災害が起きた直後、「何が起きているのか分からない」という混乱は必ず発生します。
道路は通れるのか、断水はどこまで広がっているのか、避難所は開設されているのか。
その膨大な情報を整理し、行政の判断を支えているのがISUT(アイサット)です。
この記事では、ISUTの役割と私たちにとっての意味を分かりやすく解説します。
■① ISUTとは何か
ISUTとは「Information Support Team」の略で、内閣府が設置する災害時情報支援チームです。
被害情報、避難所情報、インフラ被害などを集約し、地図上で可視化します。
いわば「情報の交通整理役」です。
■② なぜ情報整理が重要なのか
災害時は情報が“多すぎる”状態になります。
・SNS情報
・現場からの電話報告
・自治体の発表
・メディア報道
これらが同時多発的に出るため、整理されていないと正しい判断ができません。
情報が点在している状態は、支援の遅れにつながります。
■③ 被災地で感じた情報の混乱
平成28年熊本地震で益城町に派遣された際、断水地域や道路寸断箇所の情報が錯綜していました。
現場では「聞いた情報」と「実際の状況」が一致しないこともありました。
情報が統合されていないと、支援は遠回りになります。
ISUTの役割は、この“遠回り”を減らすことにあります。
■④ ISUTが機能すると何が変わるのか
情報が整理されると、次のような効果があります。
・給水車の優先配備が明確になる
・孤立地域の把握が早まる
・支援物資の偏りが減る
つまり、「命を守る判断」が早くなります。
■⑤ 市民に関係あるのか?
ISUTは行政向けの仕組みですが、結果的に市民を守っています。
ただし、私たちにも役割があります。
・公式情報を確認する
・不確かな情報を拡散しない
・正しい情報源を共有する
情報の質は、市民の行動にも左右されます。
■⑥ よくある誤解
「行政は全部把握しているはず」という誤解があります。
実際は、現場情報は分散しやすく、整理に時間がかかります。
だからこそ専門チームが必要なのです。
■⑦ 情報は“命をつなぐ資源”
水や食料と同じように、情報も資源です。
どこが安全か、どこに行けばいいのか。
正しい情報があれば、無駄な移動や混乱を減らせます。
これは自律型避難にもつながります。
自分で判断できる情報環境があってこそ、落ち着いた行動が可能になります。
■⑧ 私たちが備えておくべきこと
災害時に慌てないためには、平時から情報源を決めておくことが重要です。
・自治体の公式サイト
・防災アプリ
・ラジオ
・防災行政無線
情報源を複数持つことが、混乱を防ぎます。
■まとめ|ISUTが支える“見えない防災”
ISUTは、災害時の情報を整理し、行政の迅速な判断を支える仕組みです。
派手ではありませんが、災害対応の土台を支える存在です。
結論:
情報を整理する仕組みがあることで、命を守る判断は早くなる。
被災地派遣を通じて感じたのは、「情報が整った地域ほど混乱が少ない」という事実です。
防災士として、情報の価値は物資と同じくらい重要だと強く実感しています。

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