【防災士が解説】命と住まいを守るために知っておくべきこと|防災×住宅地震火災対策

大規模地震の発生後、
多くの命とまちを奪ってきたのが「地震火災」です。

揺れが収まった後に発生し、
避難や救助を困難にする地震火災は、
事前の備えで被害を大きく減らせる災害でもあります。


■① 地震火災とは何か

地震火災とは、
地震の揺れをきっかけに発生する火災のことです。

過去の大地震では、
生活様式の変化とともに出火原因も変化してきました。

・関東大震災:かまど・七輪などの火気
・新潟地震:ガス・石油機器
・近年の大地震:電気に起因する火災が増加

現在の住宅火災では、
「電気火災」が大きな割合を占めています。


■② 近年の教訓:能登半島地震と地震火災

令和6年能登半島地震では、
石川県輪島市で大規模な火災が発生しました。

出火原因は特定されていませんが、
電気に起因した火災の可能性が指摘されています。

この教訓を踏まえ、
消防庁では地震火災対策の強化を進めています。


■③ 地域全体で進める地震火災対策

地域における火災予防の推進

地震火災を防ぐためには、
家庭単位だけでなく、地域全体での取組が重要です。

・家具転倒防止対策
・耐震自動消火装置付き火気設備の普及
・住宅用火災警報器、防炎品、住宅用消火器の設置
・消火器を使った初期消火訓練
・DIG(災害図上訓練)等による防災教育

実災害時には、
自らの安全を最優先に行動することが重要である点も、
訓練時からしっかり共有しておく必要があります。


■④ 電気に起因する地震火災への対策

近年の地震火災対策で特に重要なのが、
感震ブレーカーの普及です。

感震ブレーカーは、
地震の揺れを感知して自動的に電気を遮断し、
通電火災を防ぐ装置です。

・木造密集市街地
・津波浸水想定区域

など、延焼リスクが高い地域では、
重点的な普及が求められています。


■⑤ 地震火災を防ぐための時系列対策

① 事前の対策(日頃の備え)

・感震ブレーカーの設置
・住宅の耐震性の確保
・家具の転倒防止(固定)
・暖房機器周辺の整理整頓
・安全装置付き家電・燃焼機器の使用
・分電盤機能の充実(漏電・短絡対策)


② 地震直後・停電時の対応

・家電のスイッチを切る
・電源プラグを抜く
・避難時はブレーカーを落とす


③ 再通電時の注意点

・配線や家電に損傷がないか確認
・可燃物が近くにないか確認
・再通電後しばらくは室内で異常を監視

煙や異臭を感じた場合は、
すぐにブレーカーを落とし、消防機関へ連絡しましょう。


■⑥ 火災の早期覚知と初期消火

地震火災対策では、
「早く気づき」「小さいうちに消す」ことが重要です。

・住宅用火災警報器の設置
・住宅用消火器、簡易消火具の備え

阪神・淡路大震災では、
消火器による初期消火の成功率が最も高かったとされています。


■⑦ 数字が示す初期消火と電気火災対策の効果

内閣府の試算では、

・電気火災対策 → 焼失棟数が約1/2
・初期消火成功率向上 → 焼失棟数が約1/20

まで減らせるとされています。

これは、
一人ひとりの備えが被害全体を左右することを示しています。


■⑧ まとめ:地震火災は「防げる災害」

地震火災は、
揺れの大きさだけで決まる災害ではありません。

・事前の備え
・地震直後の行動
・再通電時の注意
・初期消火の有無

これらの積み重ねで、
被害は大きく変わります。

命と住まいを守るために、
今日できる備えから、着実に進めていきましょう。

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