台風や大雨が近づくと、「車を守りたい」気持ちは自然です。実際、水害は一度でも浸水すると修理費が跳ね上がり、生活の足(通勤・通院・買い出し)も止まります。
ただし、立体駐車場に入れれば安心…ではありません。浸水・強風・停電・入口冠水・機械式の停止など、選び方とタイミングを間違えると車も人も危険になります。
ここでは「命を守りながら車も守る」ために、立体駐車場への避難を成功させるポイントを8つに整理します。
■① まず大前提|命>車(危険なら移動しない)
台風の接近時は、時間がたつほど道路状況が悪化し、車の移動そのものがリスクになります。
冠水路面に入ると、エンジン停止・ドアが開かない・流される危険が一気に上がります。避難情報が出ている、風雨が強い、すでに水が溜まり始めている――この状況なら車は置いて避難を優先してください。
車を守る行動は「安全に動ける早い段階でだけ」成立します。
■② 判断の土台|自宅と候補駐車場の浸水リスクを先に確認する
立体駐車場に移す前に確認すべきは2つです。
1つ目は「自宅周辺がどれくらい浸水し得るか」。2つ目は「駐車場の場所が浸水し得る区域か」です。
同じ“立体”でも、立地が低ければ入口が先に冠水して出入り不能になります。逆に、浸水想定が低い場所なら、上階に上げるだけで被害を大きく減らせます。
この“場所選び”が9割です。
■③ 立体駐車場の選び方①|入口・周辺道路が先に沈む所は避ける
狙うべきは「建物が高い」より「入口まで安全に到達できる」立体駐車場です。
入口がアンダーパスの近く、川沿い、低地、坂の下にある場所は、建物自体が無事でも“入口だけ”が先に冠水して詰みます。
避難させたのに車を取りに行けない、車を出せず仕事や通院に影響が出る、という形で生活が崩れます。
■④ 立体駐車場の選び方②|機械式(タワー式・昇降式)は停電リスクを想定する
機械式は上に上げられても、停電・故障・浸水で「出庫できない」リスクがあります。
台風は停電を連れてきます。復旧まで数日かかると、車が必要な家庭ほど困ります。
可能なら、停電でも物理的に出入りできる自走式(スロープで上がるタイプ)を優先し、機械式を使うなら「取り出せなくても困らない期間」を考えて決めましょう。
■⑤ 上階に置くコツ|“最低でも2階以上”+壁際を避ける
一般論として、浸水を避ける目的なら地上階や1階は避け、2階以上に上げる意識が安全側です。
加えて、強風で飛来物が当たるリスクもあるため、外周の壁際・開口部に近い場所は避け、できるだけ内側の区画に入れます。
台風は「水」と「風」の両方が敵です。水害対策だけで満点にしないことが大切です。
■⑥ タイミングが命|移動は“雨が本格化する前日〜早い時間帯”に終える
車の避難は、やるなら早い段階で終わらせます。
雨が強くなってから動くと、見えない段差や冠水を踏んで一発アウトになりやすいです。
被災地派遣の現場でも「判断が遅れて車が動かせなくなった」ケースは何度も見ました。人は“まだ大丈夫”と思いがちですが、道路はある瞬間から一気に危険側に振れます。早めに完了させるのが正解です。
■⑦ 移動前にやること|車内と書類の“水害モード”準備
立体駐車場に避難させても、取り出せない・しばらく使えない可能性は残ります。そこで、移動前に最低限これをやってください。
・車内の貴重品、充電器、非常用ライト、薬などを持ち出す
・保険証券(自動車保険)と連絡先をスマホで確認できる状態にする
・車の外観・メーター周りを写真で残す(後の手続きが楽になります)
・ガソリンを余裕のある段階で入れておく(台風前は混みます)
「車を守る」だけでなく、「車が使えない時に困らない」準備が生活を守ります。
■⑧ ありがちな誤解と運用ルール|家族で短く決める
誤解されがちポイントは、「立体駐車場=絶対安全」ではないことです。
入口冠水、停電で出庫不能、機械式停止、強風による飛来物――この罠は普通にあります。だからこそ、家庭内のルールを短く決めておくと迷いません。
・移動判断は“雨が強くなる前まで”
・候補は事前に2つ決める(満車対策)
・機械式に入れるなら「数日出せなくてもOK」な前提で
・危険を感じたら車は諦めて避難優先
災害時は判断の負荷が跳ね上がります。短いルールが、家族を守る実装になります。
■まとめ|台風前の車避難は「場所・方式・タイミング」で決まる
台風で車を守るには、立体駐車場に入れること自体よりも、「浸水しにくい場所を選ぶ」「停電で出せない方式を避ける」「雨が本格化する前に終える」の3点が核心です。
結論:
立体駐車場への車避難は“早めの判断と安全な選び方”ができた時だけ有効で、危険なら車より命を守るのが正解です。
被災地派遣の現場でも、車を守ろうとして遅い時間に動き、危険な冠水路に入ってしまったケースは本当に多かったです。車は買い替えられますが、命と家族の安心は取り戻せません。安全にできる範囲で、勝てる手を打ちましょう。
出典:ハザードマップポータルサイト(浸水想定区域・浸水深の確認)https://disaportal.gsi.go.jp/

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