災害時、避難場所へ向かう途中や到着後に「雨」「風」「強い日差し」で体力を削られることがあります。
とくに高齢者や子ども、持病のある人にとって、濡れ・冷え・暑さはそれ自体がリスクになります。
被災地派遣の現場でも、雨天時の避難で衣類が濡れたまま過ごし、体温を奪われて体調を崩す人を見ました。
避難は移動そのものより、移動中に体力を削られることが問題になりやすいです。
その負担を下げる“中継点”になり得るのが、防災東屋です。
この記事では、防災東屋の役割と、実際に役立てるための確認ポイントを整理します。
■① 防災東屋は「避難の途中で立て直す場所」
防災東屋は、避難経路上や公園・高台などに設置される屋根付きの休憩空間で、災害時に次の役割を持ちます。
・雨風を避けて一時待機できる
・日陰を作り、熱中症リスクを下げられる
・子どもや高齢者の休憩ポイントになる
・荷物整理や靴の履き替えなどができる
避難所のように「泊まる場所」ではなく、「避難を継続するための立て直し場所」として考えると使いやすくなります。
■② どんな場面で効くか|雨天・猛暑・夜間が特に重要
防災東屋が効くのは、次の条件が重なるときです。
・雨で濡れる(低体温や体調悪化につながる)
・猛暑で日差しが強い(熱中症リスク)
・夜間で視界が悪い(転倒や迷いが増える)
・避難が長距離になる(休憩の必要性が増す)
「歩ける距離」でも、気象条件で体力消耗は大きく変わります。
東屋を知っているだけで、休憩の計画が立ちます。
■③ 確認ポイントは3つだけでいい
初心者は細かく見すぎない方が続きます。
防災東屋の確認は3つに絞ります。
・屋根がしっかりしているか(雨風を防げるか)
・周囲が安全か(落下物、斜面、増水、倒木の恐れ)
・夜間に使えるか(街灯の有無、足元の安全)
ここだけ確認できれば、避難時に使う価値が判断できます。
■④ 東屋が“危険な場所”になるケースも知っておく
屋根があるから安全とは限りません。
次の条件がある東屋は、災害種別によっては危険になることがあります。
・川沿い(増水、流木)
・崖下(落石、土砂)
・樹木の真下(倒木)
・電柱や古い構造物の近く(倒壊)
被災地では「雨を避けたい」気持ちが強いほど、危険な場所に寄ってしまうことがありました。
東屋は“安全な場所で使う”ことが前提です。
■⑤ 使い方のコツ|東屋では「体温」と「水分」を立て直す
東屋は短時間でも、体の状態を整えるのに使えます。
・濡れた上着を脱いで体を冷やさない
・タオルで水気を取る
・一口でも水分を入れる
・子どもの顔色と呼吸を見る
・靴擦れやケガの確認をする
避難中に一度立て直すと、その後の判断が安定します。
■⑥ 物資がなくてもできる“最小の雨・暑さ対策”
装備がなくても、東屋と組み合わせると効果が出ます。
・レインコート(傘より両手が空く)
・ゴミ袋(簡易ポンチョ、荷物防水)
・タオル(濡れ対策、冷却)
・帽子(直射日光を減らす)
東屋は「装備を補う場所」でもあります。
■⑦ 被災地で感じたこと|避難は“体力の貯金”が尽きると一気に崩れる
被災地派遣の現場で強く感じたのは、避難は体力が尽きた瞬間に判断が荒くなることです。
・歩くのが嫌になって危険な近道を選ぶ
・休まずに倒れてしまう
・水分を取らずに頭痛やめまいが出る
防災東屋のような「休める場所」を知っているだけで、体力の貯金が守れます。
■⑧ 今日からできる最小行動
・自宅から避難所までの途中に東屋があるか確認する
・雨天・猛暑を想定して「休憩ポイント」を1つ決める
・夜間に使えるか(街灯、段差)をチェックする
・レインコートとタオルだけは避難袋に入れる
・家族で「休憩していい場所」を共有する
■まとめ|防災東屋は“避難を続けるための中継点”になる
防災東屋は、避難所の代わりではなく、避難の途中で雨風や日差しを避けて体力を立て直すための中継点です。
確認は「屋根の有無」「周囲の安全」「夜間の使いやすさ」の3点で十分です。
安全な場所で活用すれば、濡れ・冷え・暑さによる体調悪化を防ぎ、避難の判断を安定させる効果があります。
結論:
防災東屋は「避難中に体力と判断を守る中継点」であり、場所を知っているだけで避難が壊れにくくなる。
防災士として被災地派遣で見てきた実感として、避難は“速さ”より“崩れないこと”が大切です。休める場所を先に決めておくと、家族の避難が安全側に寄ります。

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