火災時に多くの人が迷うのが、「このドアを開けて逃げていいのか、それとも開けない方がいいのか」です。ここで大切なのは、勢いでドアを開けることではなく、ドアの向こう側が本当に安全かを先に確認することです。千葉市消防局は、火災から避難する時は、ドアをいきなり開けず、まず手の甲でドアを軽く触り、ドアノブが熱くないかを確認するよう案内しています。さらに、ドアノブが熱い時は向こう側に火が迫っており、開けると有毒な煙が一気に入ってきて非常に危険なので、別のドアや窓からの避難を考えるよう示しています。東京消防庁も、避難時は煙を吸い込まないよう低い姿勢で逃げることが重要だと案内しています。千葉市消防局「火災になった家から無事に逃げるためには?」 東京消防庁「やってみよう!防災訓練~避難のしかた~」
つまり、火災時にドアを開けるかどうかの判断で大切なのは、「出口だから開ける」ことではなく、開けた先の煙・熱・火の危険を先に見ることです。元消防職員として感じるのは、火災時に一番危ないのは「逃げ遅れること」だけではなく、「危険なドアを開けて煙や炎を自分のいる場所へ呼び込むこと」でもあるという点です。私は、火災時のドア判断では、まず熱、次に煙、最後に開け方、この順で考えるのが現実的だと考えます。
■① まず結論として、火災時にドアを開ける前に最初に確認すべきことは何か
結論から言うと、最初に確認すべきことは、ドアノブやドア自体が熱くないかです。
千葉市消防局は、ドアはいきなり開けず、まず手の甲でドアを軽く触るよう案内しています。これは、手のひらで触ってやけどすると、その後の避難に大きな支障が出るからです。そして、ドアノブが熱い場合は、ドアの向こう側に火が迫っているおそれが高く、開けると有毒な煙が一気に入ってきて危険だと示しています。千葉市消防局「火災になった家から無事に逃げるためには?」
私は、火災時のドア判断で一番大事なのは「開ける勇気」ではなく「開ける前の確認」だと考えます。被災地でも、あわてて行動した時ほど二次被害が起きやすいです。
■② なぜ手の甲で確認するべきなのか
理由は、やけどを避けるためです。
千葉市消防局は、ドアノブが熱かった時に手のひらで触ってやけどすると、その後の避難に多大な支障を来すため、必ず手の甲で確認するよう示しています。火災時はドアの判断をした後も、姿勢を低くして移動したり、手すりや壁を使ったりすることがあるため、手の機能を守ることはかなり重要です。千葉市消防局「火災になった家から無事に逃げるためには?」
元消防職員としても、火災時の避難では小さなけががその後の判断や移動に大きく影響すると感じます。だから私は、手の甲での確認はかなり実用的な基本動作だと考えます。
■③ ドアの熱以外に何を見ればいいのか
次に見たいのは、ドアの隙間から煙が入ってきていないかです。
千葉市消防局は、ドアノブの熱を確認することを基本にしていますが、実際の火災では、ドアの向こう側に火や煙が広がっていると、隙間から煙が流れ込むことがあります。東京消防庁は、火災時の避難では煙を吸い込まないよう、口と鼻を覆い、低い姿勢で煙の下を逃げるよう案内しています。つまり、ドアの向こう側に煙が多いと考えられる場合は、開けること自体が危険を増やす可能性があります。東京消防庁「やってみよう!防災訓練~避難のしかた~」
私は、ドア判断では「熱いかどうか」だけでなく、「開けた瞬間に煙が流れ込まないか」を意識する方が現実的だと考えます。
■④ ドアノブが熱い時はどうするべきか
ドアノブが熱い時は、そのドアは開けない方が安全です。
千葉市消防局は、ドアノブが熱かった場合、その向こう側にはすでに火が迫っており、ドアを開けると有毒な煙が一気に部屋へ入ってきて非常に危険なので、他のドアから逃げたり、窓がある場合は窓の方から脱出するよう示しています。千葉市消防局「火災になった家から無事に逃げるためには?」
私は、火災時のドア判断では「出口がそこしかないか」より「その出口を開けたら危険が一気に入らないか」を優先するべきだと考えます。
■⑤ ドアノブが熱くなければ開けていいのか
熱くない場合でも、ゆっくり慎重に開ける方が安全です。
千葉市消防局は、ドアノブが熱くない場合は向こう側にまだ火が来ていないと考えられるため、ゆっくりとドアを開けるよう案内しています。また、その際も煙を吸わないよう、口元を布で覆い、低い姿勢で移動することが勧められています。千葉市消防局「火災になった家から無事に逃げるためには?」
私は、火災時のドアは「安全確認ができたら一気に開ける」のではなく、「少しずつ開けて、煙や熱の流れを見ながら動く」方が現実的だと考えます。
■⑥ 開ける時の姿勢はどうするべきか
開ける時は、できるだけ姿勢を低くする方が安全です。
東京消防庁は、火災の煙は天井からたまっていくため、床に近い低いところは比較的見通しがきき、煙を吸い込みにくいと説明しています。だから、ドアを開ける時も、立ったまま顔を近づけるのではなく、できるだけ低い姿勢で、口と鼻を覆って判断する方が安全です。東京消防庁「やってみよう!防災訓練~避難のしかた~」
元消防職員としても、火災時は「見える高さ」と「吸う空気の高さ」が命に直結すると感じます。だから私は、ドア判断も必ず低い姿勢で行う方がよいと考えます。
■⑦ 逃げられない時はどう考えるべきか
逃げられない時は、無理に危険なドアを開けるより、別の安全確保行動へ切り替える方が大切です。
千葉市消防局は、窓があっても高すぎてそこから逃げられない場合には、窓を開けて外の人に助けを求めること、シーツや枕カバーなどの大きな布を窓の外で振って自分の居場所を知らせることを案内しています。また、東京消防庁や消防庁系の教材でも、煙を避けるために低い姿勢を取り、出入り口のドアを閉めて煙の流入を抑えることが重要だとされています。千葉市消防局「火災になった家から無事に逃げるためには?」 消防庁 防災危機管理eカレッジ「火災からの避難」
私は、火災時の判断では「とにかくドアを開けて脱出」ではなく、「今ある条件で一番生存率が高い行動は何か」を考える方が現実的だと考えます。
■⑧ 迷った時の判断基準
迷ったら、次の順番で考えてください。
「ドアノブやドアは熱くないか」
「ドアの向こう側に煙が多くないか」
「低い姿勢で、少しずつ安全確認できるか」
「危険なら別の出口や窓、救助要請へ切り替えられるか」
この4つが整理できれば、火災時にドアを開けるべきかの判断としてはかなり現実的です。防災では、「早くドアを開けること」より「危険なドアを開けないこと」の方が大切です。
■⑨ まとめ
火災時にドアを開けるべきか迷った時に大切なのは、いきなり開けるのではなく、まず手の甲で熱を確認し、煙や熱の危険を見て、熱い時は開けず、熱くない時も低い姿勢でゆっくり安全確認しながら動くことです。千葉市消防局は、ドアはまず手の甲で確認し、ドアノブが熱い時は向こう側に火が迫っているため開けないよう示しています。東京消防庁も、火災時は煙を吸わないよう口と鼻を覆い、低い姿勢で避難することを案内しています。
私なら、火災時に一番大事なのは「出口だから開けること」ではなく「そのドアを開けて本当に助かるかを先に見ること」だと伝えます。現場では、助かったのは勢いで動いた人より、熱と煙を見て判断できた人でした。だからこそ、まずは熱、次に煙、最後に開け方。この順番で整えるのがおすすめです。
出典:https://www.city.chiba.jp/shobo/yobo/yobo/kasai-nigeru.html(千葉市消防局「火災になった家から無事に逃げるためには?」)

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