避難所が混乱するとき、原因はだいたい同じです。
トイレが足りない、食事が回らない、寝る場所が落ち着かない。
被災地派遣の現場でも、避難所が崩れる起点はこの3つでした。
逆に言えば、ここさえ押さえれば避難所は回り始めます。
それを端的に示す言葉がTKBです。
避難所運営でも家庭の備えでも、優先順位を外さないための“軸”になります。
■① TKBとは何か
TKBとは、避難所で生活を維持するために最優先すべき3要素の頭文字です。
・T=トイレ
・K=キッチン(食事)
・B=ベッド(寝床)
避難所は「命を守ったあと」に生活を回す場所です。
TKBが整うほど、体調と心が崩れにくくなります。
■② なぜトイレが最優先なのか
トイレが崩れると、人は我慢し、水分を控えます。
すると避難所全体の体調が崩れます。
・脱水
・便秘
・血栓リスク
・感染症
・ストレス増大
被災地派遣でも、トイレの不足や汚れが避難所の不満の中心で、体調不良者が増える引き金になっていました。
トイレは避難所の根っこです。
■③ キッチンは「食べる」以上に衛生と秩序を作る
キッチンは、食事の提供だけでなく避難所の秩序を作ります。
・配布動線が整理される
・衛生が維持される
・水とゴミの管理が回る
・情報が集まる
食事が回らない避難所は不満が急増します。
食事は体力だけでなく、気力を維持する基盤でもあります。
■④ ベッドは「睡眠」ではなく「回復」の基盤
ベッドは単に寝る場所ではなく、回復の土台です。
・冷えを防ぐ
・腰や関節の負担を減らす
・睡眠の質を上げる
・体力低下を防ぐ
床で寝続けると、体は確実に弱ります。
被災地派遣でも、寝具が整っているほど体調不良が少ないと感じました。
ベッドは災害関連死を減らすための基盤です。
■⑤ TKBが崩れると起きる連鎖
TKBが崩れると、避難所は次のように崩れます。
・トイレが嫌で水分を控える
・脱水で体調が落ちる
・睡眠不足で免疫が落ちる
・感染症や持病悪化が増える
・ストレスでトラブルが増える
これは避難所だけでなく、自宅避難や車中泊でも同じです。
生活の基盤が崩れると、人は持ちこたえられません。
■⑥ 家庭の備えにもTKBはそのまま使える
TKBは避難所の話に見えますが、家庭の備えにも直結します。
・T=簡易トイレを確保する
・K=火が使えなくても食べられる仕組みを作る
・B=毛布とマットで睡眠を守る
被災地派遣でも、家庭でトイレと寝具が整っている人ほど落ち着いていました。
TKBは家庭の防災にも効きます。
■⑦ よくある誤解
よくある誤解は「水と食料さえあれば大丈夫」です。
実際は、トイレが整っていないと水が飲めません。
寝具が整っていないと体が回復しません。
物資の量より、生活が回る設計が重要です。
TKBはその優先順位を外さないための考え方です。
■⑧ 今日からできる最小行動
TKBを整える最小行動はこれです。
・簡易トイレを確保する
・火を使わず食べられる食事を用意する
・床から体を離すマットを用意する
この3つは、避難生活の崩れを大きく減らします。
■まとめ|TKBは避難所も家庭も「生活を崩さない」ための優先順位
TKBは、避難所で生活を維持するために最優先すべき3要素、トイレ・キッチン・ベッドを示す考え方です。
トイレが崩れると脱水と体調悪化が進み、食事が回らないと体力と秩序が崩れ、寝床が弱いと回復できません。
避難所だけでなく家庭でも同じで、TKBを整えるほど災害関連死のリスクが下がります。
結論:
TKBは「トイレ・食事・寝床」を最優先に整えることで避難生活の崩れを防ぎ、体調悪化と災害関連死のリスクを減らすための最短ルートです。
被災地派遣の現場で実感したのは、TKBが整っている避難所ほど落ち着きがあり、体調不良者が少ないという現実です。
防災士として、TKBは備えの優先順位を外さないための強い軸だと考えています。

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