「避難所の階段を、5kgの荷物を背負って3階まで上がれますか?」
この問いに少しでも迷うなら、防災計画は“今の自分”に合っていないかもしれません。
60代はまだ動ける世代です。しかし、体力差・持病・デジタル対応力に大きな個人差が出始める年代でもあります。
今回は、60代以降の防災で命を分ける3つの壁「薬・階段・デジタル」について整理します。
■① 薬が途絶える恐怖|“1週間の余裕”が命を守る
60代以降は、血圧・糖尿病・心疾患など常用薬を持つ方が急増します。
災害時に怖いのは、建物の倒壊だけではありません。
薬が止まること。
停電やシステム障害が起きれば、マイナ保険証の情報も閲覧できなくなる可能性があります。
実際、被災地派遣で見たのは「薬が切れた不安」で体調を崩す方々でした。
今できることは3つです。
・薬もローリングストック(常に予備1週間分)
・スマホの緊急情報に持病を登録
・薬の現物を撮影して保存
薬は“物”でありながら“時間”でもあります。
1週間の余裕が、回復の余裕になります。
■② 階段という現実|垂直避難の体力差
都市部では、浸水や火災を避けるため「3階以上への垂直避難」が推奨されます。
しかし停電すればエレベーターは止まります。
元消防職員として現場で感じたのは、
階段が最後の壁になること。
避難所到着後に倒れる方もいました。
普段は問題なくても、荷物+緊張+暗闇で負荷は倍増します。
今すぐ試してください。
・5kgの荷物で3階まで上がれるか
・リュックで両手を空けられるか
・早期避難という選択肢を持っているか
過信はタイムロスになります。
体力を“今の現実”で測ることが、防災の第一歩です。
■③ デジタルの壁|2026年型の共助
多くの自治体で防災アプリやデジタル連携が進んでいます。
安否確認、避難情報、給水車の位置情報など、情報はスマホ経由が主流です。
「苦手だから使わない」は、
情報から外れることと同じです。
被災地派遣の際、
SNSで物資情報を得て動けた高齢者と、情報が届かず孤立した方の差は明確でした。
今やるべきは、
・安否確認プッシュ通知の設定
・家族との情報共有アプリ導入
・地域SNSのフォロー
デジタルは若者専用ではありません。
命綱です。
■④ 「動ける今」が最大の資産
60代は衰えの始まりではなく、
判断力が成熟した世代です。
災害現場では、冷静な大人の存在が周囲を落ち着かせます。
パニックを止めるのは経験値です。
東日本大震災や豪雨災害で見たのは、
落ち着いた高齢者が避難所運営を支えた姿でした。
自立して避難できることは、家族への最大の贈り物です。
■⑤ 今日やる3つの行動
・薬を1週間分多めに確保
・階段避難を試す
・防災アプリを1つ登録
これだけで、防災レベルは確実に上がります。
■まとめ|60代は“守られる側”ではなく“支える側”
60代は弱者ではありません。
賢く生き残るリーダー世代です。
結論:
薬・階段・デジタル。この3つを超えれば、60代の防災は一段強くなる。
防災士として、そして元消防職員として伝えたいのは、
「今動けるうちに、未来の自分を助ける準備をする」ことです。
あなたが自立して避難できることが、家族にとって何よりの安心です。
出典:Yahoo!ニュース(栗栖成之 防災士ライター「【2026年版】62歳からの防災。命を分かつ『薬・階段・デジタル』の壁」)

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