【防災士が解説】夏の熱中症から避難中に服装はどう選ぶ?体力を削らないための判断基準

夏に地震や豪雨で避難する時、服装は「動きやすければいい」と思われがちです。ですが、実際には、服装の選び方ひとつで体の消耗はかなり変わります。環境省の熱中症環境保健マニュアルでは、熱中症予防として、通気性が良く、吸湿・速乾性のある衣服を着用し、直射日光を避けるために帽子や日傘を活用することが推奨されています。
https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/manual/heatillness_manual_full.pdf

つまり、夏の避難中の服装で大切なのは、「動きやすさ」だけではなく、熱をためない・逃がす・直射日光を防ぐ・疲れにくいの4つを同時に満たすことです。この記事では、その判断基準を現実的な順番で整理して解説します。

■① まず結論として、服装で最優先にすべきことは何か

結論から言うと、最優先にすべきことは、体に熱をためないことです。

夏の避難では、暑さによる体力消耗が積み重なります。だから、服装は「動きやすいか」より先に、「熱がこもらないか」で考えた方が安全です。

元消防職員として感じるのは、被災地で崩れやすい人は「装備がない人」だけでなく、「暑さを我慢する服装の人」でもあるという点です。私なら、夏の避難では
まず熱を逃がす
次に直射日光を防ぐ
最後に動きやすさを整える
この順で考えます。

■② なぜ服装で体力の削られ方が変わるのか

理由は、服装によって体温の上がり方と汗の蒸発のしやすさが変わるからです。

通気性が悪い服は、汗が乾きにくく、体の熱が逃げにくくなります。逆に、通気性が良く吸湿・速乾性のある服は、汗が蒸発しやすく、体温の上昇を抑えやすくなります。

被災地派遣の現場でも、同じ作業をしていても、服装によって消耗の仕方がかなり違いました。だから、夏の避難では「気温」だけでなく「服の選び方」も体力管理の一部になります。

■③ 上半身の服装はどう選べばいいのか

上半身は、通気性が良く、汗を吸って乾きやすいものを選ぶのが基本です。

環境省のマニュアルでも、吸湿・速乾性のある衣服の着用が推奨されています。綿だけでなく、速乾素材のTシャツなども現実的です。

私なら、「汗をかく前提」で選びます。「汗をかかないようにする」ではなく、「汗をかいても持ちこたえられる服」の方が現実的だからです。

■④ 下半身の服装は何に注意すべきか

下半身は、締め付けすぎず、熱がこもりにくいものが大切です。

長ズボンはケガ防止には有効ですが、厚手で通気性が悪いと熱がこもりやすくなります。薄手で動きやすいものを選ぶ方がバランスが取れます。

被災地でも、「安全のために厚着をしていたら逆に体力が持たない」という場面はありました。だから、安全と暑さのバランスを考える方が現実的です。

■⑤ 帽子や日よけはどのくらい重要なのか

かなり重要です。直射日光を防ぐだけで体への負担は大きく変わります。

環境省のマニュアルでも、帽子や日傘の活用が推奨されています。特に頭や首は日差しを受けやすく、ここを守るだけでも体温上昇を抑えやすくなります。

私なら、夏の避難では帽子は「あると便利」ではなく「前提の装備」として考えます。そのくらい体への影響が大きいです。

■⑥ 靴はどう選べばいいのか

靴は、歩きやすく、蒸れにくいものが基本です。

避難中は長く歩くこともあり、靴が合わないと疲労が一気にたまります。さらに、蒸れやすい靴は足のトラブルにつながりやすく、結果として行動が止まることもあります。

元消防職員としても、「靴が合わないだけで動けなくなる」場面は見てきました。だから、私は服以上に靴を重く見ます。

■⑦ 着替えは必要なのか

はい、着替えはかなり重要です。

汗で濡れた服をそのまま着続けると、体温調整がうまくいかなくなり、体力が削られやすくなります。着替えることで、体をリセットしやすくなります。

ここで大切なのが「避難服」の考え方です。防災専用品を用意する必要はなく、普段着のスウェットや部屋着をローリングストックとして持っておく方が現実的です。例えば、ユニクロやGUのスウェットは動きやすく、体温調整もしやすいため、避難所生活との相性が良い服装の一例と言えます。

被災地でも、着替えを持っている人の方が体調を維持しやすい印象がありました。

■⑧ やってはいけない服装は何か

避けたいのは、通気性が悪い、締め付けが強い、重たい、乾きにくい服装です。

もう一つは、「普段着ない服をいきなり使うこと」です。避難中は慣れていない服の違和感がストレスになります。だから、普段から着慣れているものを使う方が安全です。

私なら、「新しい物を準備する」より「普段使っている物をそのまま活かす」方をすすめます。その方が実際に使いやすいからです。

■⑨ 迷った時の判断基準

迷ったら、次の順番で考えてください。

「熱がこもらない服か」
「直射日光を防げるか」
「長時間動いても疲れにくいか」
「着替えでリセットできるか」

この4つが整理できれば、夏の避難中の服装としてはかなり現実的です。防災では、「特別な装備」より「体が持つ状態を保てるか」の方が大切です。

■⑩ まとめ

夏の熱中症から避難中に身を守る服装で大切なのは、熱をためない・逃がす・直射日光を防ぐ・疲れにくいを同時に満たすことです。環境省の熱中症環境保健マニュアルでは、通気性が良く吸湿・速乾性のある衣服や、帽子・日傘の活用が推奨されています。

私なら、夏の避難で一番大事なのは「動きやすい服」ではなく「最後まで持ちこたえられる服」だと伝えます。被災地でも、助かったのは装備が多い人より、体温と疲労をうまくコントロールできた人でした。だからこそ、まずは熱を逃がす、次に日差しを防ぐ、最後に着替えで整える。この順番で整えるのがおすすめです。

出典:https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/manual/heatillness_manual_full.pdf(環境省「熱中症環境保健マニュアル」)

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