【防災士が解説】水が止まった時は何を先にやるべきか?断水直後の最初の行動を迷わない判断基準

水が止まると、多くの人はまず「飲み水が足りるか」「トイレはどうするか」で一気に不安になります。ですが、断水時に大切なのは、あわてて動くことではなく、最初の数十分で生活を立て直す順番を間違えないことです。断水では、飲み水だけでなく、トイレ、手洗い、片付けなどの生活用水もすぐに困りやすくなります。

元消防職員として感じるのは、断水時に一番困るのは「水がないこと」だけではなく、「最初に何を優先するか分からないこと」です。私は、水が止まった時の最初の行動は、まず断水状況の確認、次に飲料水と生活用水の切り分け、最後にトイレの使い方の判断、この順で考えるのが現実的だと考えます。

■① まず結論として、水が止まった時に最初にやるべきことは何か

結論から言うと、最初にやるべきことは、本当に断水かどうかを確認し、家の中の水をむだに使わないことです。

水が出ない時は、地域全体の断水なのか、建物だけの問題なのか、止水栓や受水槽設備の影響なのかで対応が変わります。だから、まずは近所の状況や自治体・水道事業者の情報を確認する方が大切です。そのうえで、今ある水を飲み水と生活用水に分けて考えると、混乱しにくくなります。

私は、断水直後に一番大事なのは「とりあえず何かする」ではなく「今ある水を守ること」だと考えます。

■② 最初に確認したいのは何か

最初に確認したいのは、自宅だけのトラブルか、地域全体の断水かです。

たとえば、近所も同じように水が出ないなら、地域断水の可能性が高いです。マンションなら停電によりポンプが止まり、結果として断水になることもあります。私は、ここを確認しないまま家の中だけで悩み続けるより、まず外の情報を取る方が現実的だと考えます。

被災地派遣でも、断水時は「自宅の故障だと思っていたら地域全体だった」ということがありました。だから、最初は情報確認です。

■③ 次にやるべきことは何か

次にやるべきことは、今ある水を飲用と生活用に分けることです。

断水時は、水が全部同じ価値ではありません。飲める水は飲み水と調理に回し、生活用水はトイレ、掃除、手洗いの補助に回す方が長持ちします。風呂の残り湯やため置きの水があるなら、まず生活用水として考える方が現実的です。

私は、断水時は「水を集める」より先に「用途を分ける」方が大事だと思います。その方が、手元の水を長く使えます。

■④ 飲み水はどのくらいを先に確保すべきか

まず意識したいのは、飲み水を先に確保することです。

一般に災害時の備えでは、1人1日3リットルを目安に考えることが多いです。断水直後に家の中にペットボトルや保存水があるなら、まずはそれを把握し、家族人数で何日分あるかを見た方が安心です。

元消防職員としても、断水時に本当に慌てるのは「水がない」より「どれだけあるか分からない」時でした。だから私は、最初に本数を数えることをすすめます。

■⑤ トイレはすぐ流していいのか

ここはかなり大事です。断水したら、すぐにいつもどおりトイレを流さない方が安全です。

断水していても、排水自体が可能な場合は、バケツ一杯の水で流せることがあります。ただし、排水設備の状態が分からない時や、建物被害がある時は、無理に流さない方が安全です。特に集合住宅では、排水管の損傷に気づかず流すと、下の階に汚水があふれることがあります。

私は、断水時のトイレ判断では「流せるかもしれない」より「流して大丈夫か確認できるか」を優先する方が現実的だと考えます。

■⑥ 断水時のトイレは何を先に準備するべきか

先に準備したいのは、携帯トイレや簡易トイレの使用体制です。

もし排水できないなら、既存トイレをそのまま使わず、便座に袋をかぶせて簡易トイレ化する方法が現実的です。新聞紙や凝固剤があれば処理しやすくなります。私は、断水時の生活で一番先に限界が来るのは食事よりトイレだと感じます。だから、飲み水の次はトイレです。

被災地でも、トイレ対策が早い家庭の方が生活が崩れにくい傾向がありました。

■⑦ 応急給水はどう考えればいいのか

断水が続く時は、応急給水所の情報を早めに確認する方が安心です。

災害時には自治体や水道事業者が応急給水所を開設することがあります。給水を受けに行く時は、ポリタンク、給水袋、リュック型の水袋など、運びやすい容器を持って行く方が現実的です。

私は、給水所へ行く前に「何に入れるか」「誰が運ぶか」を決めておく方が、現場で慌てずに済むと考えます。

■⑧ 清潔をどう保てばいいのか

断水時は、水を使わない清潔保持の工夫がかなり大切です。

全部を水で解決しようとすると、すぐに水が足りなくなります。清拭用タオル、ウェットティッシュ、ドライシャンプー、口腔ケア用品などを使うと、水の消費をかなり抑えられます。私は、断水時は「水を節約する」だけでなく「水なしでできることへ切り替える」方が現実的だと思います。

■⑨ 迷った時の判断基準

迷ったら、次の順番で考えてください。

「地域断水か、自宅だけの問題か確認したか」
「今ある水を飲用と生活用に分けたか」
「トイレを流してよい状態か確認したか」
「応急給水と簡易トイレの準備に切り替えられるか」

この4つが整理できれば、水が止まった時の最初の行動としてはかなり現実的です。防災では、「たくさん動くこと」より「最初の優先順位を間違えないこと」の方が大切です。

■⑩ まとめ

水が止まった時に大切なのは、本当に断水かを確認し、今ある水を飲み水と生活用水に分け、トイレをいつもどおり流さず、応急給水と簡易トイレへ早めに切り替えることです。断水時は、飲み水だけでなく、トイレと衛生が生活の安定を大きく左右します。

私なら、断水時に一番大事なのは「水を探し回ること」ではなく「今ある水を守って使い方を決めること」だと伝えます。被災地でも、助かったのは水を多く持っていた家庭だけではなく、最初の順番を間違えなかった家庭でした。だからこそ、まずは断水確認、次に水の切り分け、最後にトイレ対策。この順番で整えるのがおすすめです。

出典:https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/common/2023_bk/tb/tb2023_030_105.pdf(東京都「東京防災」ライフライン停止時の対応)

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