春は、生活が切り替わる季節です。新年度の忙しさで備蓄が後回しになりがちですが、実は春こそ非常食の「衣替え」に最適です。理由はシンプルで、賞味期限の区切りと、暑くなる前の保存環境の見直しができるからです。この記事では、春にやると失敗しにくいローリングストックの点検手順と、現実的なメニュー例を整理します。
■① 春は“備蓄が崩れやすい”季節
春は、次の理由で備蓄が乱れます。
・引っ越しや模様替えで保管場所が変わる
・忙しくて買い足しが止まる
・冬に買った物が期限に近づく
春に一度整えておくと、夏の停電や台風シーズンに強くなります。
■② 見直しは「出す→並べる→決める」の3手順で終わる
ローリングストックは、難しく考えると続きません。
1)出す:食品を全部いったん見える場所に出す
2)並べる:期限が近い順に並べる
3)決める:今月食べる物と買い足す物を決める
この3手順だけで、備蓄は復活します。
■③ 期限だけでなく「食べられる状態」も確認する
備蓄は期限が残っていても、次が欠けると使えません。
・缶切りが必要なのに無い
・水が必要なのに不足している
・温め前提の食品ばかり
・食器やラップが無い
“食べられる状態”までをセットで点検すると、災害時に迷いません。
■④ 春の買い足しは「主食+たんぱく+汁物」を意識する
備蓄の満足度は、この3つで決まります。
・主食:米、パックご飯、麺、パン
・たんぱく:ツナ、サバ缶、豆、プロテイン系
・汁物:味噌汁、スープ、レトルト
汁物は体を温め、心理的にも効きます。春の寒の戻りにも使えます。
■⑤ ローリングストックのメニュー例(3日分の考え方)
備蓄は「完璧な非常食」より「普段食の延長」が強いです。
・朝:パン+スープ+果物缶
・昼:パックご飯+サバ缶+味噌汁
・夜:レトルトカレー+ご飯+野菜ジュース
ここに、間食としてチョコやナッツを入れると体力維持が楽になります。
■⑥ 子ども・高齢者がいる家庭は「食べ慣れ」を優先する
災害時は、食欲が落ちます。
・子どもは味や食感で食べない
・高齢者は噛みにくい物が苦手
・体調が悪いと飲み込みが落ちる
普段から食べ慣れている食品を備蓄に混ぜると、非常時に食べられる確率が上がります。
■⑦ 防災士から見た「実際に多かった失敗」
非常食で多い失敗は、次の3つです。
・期限が切れていた(見直しが年1回以下)
・主食だけで飽きて食べなくなる
・水やカセットコンロが不足して調理できない
失敗は“仕組み化”で潰せます。春に固定で見直すだけで変わります。
■⑧ 被災地経験で感じた「食べられる備蓄は心を支える」
被災地派遣では、食べ物がある家庭ほど落ち着きを取り戻すのが早いと感じました。LOとして現地で生活状況を見ていると、備蓄があるだけで「判断が軽くなる」場面が多くありました。元消防職員としても、空腹や脱水は体力だけでなく思考を奪うと実感しています。備蓄は“物”ですが、実際には心と判断を守るインフラです。
■まとめ|春の衣替えは「見える化」と「3日分の形」を作る
春は備蓄が崩れやすい季節なので、ローリングストックの衣替えに最適です。手順は「出す→並べる→決める」の3つ。期限だけでなく“食べられる状態”を点検し、主食・たんぱく・汁物の3点で整える。普段食の延長で3日分の形を作るだけで、夏以降の災害にも強くなります。
結論:
非常食は「普段食の延長」で回すと続く。春に一度見える化して3日分の形を作れば、備えは自然に回り始めます。
防災士として、備蓄は量より“使える形”が重要だと感じます。春の節目に淡々と整えて、判断を軽くしておきましょう。
出典:https://www.bousai.go.jp/

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