【防災士が解説】おりものシートは避難袋に入れるべきか?自治体備蓄1割が示す”見落とし”の実態

防災グッズを見直すとき、生理用品は入れても「おりものシート」まで気が回らない人が多い。しかし自治体の備蓄率はわずか1割未満。被災地の現場で見えてきた、女性の衛生備蓄の盲点がある。


■① 自治体備蓄の”格差”が示す現実

生理用ナプキンの自治体備蓄率は約9割まで進んでいる一方、おりものシートの備蓄率は1割未満にとどまる。この数字は、防災における「女性の衛生ニーズの見えにくさ」をそのまま表している。備蓄されていないなら、自分で用意するしかない。

■② 断水・洗濯不能の環境で何が起きるか

被災地では、入浴や洗濯ができない期間が1週間以上続くことがある。下着の替えが限られる中、同じ下着を着続けることになる女性は少なくない。おりものシートを貼ることで下着の汚れを防ぎ、取り替えるだけで衛生状態を保てる。これは「ぜいたく品」ではなく「衛生の最低ライン」だ。

■③ 能登半島地震で明らかになった需要

能登半島地震の際、現地の看護師からの声をきっかけにおりものシートの緊急寄付が行われた事例がある。支援する側も「まさかここまで必要とは」と気づくケースが多い。消防・救急の現場で支援に携わる立場から言えば、女性特有のニーズは後回しにされがちで、それが長期避難の苦痛につながっていた。

■④ おりものシートが果たす3つの役割

災害時におりものシートが役立つ場面は3つある。①下着を清潔に保つ(洗濯不要での衛生維持)、②生理ナプキンと組み合わせた肌トラブルの軽減、③精神的なストレス軽減(自分の体を管理できている安心感)。機能面だけでなく、精神的な安定への貢献も見逃せない。

■⑤ 内閣府も認めた「おりものシートの有効性」

内閣府防災情報のページには、「替えの下着がないときに、おりものシートや抗菌スプレーを下着に吹き付けて難をしのいだ女性もいた」という被災者の声が掲載されている。公式文書にも記載されている対処法であり、個人の防災袋に入れることは十分に根拠がある選択だ。

■⑥ 何枚備えるべきか?現実的な目安

避難想定が3〜7日なら、1日1〜2枚として最低10〜15枚が目安になる。コンパクトで軽く、かさばらないため持ち出し袋への追加が容易だ。ローリングストックで日常的に使いながら補充すれば、管理の負担も少ない。

■⑦ 男性・管理職が知っておくべき理由

避難所の運営や支援物資の調達を担うのが、男性が多い行政や消防・自衛隊の職員であることが多い。おりものシートの存在や需要を知らなければ、支援物資のリストにも上がらない。「知らない」ことが、被災女性の苦痛の原因になる。支援側も知識として持っておく必要がある。

■⑧ 避難袋に入れるべき「女性衛生セット」の構成

最低限の女性衛生セットとして、生理用ナプキン・おりものシート・消臭ポリ袋(黒)・デリケートゾーン用ウェットシートをまとめて小袋に入れておくと管理しやすい。備蓄の段階から「ひとまとめ」にしておくことで、緊急時に迷わず持ち出せる。


■まとめ|おりものシートは避難袋に入れるべきか?自治体備蓄1割が示す”見落とし”の実態

自治体は備蓄していない。だから自分で準備するしかない。10〜15枚、小袋にまとめて避難袋へ。それだけで、被災時の衛生と精神的な安定が大きく変わる。

結論:おりものシートは”あると助かる”ではなく”ないと困る”備品として、今日から避難袋に入れるべきだ。

支援で入った避難所で「下着が替えられない」と声を落とす女性を何人も見た。知識があれば、その苦痛を事前に減らせる。


出典:内閣府防災情報のページ「防災Q&A 女性のための防災対策」

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