【防災士が解説】南海トラフ地震で山陰はどう備える?液状化と広域避難に備える現実的な防災

南海トラフ巨大地震は、主に太平洋側に大きな被害が想定される一方で、山陰も「無関係」ではありません。2025年公表の被害想定では、山陰では大規模津波による直接死は大きく見込まれていない一方、揺れ、液状化、交通インフラのまひ、物流停滞、広域避難者の受け入れといった形で影響が及ぶ可能性があります。つまり山陰の備えは、「自分の家が倒れるか」だけでなく、「生活が止まるか」「地域で支えられるか」まで含めて考える必要があります。 oai_citation:0‡FNNプライムオンライン


■①(南海トラフ地震は山陰にも影響する)

TSKさんいん中央テレビが2026年3月6日に報じた内容では、南海トラフ巨大地震で山陰でも最大震度5強程度の揺れが想定され、液状化や交通障害、避難者受け入れが課題になると専門家が指摘しています。内閣府の南海トラフ巨大地震の被害想定でも、直接の大津波被害が中心ではない地域にも、交通・物流・ライフラインへの広域的な影響が生じる前提で対策が進められています。山陰は「主被災地ではないから大丈夫」ではなく、「間接被災をどう耐えるか」が重要な地域です。 oai_citation:1‡FNNプライムオンライン


■②(山陰で特に警戒したいのは液状化)

今回の報道では、京都大学防災研究所の西村卓也教授と島根大学の林広樹教授が、山陰では揺れそのものより液状化による被害に注意が必要だと指摘しています。島根県の地盤災害想定でも、沖積低地や埋立地などでは液状化の危険が整理されており、過去の地震で液状化が起きた場所は次回も注意が必要です。道路の沈下、電柱の傾き、上下水道の損傷、家屋の不同沈下は、震度が極端に高くなくても生活に大きな打撃になります。 oai_citation:2‡FNNプライムオンライン


■③(山陰の課題は“広域避難の受け皿”にもある)

記事では、地震発生1週間後の避難者数として、島根県に2300人、鳥取県に2700人、あわせて約5000人規模の避難者が発生する可能性が示されています。しかも、これは山陰の直接被災だけでなく、太平洋側の大被災地からの広域避難が重なる可能性も含めて考える必要があります。被災の中心でなくても、受け入れ地域としての防災力が問われるということです。 oai_citation:3‡FNNプライムオンライン


■④(家庭でまずやるべき備えは“止まる前提”の準備)

南海トラフ地震で山陰の家庭がまず備えるべきなのは、物流とライフラインが止まる前提の準備です。
・家具の固定
・飲料水と食料の備蓄
・モバイルバッテリーの確保
・簡易トイレの準備
・家族との連絡方法の確認
・避難ルートとハザードマップの確認
気象庁や内閣府は、南海トラフ地震臨時情報が発表された場合も、日頃からの地震への備えの再確認と、すぐに避難できる準備を重視しています。つまり、特別な情報を待つより、平時の家庭備蓄と動線確認が土台になります。 oai_citation:4‡気象庁


■⑤(山陰では“自宅被害”より“生活停止”を想定する)

山陰では太平洋側ほどの津波被害が前面に出にくい分、「家が無事なら大丈夫」と思い込みやすい面があります。しかし実際には、道路が使えない、物流が止まる、スーパーに物がない、ガソリンが入りにくい、断水や停電が続くといった生活停止の方が長く効いてきます。防災士として見ると、直接倒壊しなくても生活が崩れると人はかなり消耗します。山陰の備えは、「助かった後をどう回すか」まで見ておく必要があります。これは報道内容と公的な被害想定を踏まえた現実的な考え方です。 oai_citation:5‡FNNプライムオンライン


■⑥(自治体・地域で考えるべきこと)

記事の中でも、島根・鳥取両県は広域避難者対応について、過去の大規模地震事例を参考にしつつ、具体的な規模想定はこれからだとされています。だからこそ、自治体任せにせず、自治会、町内会、地域単位で次のことを考える価値があります。
・避難所運営の役割分担
・高齢者や要配慮者の支援
・受け入れ時の物資配分
・トイレ、寝床、暑さ寒さ対策
・地域内の連絡手段
内閣府の南海トラフ地震臨時情報ガイドラインでも、地域や事業者が事前に防災対応を計画へ落とし込むことの重要性が示されています。 oai_citation:6‡FNNプライムオンライン


■⑦(防災士として現場で感じる“山陰の見えにくい危機”)

被災地派遣やLOの視点で感じるのは、大災害では「直接壊れた地域」だけでなく、「支える側」「受け入れる側」も確実に疲弊するということです。山陰のように比較的被害が小さいと見られやすい地域ほど、準備の優先順位が下がりやすいですが、実際には避難者受け入れ、物流不足、道路障害、液状化、生活不安が重なると地域全体に負担がかかります。記事の中で林教授が「防災は社会における貯金」と話していたのは、本当にその通りだと思います。余裕がある時に積んだ備えが、広域災害では効いてきます。 oai_citation:7‡FNNプライムオンライン


■⑧(今日できる最小行動)

今日やることを1つに絞るなら、自宅周辺のハザードマップで「液状化」「避難場所」「避難ルート」の3つを確認してください。あわせて、家族で次の2点だけ共有すると実用的です。
・南海トラフ地震の時、まずどこで合流するか
・物流が止まっても3日から1週間暮らせるか
この確認だけでも、「山陰はそこまで揺れないから大丈夫」という油断をかなり減らせます。 oai_citation:8‡島根県公式ホームページ


■まとめ|山陰の南海トラフ対策は“間接被災”への備えが鍵

南海トラフ地震では、山陰は太平洋側のような甚大な津波被害の中心ではない一方、最大震度5強程度の揺れ、液状化、交通インフラの停止、物流停滞、広域避難者の受け入れといった形で大きな影響を受ける可能性があります。だからこそ、家庭では家具固定、備蓄、連絡手段、避難ルート確認を、地域では受け入れと支え合いの準備を進めておくことが重要です。山陰の防災は、「被災しない想定」ではなく、「生活が止まる想定」で考える方が現実的です。 oai_citation:9‡FNNプライムオンライン

結論:
山陰の南海トラフ地震対策で最も大切なのは、“大きな津波が来ないから安心”ではなく、“液状化・生活停止・広域避難受け入れまで含めて備えること”です。
防災士として現場感覚で言うと、広域災害で強い地域は、被害の大きさだけで判断せず、「自分たちの地域に何が回ってくるか」を平時から考えている地域です。山陰でも、今のうちに家庭と地域の両方で小さな備えを積むことが、結果として大きな差になります。

出典:TSKさんいん中央テレビ「専門家が警鐘『南海トラフ地震』山陰でも避難者5000人『広域避難』受け入れ態勢はこれから」(2026年3月6日)、内閣府・気象庁の南海トラフ関連資料

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