【防災士が解説】車内荷物固定の正解|キャンピングカー避難で“飛んでくる事故”を防ぐ方法

災害時、キャンピングカーや車で避難する選択はとても有効です。
ただし、車内の荷物が固定できていないと、急ブレーキ・段差・横風で荷物が飛び、家族のケガや運転不能につながります。

元消防職員として現場に立ってきた感覚でも、「避難そのもの」より「移動中の事故」で一気に状況が悪化するケースは少なくありません。
だからこそ、車中避難の基本は“荷物を積む”ではなく“荷物を固定する”です。

目次

  • ■① 車内荷物固定が必要な理由(いちばん危ない瞬間)
  • ■② 固定できていないと起きる3つの事故
  • ■③ 荷物固定の基本ルール(まずここだけ)
  • ■④ キャンピングカーで多い固定ミスと修正ポイント
  • ■⑤ 家族・子どもがいる場合の優先順位
  • ■⑥ 「固定する道具」最小セット
  • ■⑦ やらなくていい(やりがちだけど危険)
  • ■⑧ 今日の最小行動(5分で終わる)

■① 車内荷物固定が必要な理由(いちばん危ない瞬間)

車内の荷物は、走行中ずっと“慣性”で前へ飛ぼうとしています。
特に危ないのは次の瞬間です。

  • 急ブレーキ(前方の車の停止、信号、落下物)
  • 段差・穴(被災地の道路は想像より荒れる)
  • カーブ・横風(強風時の橋や海沿い、山間部)

「普段は大丈夫」でも、災害時は道路状況と運転環境が変わります。
避難は“いつもより急いでいる”ため、固定不足が事故に直結します。


■② 固定できていないと起きる3つの事故

実際に起きやすいのはこの3つです。

1) 荷物が運転席へ飛び、操作を失う
ペット用品、クーラーボックス、水タンクなど“重い物”ほど危険です。

2) 同乗者の顔・首・腰に直撃して負傷
特に子どもは座高が低く、荷物が当たりやすい。避難先での生活以前に、移動で戦力ダウンします。

3) 荷崩れで車内が散乱し、停車して整理が必要になる
渋滞や危険エリアでの停車はリスク。結果的に避難が遅れます。


■③ 荷物固定の基本ルール(まずここだけ)

固定の基本はシンプルです。

  • 重い物は下・前(車体中心)へ
  • 軽い物は上・後ろへ
  • “隙間ゼロ”を作る(動けない状態にする)
  • 最後にベルトで一体化させる(箱を箱ごと縛る)

「置いただけ」は固定ではありません。
“手で押しても動かない”が合格ラインです。


■④ キャンピングカーで多い固定ミスと修正ポイント

キャンピングカーは収納が多く便利ですが、逆に固定ミスが増えます。

  • 棚に入れただけで安心する
    棚の扉が開けば中身は飛びます。走行用のロック・ストッパーが必須です。
  • 床に箱を置いて終了
    箱自体が滑ります。滑り止め+ベルト固定が必要。
  • テーブル上・通路に“仮置き”が増える
    避難で焦るほど仮置きが常態化します。出発前に“通路ゼロ”をルール化してください。

元消防職員としての感覚ですが、避難中は「睡眠不足+焦り+暗い時間帯」が重なり、判断力が落ちます。
だから仕組み(固定ルール)でミスを減らす方が確実です。


■⑤ 家族・子どもがいる場合の優先順位

子どもがいる場合は、固定の優先順位をこう決めると迷いません。

1) 運転席・助手席まわりは“完全に空”
足元、シート下、ダッシュボード上、すべて撤去。

2) 子どもの頭の高さより上に硬い物を置かない
落ちる位置に物があると危険。上段収納は“軽い布物だけ”が安全です。

3) 重い物は「進行方向に飛ばない向き」で固定
前に飛ぶのが一番危険なので、前方へ動けない配置を作ります。


■⑥ 「固定する道具」最小セット

車中避難の固定は、道具を増やすより“最小を確実に”が勝ちです。

  • 荷締めベルト(ラッシングベルト)2〜4本
  • 滑り止めマット(棚・床用)
  • 折りたたみ収納ボックス(柔らかい箱)
  • 養生テープ(仮固定・結束補助)
  • カラビナ数個(吊り下げ固定)

ポイントは、ベルトで「複数の箱をまとめて一体化」すること。
1個ずつ止めるより、塊にして動けなくする方が早くて強いです。


■⑦ やらなくていい(やりがちだけど危険)

不安になるとやりがちですが、これは不要か危険です。

  • “とりあえず積む”(固定せず出発)
  • ビニール袋の山を上に積む(崩れて視界・操作を邪魔)
  • 座席の上に物を置く(ブレーキで前に飛ぶ)
  • 運転席の足元に物を入れる(ペダル操作を阻害)

荷物は多いほど安心、ではありません。
固定できない量は、避難では“リスク”に変わります。


■⑧ 今日の最小行動(5分で終わる)

次の5分だけやれば、車中避難の安全度が一気に上がります。

  • 玄関に荷締めベルトを置く(出発前に必ず使う位置へ)
  • 車内の「通路ゼロ」を一度作って写真を撮る(正解の型)
  • 重い物(箱・水・電源)を置く定位置を決める
  • 棚の扉が走行で開かないか確認する
  • 「出発前チェック:押して動かない」を家族ルールにする

避難は速さも大事ですが、無事に到着して初めて意味があります。
車内固定は“備え”ではなく“安全装置”です。


出典:JAF「[Q]高速道路で落下物トラブル、どうすればいいのですか?」https://jaf.or.jp/common/kuruma-qa/category-trouble/subcategory-highway/faq112

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