新しく防災担当になった時、
「年間計画は何を並べればいいのか」
「訓練、点検、備蓄、会議、研修…全部入れると重すぎる」
「前任者の予定をそのまま使っていいのか」
と迷う人は少なくありません。
結論から言えば、防災担当の新人が年間計画を立てる時に最も大切なのは、“行事を並べること”ではなく、“法令対応・安全確認・訓練・見直し”を一年の中で切れ目なく回る形にすることです。
内閣府の事業継続ガイドラインは、BCPを含む事業継続マネジメントについて、予算・資源の確保、事前対策の実施、教育・訓練、点検、継続的改善を平常時から行う必要があると示しています。消防庁の自主チェックリスト類でも、消防計画、訓練、消防用設備等の点検、避難上必要な施設の管理などを継続して確認する考え方が示されています。 (bousai.go.jp) (fdma.go.jp)
防災士として率直に言えば、新人が年間計画で一番失敗しやすいのは、
「4月に作って終わり」の予定表にしてしまうこと
です。
元消防職員として現場や被災地派遣、LO対応を経験して強く感じるのは、防災で本当に差がつくのは、
一回の大きな訓練
より
一年を通じた小さな確認の積み重ね
です。
だから年間計画は、見た目の立派さより、毎月何を回すかが見える形にする方が現実的です。
■① 最初に決めるべきは「年間計画の目的」
年間計画を立てる時に最初に整理したいのは、
何のための計画か
です。
防災担当の年間計画は、単なる予定表ではありません。
主な目的は、
・法令やルールに沿った対応を抜けなく回す
・訓練や点検を計画的に実施する
・災害時に迷わない体制を維持する
・改善を毎年回す
ことです。
内閣府の事業継続ガイドラインが、教育・訓練、点検、継続的改善まで含めてBCMと整理しているのは、防災が単発業務ではなく、回し続ける管理活動だからです。 (bousai.go.jp)
防災士として言えば、新人の年間計画で一番大事なのは、
予定を埋めること
ではなく、
防災を止めないこと
です。
■② 年間計画は「4本柱」で考えると整理しやすい
新人が年間計画を立てる時は、最初から細かくしすぎない方がいいです。
まずは次の4本柱で考えるとかなり整理しやすいです。
1. 点検
消防用設備、避難経路、備蓄、危険箇所などの確認
2. 訓練
避難訓練、初動訓練、BCP机上訓練、連絡訓練など
3. 見直し
マニュアル、連絡網、ハザード確認、リスク評価の更新
4. 周知・教育
研修、防災会議、掲示、PR、関係先連携など
内閣府の事業継続ガイドラインの内容ともかなり整合的で、消防庁の自主点検系資料でも、消防計画、訓練、点検、避難管理などを定期的に回す前提になっています。 (bousai.go.jp) (fdma.go.jp)
防災士として率直に言えば、年間計画は
全部入りの表
より
4本柱で整理された表
の方が新人には扱いやすいです。
■③ まずは「絶対に落とせない予定」から置く
年間計画を作る時に最初に置くべきなのは、
絶対に抜けると困る予定
です。
たとえば、
・法令や制度上必要な点検
・消防訓練
・備蓄の期限確認
・年度切替時の連絡網更新
・災害が多い時期の事前確認
です。
消防庁の自主チェックリストでは、
消防計画の届出
消防訓練の実施
消防用設備等の点検
などを確認項目として挙げています。
つまり、年間計画でもまずこれらを先に押さえる方が現実的です。 (fdma.go.jp)
防災士として言えば、新人の年間計画は、
やりたいこと
より
落とせないこと
から置く方が失敗しにくいです。
■④ 季節リスクを入れると年間計画が生きやすい
年間計画は、月ごとの季節リスクを入れるとかなり実務的になります。
たとえば、
・梅雨前:水害、排水、ハザード確認
・夏前:熱中症、停電、台風備え
・秋:防災訓練、防災月間、防災週間活用
・冬前:暖房器具、乾燥火災、凍結確認
です。
防災士として率直に言えば、年間計画で強いのは、
毎月同じことを並べること
ではなく、
その時期に起こりやすいリスクへ寄せること
です。
元消防職員としても、季節に合わせた確認の方が現場感があります。
■⑤ 4月と9月は「見直し月」にすると回しやすい
新人の年間計画では、
見直し月
を最初から決めておくとかなり回しやすいです。
おすすめは、
・4月:年度初めの体制見直し
・9月:防災月間に合わせた中間見直し
です。
4月は、
・担当変更
・連絡先更新
・備蓄担当確認
・年間方針整理
に向いています。
9月は、
・訓練
・ハザード確認
・マニュアルの補修
・PR強化
に向いています。
内閣府のガイドラインが継続的改善を重視しているように、防災は「作ったら終わり」ではなく、見直しの節目を持つことが重要です。 (bousai.go.jp)
■⑥ 新人の年間計画は「月1つの重点」で十分
新人がやりがちなのは、毎月多くの目標を入れすぎることです。
でも最初は、
月1つの重点
で十分です。
たとえば、
・4月:連絡網更新
・5月:備蓄確認
・6月:水害対策確認
・7月:安否確認訓練
・8月:設備確認
・9月:総合訓練
のような形です。
防災士として率直に言えば、年間計画で一番大切なのは、
網羅
より
継続
です。
元消防職員としても、毎月一つ確実にやる方が、年末に見るとかなり差になります。
■⑦ 被災地経験から見ても「平時の整理」が復旧の速さを変える
被災地派遣やLO対応で強く感じたのは、
災害後の混乱は、災害そのものだけでなく、
平時に整理されていなかったこと
で大きくなるということです。
たとえば、
・連絡網が古い
・備蓄場所が曖昧
・役割分担が不明
・関係先連絡が整理されていない
と、初動も復旧も遅れます。
だから新人の年間計画では、
災害が起きていない時にしかできない整理
を必ず入れた方がいいです。
防災士として率直に言えば、年間計画は災害対応表というより、
混乱を減らす準備表
です。
■⑧ 新人向けの年間計画の基本形
新人が最初に作るなら、次の形でかなり実務的です。
年間計画の基本項目
- 月
- 重点テーマ
- 実施内容
- 担当者
- 関係部署
- 期限
- 実施結果
- 次回改善点
例
- 4月:体制見直し/連絡網更新、防災担当確認
- 5月:備蓄確認/数量・期限チェック
- 6月:風水害準備/ハザード確認、排水確認
- 7月:連絡訓練/安否確認訓練
- 9月:総合訓練/避難訓練、防災PR
- 12月:冬季点検/暖房機器、凍結確認
- 2月:BCP見直し/ドラフト更新、年度振り返り
- 3月:次年度準備/未実施事項整理、引継ぎ準備
防災士として言えば、このくらいの骨組みで十分始められます。
最初から細密にしなくても大丈夫です。
■⑨ まとめ
防災担当の新人が年間計画を立てる時に最も大切なのは、“行事を並べること”ではなく、“法令対応・安全確認・訓練・見直し”を一年の中で切れ目なく回る形にすることです。
内閣府の事業継続ガイドラインは、BCPを含む事業継続マネジメントについて、予算・資源の確保、事前対策の実施、教育・訓練、点検、継続的改善を平常時から行う必要があると示しています。消防庁の自主チェックリスト類でも、消防計画、訓練、消防用設備等の点検、避難上必要な施設の管理などを継続して確認する考え方が示されています。 (bousai.go.jp) (fdma.go.jp)
防災士として強く言えるのは、新人の年間計画で一番大切なのは
立派な表を作ること
ではなく、
毎月ひとつでも防災を前に進めること
だということです。
迷ったら、
・点検
・訓練
・見直し
・周知
この4本柱で組むのが一番現実的です。

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