学校で防災を扱う時、児童生徒の入り口として使いやすいのがクイズ型の学習です。
特に最近は、アプリで防災クイズに触れられる教材も増え、授業や家庭学習に取り入れやすくなっています。
ただ実際には、
「楽しいだけで終わらないか」
「授業に入れる意味があるのか」
「どのアプリなら学校向きか」
で迷いやすいです。
結論から言えば、防災クイズアプリは“授業の主役”として使うより、“導入・確認・家庭連携”に使う方が失敗しにくいです。
東京都の公式「東京都防災アプリ」は、防災ブックの内容に基づくジャンル別クイズを搭載し、「あそぶ」「まなぶ」「つかう」をコンセプトにしています。
また、東京消防庁公式アプリにも、子どもから大人まで各レベルの消防クイズが用意されています。
つまり、公式アプリでも“楽しく学ぶ入口”としての位置づけが明確です。 (bousai.metro.tokyo.lg.jp)
元消防職員として現場感覚で言えば、防災教育で本当に残るのは「たくさん正解したこと」ではなく、一問をきっかけに自分ならどうするかを考えたことです。
だから防災クイズアプリも、点数を競うだけで終わらせず、授業の中で“判断の入り口”に変えられるかが大事です。
■① まず重視したいのは「クイズがあること」より「中身の根拠が公的か」
防災クイズアプリは見た目が楽しくても、内容の根拠が弱いと授業では使いにくいです。
学校で扱うなら、まずは公的機関が公開・監修しているかを見た方が安心です。
東京都防災アプリは東京都公式で、防災ブック「東京くらし防災」「東京防災」の内容に基づくクイズを搭載しています。
東京消防庁公式アプリも、消防・防災知識をクイズ形式で学べる機能を公開しています。 (bousai.metro.tokyo.lg.jp)
防災士として見ても、授業で使うクイズアプリは「盛り上がるか」より、内容が学校で説明し直せるかが重要です。
その意味で、まずは公式アプリや公的教材ベースのものから選ぶ方が外れにくいです。
■② 授業で使いやすいのは「短時間で1テーマに絞れるアプリ」
クイズアプリを授業でそのまま長時間使うと、学習というより操作時間が増えやすいです。
そのため学校で使いやすいのは、地震・火災・大雨・備蓄など、1テーマを短時間で確認できるものです。
東京都防災アプリのクイズはジャンル別に構成されており、内容を絞って使いやすい設計になっています。
東京消防庁公式アプリも、クイズやミニゲームを通じて段階別に学べるようになっています。 (bousai.metro.tokyo.lg.jp)
元消防職員としての感覚でも、防災授業で強いのは“大量に問題を解くこと”ではなく、今日の授業で一つ判断軸が残ることです。
だから、アプリは広く浅く触るより、テーマを絞って使う方が授業になじみます。
■③ 防災クイズアプリの強みは「導入」と「確認」にある
授業での使い方を整理すると、防災クイズアプリが特に強いのは次の2つです。
1つ目は、導入です。
いきなり先生が説明するより、まず一問出して考えさせる方が、児童生徒は入りやすいです。
2つ目は、確認です。
授業や避難訓練の後に、理解の抜けを見つけたり、家庭でもう一度触れたりしやすいです。
東京都防災アプリは、平時に学びながら、いざという時にも役立つ構成が特徴です。
つまり、クイズを単独で終わらせるより、授業前後をつなぐ道具として使う方が強いです。 (bousai.metro.tokyo.lg.jp)
■④ 逆に弱いのは「アプリだけで授業を完結させようとすること」
防災クイズアプリでありがちな失敗は、アプリをやったことで授業が終わってしまうことです。
クイズは答えを選べても、なぜその答えなのかを言葉にしないと、防災の判断にはつながりにくいです。
たとえば、
・なぜ地震の時にすぐ外へ飛び出さないのか
・なぜ大雨の時に用水路へ近づかないのか
・なぜ避難所へ行く前に家族と決めておく必要があるのか
こうした理由づけは、教員の問い返しがあって初めて深まります。
防災士として強く感じるのは、防災クイズで本当に大切なのは正答率ではなく、誤答や迷いを授業の材料に変えられるかです。
だからアプリ単体ではなく、先生の問いとセットで使う方が実践的です。
■⑤ 学年によって向く使い方を変えた方がいい
クイズアプリは同じ内容でも、学年で使い方を変えた方が授業に入りやすいです。
低学年なら、
一問だけ出して、絵や行動に結びつける。
中学年なら、
答えを選んだ理由を短く話させる。
高学年や中学生なら、
「この答えは学校なら?家なら?登下校中なら?」と場面を広げる。
つまり、アプリそのものより、その後にどう広げるかの方が授業では大事です。
東京消防庁公式アプリも子どもから大人まで複数レベルのクイズを備えており、使い分けを意識した構成になっています。 (tfd.metro.tokyo.lg.jp)
■⑥ 家庭学習につなげやすいのは大きな強み
防災クイズアプリの大きな利点は、学校で終わらず、家庭でも続けやすいことです。
東京都防災アプリは、防災ブックの閲覧やクイズをスマートフォン等で利用でき、事前ダウンロードでオフライン閲覧にも対応しています。
つまり、授業で一問扱ったあと、家庭で保護者と一緒に続ける流れを作りやすいです。 (bousai.metro.tokyo.lg.jp)
元消防職員としても、防災教育で強いのは「学校だけで完結する学び」より、家で一回でも話題になる学びです。
クイズアプリは、その橋渡しにかなり向いています。
■⑦ 現場経験から見ると、クイズで残したいのは“正解”より“迷いどころ”
被災地派遣やLOの経験でも感じたのは、災害時に本当に差が出るのは、知識問題の正解数ではなく、迷う場面でどう動けるかです。
だからクイズアプリを授業で使うなら、
・答えが割れそうな問題
・普段の思い込みが出やすい問題
・学校生活に引き寄せやすい問題
を選ぶ方が強いです。
たとえば、
「地震の時、すぐ外へ走る?」
「大雨の時、ふだんの近道を使う?」
「停電時、まずスマホで何を見る?」
のような問題です。
防災士として強く言えるのは、授業で価値があるのは“簡単に全員正解する問題”より、少し迷って、その理由を話したくなる問題です。
■⑧ まとめ
防災クイズアプリは、授業の主役として長く使うより、導入・確認・家庭連携に使う方が実践的です。
特に、公式性があり、テーマを絞って使え、授業後に「なぜその答えか」を考えさせられるものが学校向きです。
東京都防災アプリや東京消防庁公式アプリのように、公的機関が公開しているクイズ機能は、その点で使いやすい入口になります。 (bousai.metro.tokyo.lg.jp)
元消防職員として強く言えるのは、防災教育で本当に残るのは「たくさん正解したこと」ではなく、「一問をきっかけに自分ならどうするかを考えたこと」です。
迷ったら、まずは一問、そして一つの行動へ。
その使い方が、防災クイズアプリを授業で生かす一番現実的な方法です。

コメント