【防災士が解説】防災日記は児童に何を書かせるべきか|教諭向け記入例の判断基準

防災教育で「書く活動」を入れたいと思っても、実際には
「感想文みたいになってしまう」
「何を書かせれば防災学習になるのか分からない」
「低学年でもできる形にしたい」
と迷いやすいです。
文部科学省系の実践では、防災教育の中で日記・作文・新聞などを書く活動が行われており、鳴門市の学校安全総合支援事業では「未来日記」という形で、災害場面を想定し、自分の行動や課題を書くワークショップが実施されています。 oai_citation:0‡文部科学省

結論から言えば、防災日記で児童に書かせるべきなのは、「こわかった」「気をつけたい」で終わる感想」ではなく、「どんな場面で」「自分はどう動くか」「次に何を備えるか」の3点です。
防災日記は文章力のためだけでなく、災害時の判断を自分の言葉に置き換える教材として使う方が授業になります。 oai_citation:1‡学校安全

元消防職員として現場感覚で言えば、防災教育で本当に残るのは、知識を聞いた量より、一度でも自分の行動を言葉にした経験です。
被災地派遣やLOの経験でも、助かりやすい人は、特別な知識が多い人というより、「その時どうするか」を少しでも整理していた人でした。
だから防災日記も、きれいに書くことより、次の行動が一つ見える形の方が強いです。

■① 防災日記は「感想」より「場面」を書かせる方が強い

防災日記で最初に大事なのは、自由に感想を書かせることではなく、場面を具体的に置くことです。
たとえば、

・授業中に地震が起きた
・登校中に大雨が強くなった
・家で停電した
・学校で避難訓練をした
・家族と避難先を話し合った

こうした場面です。
鳴門市の「未来日記」実践でも、日時や災害想定を置いてから各自が記入し、その後に共有しています。
つまり、防災日記は「何を書こうかな」と迷わせるより、状況を先に与えた方が防災学習になりやすいです。 oai_citation:2‡学校安全

■② 児童に書かせたい基本は「見たこと・したこと・次にすること」

防災日記を授業で使いやすくするなら、記入欄は難しくしすぎない方がいいです。
おすすめは、次の3つです。

・見たこと、気づいたこと
・自分がしたこと、したいこと
・次に家や学校でやってみたいこと

この形なら、低学年でも絵や短い文で書きやすく、高学年なら理由まで深めやすいです。
文部科学省系の防災教育実践でも、家庭での地震対策を親子で記入するシートや、日記・作文の書き方の変容を見る取組が行われています。
つまり、防災日記は「きれいな文章」より、行動と気づきが残る構成の方が使いやすいです。 oai_citation:3‡学校安全

■③ 低学年は「絵日記型」、中高学年は「判断日記型」が使いやすい

学年によって、防災日記の形は変えた方が実践しやすいです。

低学年なら、

・その時の絵
・こわかったこと
・先生に言われてしたこと
・これからやることを一言

といった絵日記型が入りやすいです。

中学年以降なら、

・どんな危険があったか
・どうしてその行動を選んだか
・もっとよくするには何が必要か

まで書かせると、防災授業として深くなります。
文部科学省の防災教育実践では、学年段階に応じて、防災学習を日記・作文・話し合いと結びつける例が見られます。 oai_citation:4‡文部科学省

■④ 教諭向け記入例は「正解例」より「書き方の型」を示す方がいい

教員が児童へ見せる記入例は、完成した模範作文のようにしすぎると、子どもがそのまま真似して終わりやすいです。
それよりも、短い型を見せる方が書きやすくなります。

たとえば地震の授業後なら、

「きょうのじしんの学しゅうで、つくえの下に入ることが大事だとわかりました。
教室のまどの近くもあぶないと思いました。
家でも、ねるところの近くを見てみたいです。」

このように、
わかったこと
気づいたこと
これからすること
の3文型にすると、児童も書きやすいです。
防災教育の実践でも、家庭や地域と結びつける書く活動は、防災意識の変化や行動化につながる取組として扱われています。 oai_citation:5‡学校安全

■⑤ 防災日記は「授業の最後」より「授業と家庭をつなぐ」時に強い

防災日記は授業のまとめとして使いやすいですが、それだけでなく、家庭とつなぐ道具としてもかなり有効です。
たとえば、

・家の中で危ない場所を家族と見た
・避難場所を聞いた
・防災グッズを一緒に確認した
・通学路の危ない場所を話した

こうしたことを一言でも書かせると、学校防災が家庭へ伸びます。
文部科学省系の実践では、「我が家の地震対策プロジェクト」のように、親子で家庭の備えを記入するシートも実施されています。 oai_citation:6‡学校安全

元消防職員としても、防災教育で強いのは「学校だけで完結する学び」より、家で一回話題になる学びです。
防災日記は、その橋渡しにかなり向いています。

■⑥ 現場経験を入れるなら“怖さ”より“早く動けた理由”を書く方がいい

防災日記の記入例や振り返りで現場経験を入れるなら、強い被害の話を長く書かせるより、

・危ない場所を知っていると動きやすい
・先生の声を聞いてすぐ動くことが大切
・家族と決めていると迷いにくい
・早めに避難した方が余裕がある

といった、行動につながるポイントを書かせる方が授業に残りやすいです。
鳴門市の「未来日記」でも、想定場面を共有した上で、自分の行動や課題を記入し、班で共感点や課題を話し合っています。
つまり、防災日記は恐怖の記録より、判断の練習として使う方が強いです。 oai_citation:7‡学校安全

■⑦ よくある失敗は「書いて終わり」にしてしまうこと

防災日記で一番ありがちな失敗は、書かせたこと自体で満足してしまうことです。
でも本当に意味を持たせるなら、少なくとも次のどれかを入れた方がいいです。

・ペアや班で1つだけ共有する
・家で保護者に見せる
・教室の危険箇所確認につなげる
・次の避難訓練の目標にする

防災教育の実践例でも、書く活動は共有や家庭連携と組み合わせることで、意識や行動の変化につながりやすいことが示されています。
防災士として見ても、防災日記は“提出物”にすると弱く、“次の行動の入口”にすると強いです。 oai_citation:8‡学校安全

■⑧ まとめ

防災日記で児童に書かせるべきなのは、「どんな場面で」「自分はどう動くか」「次に何を備えるか」の3点です。
自由な感想文にするより、場面を具体化し、見たこと・したこと・次にすることの型で書かせる方が、防災教育として実践的です。
文部科学省系の実践や鳴門市の「未来日記」のように、書く活動は家庭連携や話し合いと組み合わせることで、防災意識と行動の両方を育てやすくなります。 oai_citation:9‡学校安全

元消防職員として強く言えるのは、防災教育で本当に残るのは、知識の量より、「その時どうするか」を一度でも自分の言葉で書いた経験だということです。
迷ったら、防災日記は感想ではなく、次の行動を書く道具にする。
その使い方が、一番現実的で役立ちます。

出典:文部科学省 学校安全総合支援事業「家庭や地域とともに取り組む防災教育(鳴門市)」

コメント

タイトルとURLをコピーしました