【防災士が解説】新規採用の多言語防災は何から始めるべきか|最初に外さない対応法の判断基準

新しく防災担当になった時、
「外国人対応は英語ができないと無理なのか」
「多言語防災と言われても、何語まで準備すればいいのか」
「翻訳アプリを入れれば足りるのか」
と迷う人は少なくありません。

結論から言えば、新規採用の多言語防災で最も大切なのは、“全部の言語に完璧対応すること”ではなく、“やさしい日本語・多言語資料・伝達手段”の3つを先にそろえることです。
内閣府は、外国人が災害時に迅速な避難行動を取れるよう、関係機関が連携して、多言語辞書、アプリによるプッシュ型情報発信、ウェブサイトによる情報発信、チラシ等による周知に取り組んでいると示しています。さらに、気象庁や消防庁等の用語を含む約7,000語の多言語辞書を15言語で整備していることも案内しています。 oai_citation:0‡防災庁

防災士として率直に言えば、新人が多言語防災で一番失敗しやすいのは、
「外国語が話せないから対応できない」と止まってしまうこと
です。
元消防職員として現場や被災地派遣、LO対応を経験して強く感じるのは、災害時に本当に大切なのは流暢な外国語より、短く、正確に、相手が動ける情報を渡すことです。消防庁関係資料でも、「やさしい日本語」は、日本語に不慣れな外国人へ災害情報を伝え、適切な避難行動を促すための手段として位置づけられています。 oai_citation:1‡消防庁

■① 最初に考えるべきは「翻訳」ではなく「誰に何を伝えるか」

多言語防災で最初に整理したいのは、
何語に訳すか
より、
何を伝えるか
です。

災害時に優先度が高いのは、
・逃げるかどうか
・どこへ行くか
・何が危険か
・今どう行動するか
です。
内閣府の外国人向け災害情報発信資料でも、緊急地震速報、津波警報、気象警報、避難指示等に使う地名、用語、伝達文を多言語辞書化しているのは、まず避難行動に必要な情報を確実に伝えるためです。 oai_citation:2‡防災庁

防災士として言えば、多言語防災の最初の一歩は、
全部を訳すこと
ではなく、
命に直結する言葉を先に整えること
です。

■② 新人が最初に整えるべきは「やさしい日本語」

ここはかなり重要です。

消防庁関係資料では、「やさしい日本語」は、日本語に不慣れな外国人を安全な場所へ誘導し、避難生活で必要な情報を伝えるための手段として整理されています。また、外国語支援が本格化するまでの概ね72時間の情報伝達を目的とした災害時用の日本語として説明されています。 oai_citation:3‡消防庁

つまり、新人の多言語防災対応で最初にやるべきなのは、
難しい敬語や行政用語をそのまま使わず、
・短く
・単文で
・曖昧にしない
文章へ直すことです。

たとえば、
「速やかに高台へ避難してください」
より、
「すぐ にげてください。たかい ところへ いってください。」
の方が伝わりやすい場面があります。

防災士として率直に言えば、現場で本当に強いのは、
英語が少し話せる人
より、
やさしい日本語で短く伝えられる人
です。

■③ 次に準備したいのは「多言語で見せられる資料」

新人の多言語防災で次に強いのが、
見せて伝える資料
です。

内閣府は、「外国人のための減災のポイント」として、やさしい日本語版や多言語QRコード対応のポスターを公開しており、スマートフォンの言語設定に応じて15言語対応で情報を見られるようにしています。内閣府は、外国人がすぐ見られる場所に掲示すると便利だと案内しています。 oai_citation:4‡防災庁

つまり、新人のうちは最初から独自資料を全部作るより、
・公式の多言語ポスター
・多言語チラシ
・QRコード付き資料
をすぐ出せるようにしておく方が現実的です。

防災士として言えば、多言語防災は
話して伝える
だけでなく、
見せて伝える
方が強いです。

■④ アプリとウェブを「その場で見せられる」状態にしておく

内閣府の資料では、外国人向け災害情報発信の取組として、
アプリによるプッシュ型情報発信
ウェブサイトによるプル型情報発信
が示されています。 oai_citation:5‡防災庁

つまり、新人の多言語防災で実務的なのは、
・スマホで開ける公式サイト
・避難情報の多言語ページ
・翻訳済み災害情報ページ
を、ブックマークや共有フォルダにまとめておくことです。

防災士として率直に言えば、災害時は
探している時間
がもったいないです。
新人のうちは、
必要なページをすぐ見せられる状態
を作る方が現実的です。

■⑤ 施設対応では「音声」より「視覚」と「多重化」が重要

消防庁の「外国人来訪者や障害者等が利用する施設における災害情報伝達・避難誘導ガイドライン」では、非常用放送設備に英語等の外国語メッセージを付加し、多言語音声で情報を伝える方法が示されています。また、デジタルサイネージ等を活用した視覚化した災害情報や避難誘導情報の伝達の取組例も紹介されています。 oai_citation:6‡消防庁

つまり、新人の多言語防災では、
・音声だけに頼らない
・掲示、矢印、ピictogram、サイネージを使う
・同じ内容を複数手段で伝える
方が強いです。

防災士として言えば、多言語対応で本当に大事なのは、
翻訳の量
より、
伝達の手段を一つにしないこと
です。

■⑥ まず対応すべき言語は「現場にいる人」から決める

多言語防災で悩みやすいのが、
「何語まで準備すべきか」
です。

内閣府は15言語対応の資料や辞書を整備していますが、新人の実務としては、最初から全言語を同じ深さで準備する必要はありません。むしろ、
・その地域に多い言語
・施設利用者に多い言語
・職場で接点が多い言語
から優先する方が現実的です。 oai_citation:7‡防災庁

防災士として率直に言えば、多言語防災で大切なのは
対応言語数の多さ
ではなく、
実際に来る人へ届くこと
です。
元消防職員としても、現場では「対象を絞った準備」の方が機能しやすいです。

■⑦ 被災地経験から見ても「短い指示」が一番強い

被災地派遣やLO対応で強く感じたのは、
災害時は日本人同士でも長い説明は伝わりにくいということです。
外国人対応ではなおさらです。

だから、多言語防災では最初から
・にげてください
・ここは あぶないです
・こちらへ きてください
・エレベーターは つかわないでください
・ここで まってください
のような短い指示を準備しておく方がいいです。

防災士として率直に言えば、現場で役立つのは、
上手な文章
より
短くて行動につながる言葉
です。

■⑧ まとめ

新規採用の多言語防災で最も大切なのは、“全部の言語に完璧対応すること”ではなく、“やさしい日本語・多言語資料・伝達手段”の3つを先にそろえることです。
内閣府は、外国人が災害時に迅速な避難行動を取れるよう、関係機関が連携して、多言語辞書、アプリによるプッシュ型情報発信、ウェブサイトによる情報発信、チラシ等による周知を進めており、約7,000語の多言語辞書を15言語で整備していると案内しています。消防庁関係資料でも、「やさしい日本語」は、外国人に災害情報を的確に伝える有効な手段として位置づけられています。 oai_citation:8‡防災庁

防災士として強く言えるのは、新人の多言語防災で一番大切なのは
完璧な翻訳
ではなく、
相手がすぐ動ける伝え方
だということです。
迷ったら、
・やさしい日本語
・多言語資料
・見せて伝える手段
この3つから整えるのが一番現実的です。

出典:内閣府「外国人への災害情報の発信について」

参考:消防庁「外国人来訪者や障害者等が利用する施設における災害情報伝達・避難誘導ガイドライン」

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