ 絆が弱いと何が起きる?|ミスは「個人」ではなく「隊」で増える

絆が弱い隊は、次の形で崩れます。
・声が出ない
・確認が飛ぶ
・遠慮して言えない
・助けを求めるのが遅れる
消防は、遠慮した瞬間に危険が増えます。
「言うべきことを言える関係」が、最も強いチームです。


■④ チームワークの正体|仲良しではなく“役割の理解”

チームワークは、気が合うかどうかではありません。
・自分の役割
・相手の役割
・合図と復唱
・受け渡しのタイミング
これが揃うと、感情に関係なく隊は強くなります。
初任科で身につけるべきは「好き嫌いを超えて動ける技術」です。


■⑤(実際に多かった失敗)同期同士で“我慢の競争”になると危険

初任科で本当に多い失敗は、同期同士で我慢の競争になってしまうことです。
・きついのに言えない
・助けを求められない
・水分を我慢する
・痛みを隠す
これは絆ではなく、事故の入口です。
本当の絆は「無理してるなら止めろ」と言える関係です。


■⑥ 絆を強くする具体行動|最短で効くのは“声”と“感謝”

同期の絆を強くする最短行動は、難しいことではありません。
・返事を出す
・復唱する
・相手の良い行動を一言で認める
・助けてもらったら必ず礼を言う
この積み重ねが、現場での信頼になります。
訓練の量は質を凌駕する。同じく、信頼も「量」で作られます。


■⑦(一次情報)被災地派遣で最後に効いたのは“人間関係の貯金”だった

被災地派遣やLOの現場では、マニュアル通りに進まないことが当たり前です。情報が錯綜し、人が疲れ、イライラし、判断が遅れます。
そのとき、最後に効いたのは“人間関係の貯金”でした。
普段から声を掛け合い、遠慮せず確認できる関係があるチームは、混乱の中でも崩れにくい。逆に、関係が薄いチームは、確認不足から小さな事故が増えます。
同期の絆は、災害現場で命を守るための保険です。


■⑧ 初任科でやるべきこと|同期の絆を“現場仕様”にする

初任科でやるべきことは、仲良しを目指すことではありません。
・言うべきことを言える
・助けを求められる
・確認を遠慮しない
・失敗を共有して改善できる
この関係を作ることです。
同期は、将来の現場であなたを守る存在になります。


■まとめ|同期の絆は「精神論」ではなく、命を守る実務の基盤

消防学校初任科でのチームワークと同期の絆は、訓練を乗り切るためだけではなく、現場で事故を起こさず、安全に確実に動くための土台です。絆が強い隊ほど、声が出て確認が増え、遠慮が減り、結果として被害と事故が減ります。

結論:
同期の絆は、消防の「安全・確実・迅速」を成立させる“命を守る技術”です。
元消防職員として現場を見てきた実感でも、最後に頼れるのは装備より人でした。初任科の今、同期との信頼を積み上げることが、未来のあなたを守ります。

出典:総務省消防庁「消防団・消防の組織と活動に関する資料」

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