【元消防職員が解説】防火管理者は何をすべきか|最低限やるべき業務とやらなくていいこと

防火管理者になった時、
「結局、何をやればいいのか」
「全部自分でやらないといけないのか」
「どこまでが防火管理者の仕事で、どこからが管理権原者の責任なのか」
と迷う人は少なくありません。

結論から言えば、防火管理者で最も大切なのは、“何でも一人で抱え込むこと”ではなく、“消防計画を軸に、訓練・点検・火気管理・避難管理を回すこと”です。
消防庁は、消防法に基づく防火管理制度について、多数の人が出入り・勤務・居住する建物では、管理権原者が自主防火管理体制の中核となる防火管理者を選任し、防火管理上必要な業務を行わせる必要があると示しています。防火管理者の責務としては、消防計画の作成、消火・通報・避難訓練の実施、施設・設備の維持管理、火気使用・取扱いの監督、収容人員の管理、その他防火管理上必要な業務が挙げられています。東京消防庁も、防火管理者は防火管理業務の推進責任者であり、必要に応じて管理権原者に指示を求め、誠実に職務を遂行する立場だと案内しています。 oai_citation:0‡消防庁

元消防職員として率直に言えば、防火管理者で一番危ないのは、
「全部を自分だけで回さないといけない」と思って動けなくなること
です。
東日本大震災当時に東京で被災し、その後の被災地派遣やLO対応でも強く感じたのは、防火管理で本当に大切なのは、立派な書類を増やすことより、火災時に人が迷わない状態を平時に作っておくことだということです。だから、防火管理者の仕事は「何でもやる人」ではなく、防火の仕組みを回す人として考える方が現実的です。

■① 最初に押さえたいのは「防火管理者は推進責任者」だということ

東京消防庁は、防火管理者について、防火管理業務の推進責任者であり、防火管理に関する知識を持ち、管理的または監督的な地位にある人でなければならないと示しています。 oai_citation:1‡東京都交通局辞書

つまり、防火管理者は
全部を一人で作業する人
ではなく、
必要な防火管理業務を進める責任を持つ人
です。

防災士として言えば、防火管理者で大切なのは
雑務を全部抱えること
ではなく、
必要なことが抜けないように回すこと
です。
元消防職員としても、ここを誤解すると、書類作りばかりで現場が止まりやすいです。

■② 最低限やるべき中心は「消防計画」を作って回すこと

消防庁と東京消防庁は、防火管理者の責務としてまず
防火管理に係る消防計画の作成
を挙げています。 oai_citation:2‡消防庁

消防計画には、実務上、
・火災予防の体制
・通報、初期消火、避難誘導の役割
・訓練
・点検
・火気管理
などの考え方を落とし込みます。

防火管理者として現実的に見るなら、
消防計画は提出用の紙
ではなく、
火災時に誰がどう動くかを決める土台
です。
元消防職員としても、防火管理が機能している建物は、消防計画が現場の動きにつながっています。

■③ 訓練は「年に一回やる行事」ではなく「動ける確認」

消防庁は、防火管理者の責務として
消火、通報及び避難訓練の実施
を示しています。 oai_citation:3‡消防庁

つまり、防火管理者が最低限やるべきことの一つは、
訓練を回すこと
です。

ただ、防災士として率直に言えば、訓練で一番大切なのは
実施した回数
ではなく、
火災時に迷うポイントが減るか
です。
元消防職員としても、
・誰が119番するか
・誰が初期消火へ行くか
・誰が避難誘導するか
が曖昧なままの訓練では、実際の火災時に止まりやすいです。

■④ 点検・設備管理は「自分で全部直すこと」ではない

東京消防庁は、防火管理者の責務として
消防用設備等の点検・整備

避難または防火上必要な構造及び設備の維持管理
を挙げています。 oai_citation:4‡東京都交通局辞書

ここで大事なのは、
防火管理者が自分で修理工事をする
という意味ではないことです。

防火管理者として現実的に必要なのは、
・点検時期を把握する
・不備を放置しない
・業者や管理権原者とつなぐ
・避難障害をなくす
ことです。

元消防職員として率直に言えば、点検管理で一番大切なのは
全部を自分で直すこと
ではなく、
異常を拾って止めないこと
です。

■⑤ 火気管理は「注意喚起」だけでは足りない

消防庁は、防火管理者の責務として
火気の使用、取扱いの監督
を示しています。 oai_citation:5‡消防庁

つまり、防火管理者は、
・ストーブ
・厨房設備
・電熱機器
・喫煙管理
など、火気や発火危険のある行為を放置しない必要があります。

防災士として言えば、火気管理で大切なのは
気をつけてくださいと貼ること
だけではなく、
危険な使い方が続いていないかを見ること
です。
元消防職員としても、火災は「知らなかった」より「見慣れてしまった」で起きやすいです。

■⑥ 収容人員の管理は地味だがかなり重要

消防庁・東京消防庁は、防火管理者の責務として
収容人員の管理
も挙げています。 oai_citation:6‡消防庁

これは、
・どれだけの人がいる建物か
・避難に時間がかかる人がいるか
・定員や使い方が変わっていないか
を把握することにつながります。

防火管理者として現実的に見ると、
人の使い方が変われば、避難や初期対応も変わります。
元消防職員としても、人数や利用形態を軽く見ると、避難計画が現場に合わなくなりやすいです。

■⑦ やらなくていいことは「全部を一人で抱え込むこと」

ここはかなり重要です。

消防庁資料でも、防火管理者は必要に応じて管理権原者に指示を求め、誠実にその職務を遂行すると整理されています。 oai_citation:7‡消防庁

つまり、防火管理者は
何でも単独で決裁、修理、予算化する立場
ではありません。

やらなくていいこととしては、
・修繕費を自分だけで抱えること
・工事判断を勝手に決めること
・全ての点検作業を自分で行うこと
・現場の全責任を一人で背負うこと
です。

元消防職員として率直に言えば、防火管理者で一番つらくなるのは
責任範囲を広げすぎること
です。
実際には、管理権原者、設備担当、委託業者、現場職員と回す方が現実的です。

■⑧ 被災地経験から見ても「平時の整理」が火災時の差になる

被災地派遣やLO対応で強く感じたのは、
火災でも災害対応でも、
平時に役割が整理されている建物は初動が早い
ということです。

たとえば、
・受信機を見る人
・119番する人
・初期消火へ向かう人
・避難誘導する人
が平時から決まっているだけで、かなり違います。

元消防職員として率直に言えば、防火管理者の仕事で本当に価値があるのは
書類をそろえること
だけでなく、
現場で迷わない状態を作ること
です。

■⑨ まとめ

防火管理者で最も大切なのは、“何でも一人で抱え込むこと”ではなく、“消防計画を軸に、訓練・点検・火気管理・避難管理を回すこと”です。
消防庁は、消防法に基づく防火管理制度について、多数の人が出入り・勤務・居住する建物では、管理権原者が自主防火管理体制の中核となる防火管理者を選任し、防火管理上必要な業務を行わせる必要があると示しています。防火管理者の責務としては、消防計画の作成、消火・通報・避難訓練の実施、施設・設備の維持管理、火気使用・取扱いの監督、収容人員の管理、その他防火管理上必要な業務が挙げられています。東京消防庁も、防火管理者は防火管理業務の推進責任者と位置づけています。 oai_citation:8‡消防庁

元消防職員として強く言えるのは、防火管理者で一番大切なのは
全部を自分でやること
ではなく、
火災時に人が迷わない仕組みを回すこと
だということです。
迷ったら、
・まず消防計画
・次に訓練
・点検と火気管理を止めない
この順で考えるのが一番現実的です。

出典:消防庁「防火管理制度等の概要」

参考:東京消防庁「『管理権原者』とは・『防火管理者』とは」

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