「避難できたから安心」と思った直後から、本当の負担が始まることがあります。
長時間の移動、暑さや寒さ、飲食料の不足。
被災地派遣の現場でも、避難後に体力と気力が一気に落ちる人を何度も見ました。
避難は“瞬間の行動”ではなく、“持ちこたえる時間”です。
この記事では、避難がなぜ大変なのかを整理し、長時間を前提にした備え方をまとめます。
■① 避難は「短距離」では終わらないことがある
想定では数十分の移動でも、現実は違うことがあります。
・道路の混雑
・迂回
・足場の悪化
・高齢者や子どもの同行
結果として、移動が長時間に及びます。
距離より“時間”が負担になります。
■② 長時間になると体力の消耗が急激に進む
避難が長引くと、次のような負担が重なります。
・水分不足
・空腹
・疲労
・睡眠不足
・緊張による消耗
被災地派遣でも、移動後に倒れ込む人を見ました。
「逃げ切った後」が危険です。
■③ 暑さは判断力を奪う
暑さは体温だけでなく、判断力を奪います。
・集中力低下
・イライラ
・誤判断
・水分摂取の遅れ
避難中に判断が鈍ると、さらに負担が増えます。
暑さは“行動リスク”です。
■④ 飲食料不足は連鎖を生む
飲食料が不足すると、次の連鎖が起きます。
・水を控える
・トイレを我慢する
・熱中症リスク増加
・食欲低下
・体力低下
一つの不足が、他の不足を呼びます。
避難は連鎖を止める設計が重要です。
■⑤ 「最低限」を持っているかで差が出る
大きな備蓄より、最低限のセットが効きます。
・水(飲用)
・塩分
・軽食(すぐ食べられる)
・簡易トイレ
・帽子やタオル
被災地派遣の現場でも、最低限を持っていた人ほど落ち着いていました。
備えは重さより“中身”です。
■⑥ 車避難は「動けない時間」を想定する
車で避難する場合、動けない時間を想定します。
・渋滞
・燃料不足
・炎天下での待機
車内は逃げ場が少ない環境です。
水・塩分・簡易トイレを積むだけで安心感が変わります。
■⑦ 避難所到着後も消耗は続く
避難所に着いても、生活環境が整うまで時間がかかります。
・寝不足
・食事の偏り
・衛生不安
・気温問題
避難は「移動+生活」です。
生活を支える準備が、避難を完成させます。
■⑧ 今日からできる最小行動
・水を最低3日分確保する
・軽食を家族分だけ用意する
・塩分補給手段を準備する
・簡易トイレを常備する
・帽子とタオルを避難袋に入れる
これだけで、避難の「大変さ」は確実に軽くなります。
■まとめ|避難は「長時間」を前提に設計するほど崩れにくい
避難が大変なのは、移動が長時間に及び、暑さや飲食料不足が重なるからです。
体力と判断力が落ちると、困難は連鎖的に広がります。
水・塩分・軽食・簡易トイレ・暑さ対策という最低限のセットを持つことで、避難後の崩れを防ぎやすくなります。
結論:
避難は“逃げる瞬間”より“持ちこたえる時間”が勝負であり、長時間を前提に最小セットを用意するほど命と生活を守りやすくなる。
被災地派遣の現場で、最低限を持っている人ほど体調を崩しにくいと実感しました。
防災士として、避難は「時間設計」が最重要だと考えています。

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