【元消防職員が解説】豪雨時に車で移動すると危険|やってはいけない判断

豪雨の時、「歩くより車の方が安全」と思う人は多いです。
雨をしのげる、早く移動できる、家族も乗せられる。そう考えるのは自然です。
でも、防災の現場感覚で言うと、豪雨時の車移動は、条件を間違えると一気に危険側へ傾く判断です。

結論から言うと、豪雨時は車で移動すると危険な場面が多く、「まだ走れる」で進む判断が一番危ないです。
理由は、道路の冠水、見えない側溝、渋滞、立ち往生が重なると、車は安全な箱ではなく、逃げ遅れの原因になりやすいからです。

■① 危ないのは「車の方が速いから助かる」と考えることです

豪雨時に多い思い込みがこれです。

  • 車なら濡れない
  • 歩くより速い
  • 子どもや高齢者も乗せられる
  • とりあえず移動できる

でも実際には、

  • 冠水で止まる
  • 渋滞で進まない
  • 迂回路がふさがる
  • 視界が悪い
  • Uターンもしにくい

ということが起きます。

つまり、豪雨時の車は「速い避難手段」ではなく、止まった瞬間に弱い避難手段です。

■② 助かる判断基準は「今、安全に車で抜けられるか」ではなく「そもそも車を出す段階か」です

豪雨時に一番使いやすい判断基準はこれです。

今、安全に走れるかではなく、車を出す前の段階で避難できているか。

ここが遅れると、かなり危険です。

  • 雨が強くなってから動く
  • 周囲が冠水してから出る
  • 夜になってから車を使う
  • 逃げる人が増えてから出る

豪雨時は「運転技術」で何とかするより、車を出さなくていい段階で動く方が助かります。

■③ 一番危ないのは「少しの冠水なら行ける」と思うことです

元消防職員として言うと、豪雨時の車移動で本当に多い危険がこれです。

  • 浅そうに見える
  • 前の車が行ったから行ける
  • タイヤの半分くらいなら大丈夫そう
  • 少しだけなら抜けられる

この判断がかなり危ないです。

道路の水は、

  • 深さが見えない
  • 側溝や段差が見えない
  • 水流がある
  • 進んだ先がさらに深い

ということがあります。

しかも車は、床面を超える浸水で一気に危険が増します。
「少しだけ」が一発アウトになりやすいのが豪雨時の車です。

■④ 危ないのは「家族がいるから車しかない」と思い込むことです

子ども、高齢者、荷物があると、車を使いたくなります。
気持ちはよく分かります。
ただ、豪雨時は

  • 車なら安全
  • 車でないと避難できない

と決めつけると危険です。

本当に大事なのは、

  • もっと早く動けなかったか
  • 近くの安全な場所へ移れないか
  • 在宅避難や近隣高所避難が成立しないか

を先に見ることです。

車は最後の便利な手段ではなく、遅れた時ほど危険が増える手段です。

■⑤ 被災地でも多かったのは「戻ろうとして詰むこと」でした

被災地派遣やLOの経験でも多かったのは、

  • 車を移動させに戻る
  • 家族を迎えに戻る
  • 荷物を積みに戻る
  • もう一回だけ走ろうとする

という行動でした。

豪雨時は、一度判断が遅れると「戻る行動」がさらに危険になります。
車は便利だからこそ、手放しにくくて判断を遅らせることがあります。

■⑥ 助かるのは「車を使う前提」ではなく「車を使わない前提」も持つことです

豪雨時に強いのは、

  • 早めに避難する
  • 危険な場所に近づかない
  • 在宅避難が可能か確認する
  • 近くの高い場所を知っておく
  • 徒歩が安全な段階で動く

という考え方です。

つまり、車移動をうまくやることより、車を出さずに済む判断の方が助かることが多いです。

■⑦ 危ないのは「止まったら中で待てばいい」と考えることです

車が止まると、

  • 再始動しない
  • 水位が上がる
  • ドアが開けにくくなる
  • 外へ出るタイミングを失う

ということがあります。

豪雨時の車は、止まった後が本当に危険です。
だから大事なのは「止まってからどうするか」より、止まる場所へ入らないことです。

■⑧ 今日やるなら「豪雨時は車を出さない条件」を決めるのが正解です

今日すぐやるなら、ここだけで十分です。

  • 冠水が見えたら入らない
  • 夜の豪雨では車移動を控える
  • 警戒レベルが上がる前に動く
  • 危険を感じたら車より高い場所を優先する

大事なのは、運転で乗り切ることより、車を使わない判断基準を先に決めることです。

■まとめ

豪雨時に車で移動すると危険です。
特に、「まだ走れる」「少しの冠水なら行ける」という判断は、立ち往生や逃げ遅れにつながりやすいです。

判断基準は、「車なら行けるか」ではなく「そもそも車を出す段階か」です。
豪雨時は、車で何とかするより、早めに動く、車を出さない、危険な道路へ入らない方が助かります。

国土交通省|水深が床面を超えたら、もう危険!-自動車が冠水した道路を走行する場合に発生する不具合について-

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