春は自治会やPTAの役割が動き出す季節です。「防災係」と聞くと、専門知識が必要で大変そうに見えますが、実際に求められるのは“難しい計画”より「みんなが動ける状態を作る小さな工夫」です。この記事では、初めてでも回せる防災係の仕事を、やる順番とアイデアで整理します。
■① 防災係の役割は「命を守る行動の準備を整えること」
防災係の仕事は、災害時に前線で指揮を取ることではありません。
・情報が届く
・避難が迷わない
・助け合いが起きる
この3つを、平時に少しずつ整えることが役割です。
■② まずは地域の前提をそろえる(地図と連絡網)
最初にやるべきは2つだけです。
・地区のハザード(浸水・土砂・津波など)を共有
・連絡手段(回覧、掲示板、LINE等)を確認
「誰が誰に連絡するか」が曖昧だと、訓練も本番も崩れます。
■③ できることから始める“防災係の仕事”5つ
初年度でも回せる仕事は、次の5つです。
1)避難所までのルート確認(危険箇所の共有)
2)安否確認の簡易ルール作り(紙1枚でOK)
3)要配慮者の把握(無理なく、同意を前提に)
4)備蓄の位置と鍵の管理確認(自治会倉庫など)
5)訓練の案内と振り返り(参加しやすい形にする)
全部やらなくていいので、1つだけでも前進です。
■④ 訓練は“参加率を上げる設計”が最優先
訓練が失敗する一番の理由は「参加しづらい」ことです。
・時間を短く(30〜45分)
・集合場所を近く
・子ども連れOK
・役割を少なく
参加率が上がると、地域の耐災害力は一気に伸びます。
■⑤ PTAなら「通学路防災」が最も効果が高い
PTAで一番効くテーマは通学路です。
・古いブロック塀
・用水路
・崖や法面
・狭い交差点
ここを年1回でも点検し、学校と共有できると、災害時だけでなく日常の事故も減らせます。
■⑥ 防災係の“誤解されがちポイント”
よくある誤解は次の通りです。
・防災係が全部やる → 実際は“仕組みを作る”係
・専門知識が必要 → 基本は共有と準備
・備蓄があれば安心 → 判断と連絡が整っていないと機能しない
防災係は、地域の「迷い」を減らす役割です。
■⑦ 防災士から見た「実際に多かった失敗」
地域活動で多かった失敗は、次の3つです。
・連絡網が更新されていない
・避難所は知っているが、ルートが曖昧
・訓練が“イベント化”して実用に繋がらない
逆に言えば、連絡網更新とルート共有だけで地域は強くなります。
■⑧ 被災地経験で痛感した「地域の差は“準備の差”」
被災地派遣では、自治会や地区の準備がある地域ほど、混乱が少なく支援も早く回っていました。LOとして現地調整に入る中でも、安否確認の仕組みがある地区は要支援者の把握が早く、行政との連携もスムーズでした。元消防職員としても、災害時に最初に動けるのは“地域の仕組み”だと実感しています。防災係は、地域の初動を支える土台です。
■まとめ|防災係は「連絡・ルート・参加しやすい訓練」で十分価値がある
春の自治会・PTAデビューで防災係になっても、全部を背負う必要はありません。まずはハザードと連絡網を整え、避難ルートを共有し、参加しやすい短い訓練を設計する。通学路点検や安否確認の簡易ルールだけでも地域は確実に強くなります。
結論:
防災係は“難しいこと”より「連絡と避難の迷いを減らす仕組み」を作るのが仕事。小さな整備だけでも地域の安全度は上がります。
防災士として、地域の防災は“完璧な計画”ではなく“実行できる形”で決まると感じます。春の1年目は、無理なく回る仕組みを1つ作るだけで十分です。
出典:https://www.bousai.go.jp/

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