【元消防職員が解説】車中泊避難は“見えている人だけ支援すればよい”と思うと危険 居場所を発信できる仕組みがあると助かる

熊本地震では、指定避難所だけでなく、車中泊や在宅避難を選ぶ人が多く出ました。
ただ結論からいうと、車中泊避難は“避難所にいない人は後で把握すればよい”と考えると危険です。

内閣府は、2024年に公表した「在宅・車中泊避難者等の支援の手引き」で、避難所外の避難者も支援対象として把握し、必要な支援につなげることを自治体に求めています。
つまり今は、「避難所の支援」だけでなく「避難者の支援」へ視点を広げることが大事な流れです。

■① 最初の結論

車中泊避難は「避難所に来ていないから後回し」で考えると危険。 助かるのは、居場所を発信できる仕組みがあることです。

行政が一番困るのは、
支援が必要な人の場所が分からないことです。

■② なぜ車中泊避難が見えにくいのか

車中泊や在宅避難は、指定避難所と違って、
人数も場所も動きやすいです。

しかも理由もさまざまです。

  • 余震が怖い
  • 子どもやペットが気になる
  • プライバシーを守りたい
  • 避難所環境が合わない

元消防職員として言うと、現場で本当に難しいのは、
「避難していない人」ではなく、
避難しているのに見えていない人です。

■③ 何が危ないのか

ここで危ないのは、次の考え方です。

  • 避難所に来ている人だけ見れば十分
  • 車中泊は自己責任でよい
  • 支援は物資を置けば届く
  • 場所の把握は発災後に考えればいい

被災地派遣やLOでも感じましたが、
支援が遅れやすいのはいつも、
見えていない避難者です。

場所が分からないと、

  • 水や食料が届かない
  • 健康悪化に気づけない
  • 情報が伝わらない
  • 要配慮者が取り残される

ということが起きやすくなります。

■④ なぜアプリやデジタル化が役立つのか

こういう時に強いのが、
避難者自身が居場所や必要物資を発信できる仕組みです。

熊本市の「くまもとアプリ」も、災害時に避難状況を登録できる機能を持ち、車中泊など避難所外の避難状況把握に活用する考え方が示されています。

防災士として見ると、これはかなり意味があります。
なぜなら、行政だけで全部を探し回るには限界があるからです。

■⑤ 現場感覚として一番伝えたいこと

防災士として一番伝えたいのは、

支援は「集まった人」にするものではなく「困っている人」に届いて初めて意味がある

ということです。

熊本地震でも、能登半島地震でも、
車中泊や在宅避難の把握は大きな課題になりました。

だからこそ今後は、

  • 車中泊避難者を想定する
  • 平時から把握方法を決める
  • デジタルと巡回を組み合わせる
  • 自治会や福祉関係者ともつなぐ

この準備がかなり大事です。

■⑥ まとめ

今回のテーマで大事なのは、

車中泊避難は“見えている人だけ支援すればよい”と思うと危険。 居場所を発信できる仕組みがあると助かる。

この判断です。

避難の形は、もう避難所だけではありません。
だから支援も、避難所だけ見ていては足りません。

車中泊でも、在宅でも、ホテル避難でも、
避難者を見つけて支援につなぐ仕組みを持つ。
それがこれからの現実的な防災だと思います。

出典:内閣府「在宅・車中泊避難者等の支援の手引き」

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