住宅火災は、特別な家で起きるものではありません。
むしろ「普通の生活」の中で発生します。
元消防職員として現場を見てきた立場から言えるのは、出火原因はある程度パターン化されているということ。
今日は“よくある5つ”を整理し、今日からできる予防策をまとめます。
■① 出火原因トップ5(統計で多いもの)
全国の火災統計では、住宅火災の主な原因は次の通りです。
1)こんろ(調理中の放置・油火災)
2)たばこ
3)電気配線・コンセント
4)ストーブなどの暖房器具
5)放火・放火の疑い
特別な事故より、「日常の油断」が多いのが特徴です。
■② こんろ火災|“ちょっと席を外す”が一番多い
油を加熱中に電話や来客で離席。
これが非常に多いです。
・揚げ物中に目を離す
・IHでも油は発火する
・消火しようと水をかけて拡大
予防策はシンプルです。
火を使っている間は離れない。
これが最強の対策です。
■③ 電気系火災|トラッキング現象と見えない劣化
近年増えているのが電気配線由来の火災です。
・コンセントのホコリ
・長年差しっぱなしのプラグ
・延長コードの過負荷
・タコ足配線
・古い電気毛布やヒーター
トラッキング現象は、湿気+ホコリ+電気で発火します。
焦げ臭い匂いは“前兆”のことがあります。
予防は
・年1回のコンセント清掃
・コードの束ね使用を避ける
・異臭があれば使用停止
これだけでも効果は大きいです。
■④ 暖房器具|“近づけすぎ”が多い
冬場はストーブ関連が増えます。
・洗濯物を乾かす
・カーテンが触れている
・可燃物が近い
・給油時にこぼす
・灯油にガソリン混入
火は直接触れなくても、輻射熱で燃えます。
「距離をとる」が基本です。
■⑤ たばこ火災|寝たばこ・吸い殻放置
今でも一定数あります。
・寝落ち
・灰皿の吸い殻放置
・可燃物の近くで喫煙
「少しだけ」が事故になります。
完全消火を確認する習慣が必要です。
■⑥ 被災地で見た“出火後の現実”
被災地派遣や現場調整(LO)に入った際、火災後の住宅を何度も見ました。
・黒く焦げた天井
・一酸化炭素で倒れた形跡
・「まさか自分が」という言葉
・避難が遅れた理由は“判断の迷い”
元消防職員として強く感じたのは、
火災は“起きてから”ではなく“起きる前の習慣”で防げる部分が多いということです。
■⑦ やらなくていいこと|気合いで守ろうとする
・火事は運だと思う
・高価な設備がないと防げないと思う
・「自分は大丈夫」と思考停止する
防災は完璧主義ではなく、
確率を下げ続けることです。
■⑧ 今日できる最小行動|3つだけ固定する
今日からできる最小行動はこの3つです。
1)火を使うときは絶対に離れない
2)コンセント周りを点検・清掃する
3)ストーブ周囲1m以内に可燃物を置かない
これだけで、住宅火災リスクは確実に下がります。
■まとめ|住宅火災は“特別な事故”ではない
住宅火災の多くは、
「ちょっとの油断」「いつもの習慣」から起きます。
こんろ・電気・暖房・たばこ。
この4分野を押さえるだけで、守れる確率は大きく上がります。
結論:
住宅火災は“原因が見えている災害”。日常の小さな固定ルールが命を守る。
現場で感じたのは、火事は突然でも、原因は突然ではないということ。
自律型避難と同じく、火災も“先に判断を軽くしておく”ことで守れます。
出典:総務省消防庁「火災の概要(住宅火災の出火原因統計)」
https://www.fdma.go.jp/

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