【防災士が解説】春の模様替えでできる耐震対策|家具配置と固定だけでここまで変わる

春の模様替えや片付けは、防災を一気に進められるチャンスです。耐震対策というと「金具を買う」「大工仕事が必要」と思われがちですが、実は一番効くのは家具の配置と固定です。模様替えのついでにやるだけで、地震時のケガや避難遅れを大きく減らせます。この記事では、今日からできる耐震対策を“配置→固定→動線”の順で整理します。


■① まずやるのは「倒れて困る物」を洗い出す

耐震対策は全部を一気にやる必要はありません。
優先は、倒れると命に関わる家具です。
・背の高い本棚、食器棚
・テレビ台、タンス
・冷蔵庫、電子レンジなどの家電
・窓際の大きな家具
「倒れたら逃げ道が塞がる」「寝ている所に倒れる」を最初に潰します。


■② 寝室の優先順位は“命”が最優先

地震は夜に起きても不思議ではありません。寝室は最優先です。
・ベッドの頭側に棚や家具を置かない
・寝る位置の上に落下物を作らない
・ガラスの近くで寝ない
寝室の安全度が上がると、地震直後のケガが激減します。


■③ 玄関までの動線は「必ず空ける」

避難できなければ意味がありません。
・玄関に倒れてくる家具を置かない
・廊下に収納を増やさない
・ドアの開閉を邪魔しない
地震でドアが歪むと、さらに通れなくなります。通路は“空ける”が最強です。


■④ 家具は「高い物ほど壁際・低い物ほど手前」にする

配置の基本はシンプルです。
・高い家具は壁際へ
・低い家具は手前へ
・重い物は下へ
これだけで、倒れ方と被害が変わります。模様替えはこの原則で組み直すのが効きます。


■⑤ 固定は“完璧”より「確実に効く1本」を優先

固定は一気に全部やらなくてOKです。
・背の高い家具から固定
・L字金具、突っ張り棒、転倒防止ベルトを適材適所
・テレビは転倒防止バンド
・冷蔵庫は移動防止マット
完璧主義で止まるより、危険な家具から1つずつ確実に進める方が強いです。


■⑥ 落下物対策は「上に置かない」が最速

落下で多いのは、棚の上の物です。
・重い箱や飾りを棚上に置かない
・高い位置の収納は軽い物だけ
・扉付き収納に移す
落下防止ネットも有効ですが、まず置かない設計が一番確実です。


■⑦ 被災地経験で見た「家具の倒れ方で生活が止まる」

被災地派遣では、家具が倒れただけで生活が止まる家を多く見ました。LOとして現地調整に入った際も、玄関が塞がって出られない、割れた食器で足を切る、倒れた棚で避難袋が取り出せない、といった事例が重なっていました。元消防職員としても、地震直後の救助要請は“家具転倒によるケガ”が一定数あります。模様替えは見た目を整えるだけでなく、生活を守る耐災害力の底上げになります。


■⑧ 模様替えで仕上げる「耐震チェックリスト」

模様替えの最後に、次を確認します。
・寝る場所の上に落下物がない
・玄関までの通路が確保されている
・背の高い家具が固定されている
・棚の上に重い物がない
・避難袋がすぐ取れる
この5点が揃うだけで、地震の被害は大きく下がります。


■まとめ|耐震は「配置」と「固定」で最短で効く

春の模様替えは耐震対策の最高のタイミングです。まず危険家具を洗い出し、寝室と玄関動線を最優先で守る。高い家具は壁際、低い家具は手前、重い物は下へ。固定は背の高い家具から1つずつ確実に進め、落下物は上に置かない。これだけで地震時のケガと避難遅れは大きく減らせます。

結論:
耐震対策は「家具の配置を変える」だけでも効果が大きい。模様替えのついでに動線を空け、危険家具から固定すれば、家の耐災害力が一段上がります。
防災士として、地震の被害は“揺れの強さ”だけでなく“家の中の設計”で決まると感じます。春の模様替えを、淡々と命を守る作業に変えていきましょう。

出典:https://www.bousai.go.jp/

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