【防災士が解説】夏の熱中症から避難中に体温測定は必要?測るべき場面を見極める判断基準

夏に地震や豪雨で避難する時、熱中症対策として「体温測定まで必要なのか」と迷う人は多いと思います。結論から言うと、全員が頻繁に測ればよいわけではありませんが、体調変化がある時や、高齢者・子ども・障害のある方では、こまめな体温確認はかなり有効です。厚生労働省の熱中症対策資料でも、こまめな体温測定は、特に体温調節機能が十分でない高齢者、障害児・障害者、子どもで大切だと示されています。
https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/2r9852000002btgh.pdf

つまり、夏の避難中の体温測定で大切なのは、「数字を増やすこと」ではなく、体調の変化を早くつかみ、無理を止めることです。この記事では、その判断基準を現実的な順番で整理して解説します。

■① まず結論として、体温測定で最優先にすべきことは何か

結論から言うと、最優先にすべきことは、しんどさがある時に“気のせい”で終わらせないことです。

避難中は、暑い、疲れた、眠れない、食欲がない、といったことが重なり、「少しだるいだけ」「疲れただけ」と流しやすくなります。ですが、そこに発熱や高体温が重なると、熱中症のサインを見逃しやすくなります。体温測定は、その曖昧さを少し減らすための道具と考えた方が現実的です。

元消防職員として感じるのは、被災地で危ないのは「高熱が出る人」だけではなく、「少し変だけど我慢する人」だという点です。私なら、夏の避難では
①まず体調の違和感に気づく
②次に測る
③その後の行動を決める
この順で考えます。

■② なぜ避難中に体温測定が役立つのか

理由は、熱中症のしんどさは、主観だけでは読み切りにくいからです。

暑さの中では、だるさ、頭痛、吐き気、ぼんやり感などが出ても、「疲れかな」「水が足りないだけかな」と判断がぶれやすいです。体温を測ることで、少なくとも「熱がこもっていないか」を確認しやすくなります。

ただし、ここで大事なのは、体温測定は万能ではないということです。熱中症は、必ず高熱だけで出るわけではありません。だから、測ること自体より、「測ってその後どう動くか」が大切です。

■③ どんな時に体温を測るべきか

体温を測った方がよいのは、いつもと違うしんどさがある時です。

たとえば、
・だるい
・頭が重い
・ぼんやりする
・食欲がない
・顔が赤い
・汗の出方が変
・ぐったりする
といった時です。

また、高齢者、子ども、障害のある方のように、自分でうまくしんどさを言いにくい人では、こまめな体温測定が助けになります。厚生労働省の資料でも、こまめな体温測定は特にこれらの人で大切とされています。
https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/2r9852000002btgh.pdf

■④ 全員が毎回測ればいいのか

そこまでは必要ありません。症状や状況に応じて使う方が現実的です。

避難所では、測ること自体が目的になると、かえって疲れます。体温計が足りないこともありますし、測って安心して水分補給や休息が遅れるのもよくありません。私なら、体温測定は「ルーティンで増やす」より、「気になる変化がある時に使う」考え方を取ります。

つまり、体温測定は主役ではなく、体調管理を助ける補助です。主役はあくまで、暑さを避ける、水を飲む、休む、しんどい時に止まる、の方です。

■⑤ 体温が高かったらどう考えればいいのか

体温が高い時は、まず暑さと体調の両方を疑って行動を変える方が安全です。

たとえば、涼しい場所へ移る、衣服をゆるめる、冷やす、水分を取る、動くのを止める、といった対応です。高体温そのものは、熱中症だけでなく感染症や別の不調でも起こることがあります。だから、「熱がある=全部熱中症」と決めつけず、「今は無理させない」を優先した方が現実的です。

被災地でも、数字そのものより、「熱があっても作業を続ける」「座っていれば大丈夫だろうと様子見が長い」方が危ないと感じました。だから、測ったあとに止まれるかが大事です。

■⑥ 体温が高くなくても安心していいのか

安心しすぎない方が安全です。

熱中症は、必ず高い体温がはっきり出るとは限りません。だるさ、頭痛、吐き気、脱水、反応の鈍さなどが先に見えることもあります。つまり、体温がそれほど高くなくても、体調が悪ければ「暑さで崩れ始めているかもしれない」と見た方が現実的です。

私なら、「熱がないから大丈夫」ではなく、「熱はなくても、しんどいなら止まる」を優先します。その方が悪化を防ぎやすいです。

■⑦ 高齢者や子どもではどう使うべきか

高齢者や子どもでは、周囲が先に測る判断をする方が安全です。

高齢者は暑さやしんどさに気づきにくく、子どもはうまく言葉にできないことがあります。だから、「測りたい?」と聞くより、「少し顔が赤いから測ってみよう」「元気がないから一度見よう」と周囲が動く方が現実的です。

元消防職員としても、一番弱い立場の人は、変化が数字に出る前から様子が違うことが多いと感じます。だから、表情・反応・飲水と合わせて測ると役立ちやすいです。

■⑧ 迷った時の判断基準

迷ったら、次の順番で考えてください。

「いつもと違うしんどさがあるか」
「高齢者や子どもなど、早めに確認したい人か」
「測ったあとに休息や冷却につなげられるか」
「数字だけで安心・放置しようとしていないか」

この4つが整理できれば、夏の避難中の体温測定としてはかなり現実的です。防災では、「測ること」そのものより「測って止まれること」の方が大切です。

■⑨ まとめ

夏の熱中症から避難中に身を守る体温測定で大切なのは、症状がある時や、高齢者・子どもなど変化を見逃しやすい人で、早めに確認して無理を止めることです。厚生労働省の熱中症対策資料では、こまめな体温測定は特に体温調節機能が十分でない高齢者、障害児・障害者、子どもで大切と示されています。
https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/2r9852000002btgh.pdf

私なら、夏の避難で体温測定に一番期待するのは「安心するための数字」ではなく「しんどさを見逃さず、早く止まるきっかけ」だと伝えます。被災地でも、危ないのは数字より我慢でした。だからこそ、まずは違和感、次に測定、最後に休む。この順番で整えるのがおすすめです。

出典:https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/2r9852000002btgh.pdf(厚生労働省「熱中症を防ぐために」)

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