【防災士が解説】玄関に予備靴を置くだけで助かる|地震後のガラス片対策で“家の外に出られる足”を守る

地震のあと、家の中は安全とは限りません。
割れたガラス、食器の破片、倒れた家具の下に散った小さな破片――靴がないと一歩が危険になります。
「避難するかどうか」を考える前に、まず“歩ける状態”を確保する。玄関の予備靴は、そのための最短の備えです。


■① 地震直後に起きやすいのは「足のケガ」

地震のあとに多いのは、火災や倒壊だけではありません。
・割れた窓ガラス
・棚から落ちた食器
・蛍光灯や照明の破片
・玄関周りの落下物

これらが床に散ると、素足や靴下ではすぐに切創になります。
足を切ると、避難が遅れるだけでなく、避難所生活でも大きな負担になります。


■② 予備靴を玄関に置く意味|“外に出る靴”ではなく“家の中を歩く靴”

誤解されがちですが、予備靴の価値は「避難所へ行くため」だけではありません。
本当に効くのは、地震直後に家の中を移動するためです。

・家族の安否確認
・ブレーカーを落とす
・出口の確保
・火元の確認
・近所の声かけ

これらは、足元が安全でないと動けません。
だから玄関に“すぐ履ける靴”が必要です。


■③ よくある誤解|スリッパで十分?

スリッパは危険です。
・底が薄い
・破片が貫通する
・走れない
・脱げやすい

地震直後の床は、見えない破片だらけのことがあります。
底が厚く、かかとが固定できる靴が適しています。


■④ 被災地で見た「足のケガが生活を止める」

被災地派遣やLOとして避難所支援に入った際、
想像以上に多かったのが足の切り傷でした。

元消防職員として現場で感じたのは、
足をケガすると、支援物資の受け取り、トイレ移動、炊き出しの列、すべてが苦痛になるという現実です。

「命に関わるケガではない」と軽視されがちですが、
生活を壊し、体力と心を削るケガです。
だから、最初の一歩を守る備えが効きます。


■⑤ やらなくていいこと|高価な防災靴を買い足す

・専用品を新しく買う必要はありません
・最新の防災ブーツでなくていい
・家族全員分を完璧に揃えなくていい

一番強いのは、今ある靴を“玄関に固定する”ことです。
履き慣れたスニーカーが最適です。


■⑥ 今日できる最小行動|玄関に「1足だけ」置く

今日できる最小行動は、これだけです。

・玄関にスニーカーを1足置く
・靴下も一緒に入れる(冬は特に)
・懐中電灯(100均LEDでも可)を隣に置く

夜間の地震は、暗さが危険を増やします。
靴と光をセットにすると、行動が一気に楽になります。


■⑦ 行政側が言いにくい本音|避難より前に“動けない人”が出る

行政は避難所や支援体制を整えますが、
家庭内でのケガまでは防げません。

地震の直後に、
「動けない」「歩けない」状態になる人が出ると、避難が遅れます。
だからこそ、家庭側で“初動の動ける状態”を作る備えが重要です。

自律型避難とは、まず自分の身を自分で守れる状態を整えることです。
玄関の予備靴は、その入り口になります。


■⑧ 結論|玄関の予備靴は“避難の前の備え”

地震のあと、床は安全ではありません。
足を守れなければ、行動が止まります。行動が止まれば判断も遅れます。

玄関に予備靴を置く。
それだけで、初動の選択肢が増えます。


■まとめ|「歩ける」を確保するだけで防災は強くなる

防災は、特別な道具より「動ける状態」を作ることが先です。
玄関に予備靴を置けば、ガラス片のリスクを下げ、家族の確認や避難判断を早くできます。

結論:
地震直後は“避難する前に、まず履く”。玄関の予備靴が初動を守る。

防災士として現場を見てきた経験から言えば、
災害時に強い人は“準備が完璧な人”ではなく、“最初の一歩が踏み出せる人”です。
今日、玄関に1足だけ置いてください。


出典:内閣府 防災情報のページ「地震への備え」
https://www.bousai.go.jp

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