地震によるケガの約8割は、
建物の倒壊ではなく「家の中の事故」が原因です。
家具の転倒、ガラスの破片、落下物。
これらは、事前に対策していれば防げるケガでもあります。
地方自治体の消防・防災担当者としての現場経験をもとに、
家の中で特に危険な場所ベスト5を、具体的な対策とともに解説します。
■① 寝室(家具の転倒・ガラス)
日本で地震が多い時間帯は「夜間・早朝」。
つまり、寝ているときが最も無防備です。
・タンスや本棚が倒れる
・窓ガラスが割れる
・落下物で頭部を負傷する
対策
・枕元に家具を置かない
・ベッド横にスリッパと懐中電灯を置く
・窓ガラスに飛散防止フィルムを貼る
寝室を安全にすることは、そのまま命を守る対策です。
■② キッチン(刃物・食器・火災)
地震で最も「物が飛ぶ」場所がキッチンです。
・包丁が飛ぶ
・食器棚が開いて中身が落ちる
・ガスコンロの火がついたまま揺れる
・冷蔵庫が動く
対策
・食器棚に耐震ロックを付ける
・包丁は必ず収納する
・揺れを感じたら火を止める意識を持つ
・冷蔵庫の下に滑り止めを敷く
キッチンは「凶器が集まる場所」と考えてください。
■③ 玄関(唯一の出口が塞がれる)
倒れた靴箱、鏡、荷物によって
玄関が塞がれるケースは非常に多いです。
玄関が使えない=家の外に逃げられません。
対策
・玄関に物を積まない
・高い棚や不安定な家具を置かない
・非常用のスニーカーを必ず置く
「出口の確保」は、避難の大前提です。
■④ 子ども部屋(棚・窓・おもちゃ)
一見片付いていても、子ども部屋には特有の危険があります。
・背の高い棚が倒れる
・窓ガラスが割れる
・おもちゃでつまずく
対策
・棚や家具は必ず固定する
・カーテンでガラス飛散の危険を減らす
・夜でも片付けやすいレイアウトにする
子どもは、とっさの判断が難しいことを前提に対策しましょう。
■⑤ 廊下・ホール(避難経路が使えなくなる)
廊下は安全と思われがちですが、
実は避難を妨げる危険が集中します。
・本棚が倒れる
・写真立てや飾りが落ちる
・停電時に割れたガラスを踏む
対策
・廊下には物を置かない
・飾り棚や不安定な家具を置かない
・夜間用の足元ライトを設置する
避難経路は「常に通れる状態」にしておくことが重要です。
■重要な考え方
大事なのは、
家全体を完璧にすることではありません。
「人が過ごす場所」だけを安全にすること。
・寝室
・キッチン
・玄関
・子ども部屋
・廊下
この5か所を整えるだけで、
地震時のケガは大幅に減らせます。
■まとめ
・家の中で一番危険なのは寝室
・キッチンは刃物と火災に注意
・玄関が塞がると避難できない
・子ども部屋は転倒物対策が必須
・廊下は避難経路として確保する
防災は「片付けること」ではありません。
倒れない・割れない・塞がれない。
これが、家族を守る住まい防災の基本です。

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