【元消防職員が解説】消防用ホースの扱い方は?結論:折れ・ねじれ・摩耗を潰せばトラブルは激減する

消防用ホースは、放水の“血管”です。
水が出ない、圧が上がらない、途中で漏れる――この手のトラブルは、現場では致命的になります。
入校直後は「重い」「絡む」「思った方向に伸びない」と感じやすいですが、ポイントはシンプルです。ホースの種類を押さえ、取り扱いで折れ・ねじれ・摩耗を作らない。これだけで失敗は大きく減ります。


■① 消防用ホースは「用途で種類が分かれる」

消防用ホースは、放水用として使うものだけでなく、長距離送水や中継、吸水系統に関わるものまで含めて考えます。
現場での基本は、放水・送水のためのホースで、口径や長さ、結合金具の規格が揃っています。
種類の違いは「水量・圧力・取り回し」に直結します。


■② 口径の違いは「水量と扱いやすさ」に直結する

口径が大きいほど、水量を確保しやすい反面、取り回しは重くなります。
口径が小さいほど、操作性は上がりますが、流量は限られます。
訓練では、どの口径を使っているかを意識するだけで、伸ばし方・曲げ方・結合の丁寧さが変わります。


■③ 取り扱いの基本は「伸ばす前に整列」

ホースでよく起きる失敗は、伸ばす前から絡みを作っていることです。
積載状態から取り出したら、まず進行方向に対してホースの並びを整え、結合部(カップリング)の向きを揃えます。
この一手間が、後のねじれ・引っ掛かり・展張ミスを減らします。


■④ 展張は「ねじれを作らない」が最重要

ホースは、ねじれたまま加圧すると、暴れ・折れ・損傷の原因になります。
展張中にホースの面が反転していないか、結合部の向きが不自然になっていないかを必ず確認します。
加圧前に“一度まっすぐ”を作る。これがホース事故の予防になります。


■⑤ 結合は「砂・異物・斜め噛み」を絶対に避ける

結合金具は、砂や小石が入ると噛み込みや漏れの原因になります。
焦って斜めに噛ませると、締結できているように見えても加圧で抜けたり、漏れたりします。
結合は、面を合わせてまっすぐ入れ、確実に締める。ここだけは急がない方が結果的に早いです。


■⑥ 加圧中の注意点は「折れ・摩耗・跳ね」

加圧がかかると、折れ部は流量低下や破断リスクになります。
また、角や段差で擦れている場所は、摩耗が進みやすく、漏水の原因になります。
放水中にホースが跳ねる、暴れるのは、ねじれや折れ、急な圧変化が関係します。異常が出たら、原因をホースの形状から疑うのが基本です。


■⑦ 片付けは「洗う・乾かす・点検」がセット

ホースは使ったら終わりではありません。
泥、砂、油分が付いたままだと劣化が早まります。
乾燥が不十分だとカビや腐食の原因になり、次回の性能に影響します。
片付けは、洗浄→点検→乾燥→巻き・収納までを一連で考えるのが安全です。


■⑧ 初任科で差がつくのは「雑に扱わない習慣」

ホースは、雑に引きずる、踏む、角に当てる、ねじれたまま加圧する――これをやるほど壊れます。
逆に言えば、丁寧に扱える人ほど現場で信頼されます。
元消防職員としての感覚ですが、ホースを丁寧に扱える人は、他の資機材も丁寧で、結果として事故が少ない傾向がありました。


■まとめ|ホースは「折れ・ねじれ・摩耗」を潰すだけで強くなる

消防用ホースは、種類の違いを理解した上で、展張と結合を丁寧に行えばトラブルが激減します。
加圧前にねじれを潰し、結合で異物と斜め噛みを避け、加圧中は折れと摩耗を作らない。
この基本を守るだけで、放水は安定し、現場の安全度が上がります。

結論:
消防用ホースは、折れ・ねじれ・摩耗を潰せばトラブルは激減する。
元消防職員として現場で痛感したのは、ホースの失敗は「力不足」より「扱いの雑さ」から起きることが多いという点です。型どおり丁寧に扱える人ほど、訓練でも現場でも伸びます。

出典:総務省消防庁「消防用ホース・結合器具の取扱いに関する安全上の留意点」

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