【元消防職員・防災士が解説】防災×首都直下地震|「想定被害480万人避難」が意味する本当の危険

政府が公表した首都直下地震の新たな被害想定では、
避難者数が最大480万人に達するとされています。

この数字は衝撃的ですが、
本当に注目すべきなのは「人数」そのものではありません。

なぜ、これほど多くの人が避難を余儀なくされるのか
そこに首都直下地震の本質的な危険があります。


■① 480万人避難は「避難できた人数」ではない

まず理解しておくべき点があります。

この480万人は、
・安全に避難できた人
・余裕をもって避難した人

ではありません。

・自宅で生活できなくなった
・在宅避難が破綻した
・やむを得ず移動した

こうした人たちの合計です。

つまり、
都市機能が止まった結果として生まれる避難者数
なのです。


■② 首都直下地震が都市生活を直撃する理由

首都圏は、
災害に弱い構造をいくつも抱えています。

・人口密度が極端に高い
・ライフライン依存度が高い
・集合住宅が多い
・通勤・通学による人の滞留

地震そのものよりも、
都市機能停止による生活不能
が最大の脅威になります。


■③ 発災直後より「数日後」が危険な理由

被害想定では、
避難者数のピークは
発災から約2週間後とされています。

これは、

・断水・停電の長期化
・トイレ・衛生環境の悪化
・物資不足
・暑さ・寒さによる健康被害

が時間とともに積み重なるためです。

最初は耐えられても、続かない
これが都市型災害の特徴です。


■④ マンション・戸建てを問わない共通リスク

首都直下地震では、
建物の種類に関係なく問題が発生します。

・マンション:トイレ・エレベーター・給水
・戸建て:倒壊・火災・道路寸断

「自分の家は大丈夫」という発想は、
生活面のリスクを見落とします。


■⑤ 避難所が足りないのは前提条件

480万人が避難すると仮定すると、
当然ながら避難所は足りません。

・満員
・物資不足
・運営人員不足

この状況は、
計画上すでに想定されています。

つまり、
避難所に行けば安心、という前提自体が成り立たない
のです。


■⑥ 首都直下地震に備えて個人が取るべき視点

重要なのは、
「どこに行くか」ではありません。

・どこまで耐えられるか
・いつ切り替えるか
・複数の選択肢を持っているか

在宅避難・避難所・親族宅など、
複線型の避難戦略が必要です。


■⑦ まとめ|首都直下地震対策は「生活停止」を前提にする

首都直下地震は、
単なる揺れの問題ではありません。

・生活が止まる
・都市が機能しなくなる
・人が動かざるを得なくなる

この現実を前提に備えることが、
唯一の対策です。

480万人避難という数字は、
都市防災の限界を示す警告

今、平時のうちに
「生活が止まったらどうするか」
を考えておくことこそが、
命を守る防災なのです。

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