【元消防職員が解説】地震後の“通電火災”が最も危険──発生タイミングと防ぐための初動行動

地震直後に多発する二次災害の中で、最も死者が多いのが 通電火災
阪神・淡路大震災、東日本大震災でも多数発生し、地震そのものより被害が拡大した地域もあります。

元消防職員として、地震後に必ず知っておくべき通電火災の仕組みと防ぎ方を解説します。


■① 通電火災とは?

通電火災(電気火災)とは、
● 停電 → 復旧
このタイミングで電気が急に戻った際、
壊れた電化製品や傷んだ配線が発火する現象です。

特に起こりやすい原因は:

・倒れたストーブ
・破損したコンセント
・挟まれたコード
・家具の下敷きになった延長コード
・ホコリが溜まったタコ足配線

復旧した瞬間に一気に電流が流れ、火花→出火となります。


■② 停電中は「安全に見える」が実は一番危険

地震直後は停電しているため、家の中は静かで安全に感じます。
しかし、火事になるのは 電気が戻ってから

● 外出中
● 避難中
● 夜間に停電復旧

このタイミングが最も危険で、火を出しても誰も気づきません。


■③ まず最初にすべき行動

揺れがおさまったら次の3つを必ず実行:

① ブレーカーを落とす
→ これだけで通電火災の9割以上を防げます。

② コンセント類を確認
→ ストーブ・電気カーペット・暖房器具は必ず抜く。

③ 家電のスイッチOFF
→ 電気復旧時の誤作動防止。

避難するときも 必ずブレーカーを落とす ことが鉄則です。


■④ 冬は通電火災が特に増える理由

冬は以下が原因で火災リスクが急上昇します。

● 暖房器具が多い(ストーブ、ヒーター、電気毛布)
● 乾燥しやすく着火しやすい
● 家電の使用量が多い
● 布団・カーペットなど燃えやすい環境

特にストーブ転倒 → 電気復旧 → 発火 の流れが典型例。


■⑤ ブレーカーが落とせない状況での代替行動

どうしても家屋が危険でブレーカーに近づけない場合は:

● 屋外の電力量計(スマートメーター)が無事なら遠隔停止される場合がある
● 家電の電源コードだけでも抜く
● コンセント周りに燃えやすい物を置かない

ただし、基本はブレーカー操作が最も確実。


■⑥ 避難所から戻ったら必ず行うこと

避難解消後、自宅に戻ったら次を確認:

● 配線が挟まっていないか
● 倒れた家電がないか
● コンセントが焼けていないか
● ストーブ周りの可燃物確認

その後、安全を確認してからブレーカーを上げる。


■⑦ 隣家の火災が広がるケースも多い

通電火災は火の回りが早く、
● 木造密集地
● 古い住宅街

では延焼が一気に広がります。

自宅だけでなく地域全体の火災につながるため、
日頃の電気配線点検やタコ足配線の整理も重要です。


■⑧ 今できる“3つの備え”

● 家電周りの整理
● 古い延長コードの交換
● ブレーカーの位置を家族で共有

子どもや高齢者でも操作できるよう、
ブレーカーに「大地震時は必ずOFF」と貼っておく家庭も増えています。


■まとめ|通電火災は“電気が戻った瞬間”が勝負

結論:
通電火災は防げる火災。ブレーカーを落とすだけで命は守れる。

元消防職員として何度も目にしたのは、
● 大地震後に無人の家で火が出る
● 停電復旧の瞬間にアパート全体が炎上
● 暖房器具まわりからの出火

こうした“避けられたはずの火災”が多いこと。

地震直後のたった10秒の行動が、
家と家族を守る最大の防火対策です。

まずブレーカーを落とす。 これが地震後の最重要行動です。

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