【防災士が解説】夏の地震で避難所の睡眠確保はどうする?眠れない夜に崩れにくい判断基準

夏に地震が起きて避難所生活になると、つらさの中心は暑さだけではありません。実際には、暑さ、汗、音、光、人の気配、不安、寝具不足が重なって、眠れないことそのものが体力を削りやすくなります。厚生労働省の「避難所生活を過ごされる方々の健康管理に関するガイドライン」でも、避難所ではまず休息や睡眠をできるだけ取ってもらうことが大切で、不眠が続く場合は声かけや相談につなぐ必要があると示されています。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000805637.pdf

だからこそ大切なのは、「眠れなくても仕方ない」と考えないことです。夏の避難所では、眠れるかどうかが翌日の暑さへの耐え方や判断力にかなり影響します。この記事では、夏の地震で避難所にいる時の睡眠確保を、家庭で判断しやすい形で整理して解説します。

■① 最初に考えるべきことは「寝る準備」より「眠れない原因を減らせるか」

結論から言うと、最初に考えるべきことは、寝具をそろえることだけではなく、眠れない原因をどこまで減らせるかです。

夏の避難所で眠れなくなる原因は、暑さ、汗、床の硬さ、周囲のいびきや会話、照明、トイレ不安、不安感など、いくつも重なりやすいです。内閣府の避難所に関する資料でも、簡易ベッドや段ボールベッド、間仕切り、寝具やリネンの確保、衛生環境の整備など、人が安心・安全に睡眠をとり、体を休める環境づくりが必要だと示されています。
https://www.bousai.go.jp/taisaku/hinanjo/r6_setsumeikai/pdf/sanko_shiryo1.pdf

元消防職員として感じるのは、被災地で体を弱らせるのは「一晩まったく眠れないこと」だけではなく、「浅い眠りが続くこと」だという点です。だから、睡眠確保では一つの対策で全部を解決しようとするより、原因を一つずつ減らす方が現実的です。

■② 夏の避難所で最初に整えたい睡眠確保チェックリスト

夏の避難所で睡眠を確保するには、次の順番で考えると整理しやすいです。

・熱がこもりにくい場所を選ぶ
・できるだけ風が通る位置を選ぶ
・汗を拭く、着替える
・夜の水分を少しずつ取る
・トイレ位置を確認して不安を減らす
・床の硬さをやわらげる物を使う
・目隠しや間仕切りがあれば活用する
・耳栓やタオルで音の刺激を減らす
・強い光を避ける
・高齢者や子どもの様子を先に見る

厚生労働省は、避難所生活では休息や睡眠を意識して取ることが大切で、不眠や食欲低下が続く場合は相談や声かけが必要だとしています。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000805637.pdf

■③ 一番優先したいのは場所選び

夏の避難所では、どこで寝るかがかなり大きいです。

西日が残りやすい場所、人の出入りが多い場所、トイレ動線の近く、照明が強い場所、空気がこもる場所は、夜も眠りにくくなりやすいです。逆に、少しでも風が通る、落ち着きやすい、光や人の動きが少ない場所は、それだけでかなり違います。

私なら、寝具を整える前に「ここで一晩過ごして眠れそうか」を見ます。被災地でも、同じ避難所の中で、場所の差がそのまま睡眠の差になっていました。

■④ 汗をそのままにしないことがなぜ大事なのか

汗をかいたままだと、暑さだけでなく不快感と汗冷えが重なりやすいからです。

厚生労働省のガイドラインでは、避難所生活で清潔を保つ工夫として、タオル等で体を拭くことが示されています。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000805637.pdf

夏の避難所では、夜になっても汗でべたついて眠れないことがあります。被災地でも、全部の着替えがなくても、汗を拭いて下着やTシャツを替えられるだけで、眠りやすさはかなり違いました。だから、睡眠確保では「布団」より先に「汗を切り替えられるか」を見た方が現実的です。

■⑤ 床の硬さ対策は本当に必要か

はい。かなり必要です。

内閣府の資料では、簡易ベッドや段ボールベッドの導入によって、体が楽になった、立ち上がりやすくなった、良く眠れるようになったという評価が示されています。
https://www.bousai.go.jp/jishin/noto/taisaku_wg_02/pdf/siryo4_1_5.pdf

つまり、夏の睡眠確保でも「暑さ」だけを見ない方がよいです。床の硬さ、体の痛み、立ち上がりにくさは、睡眠の質をかなり下げます。私なら、敷物、クッション、段ボール、マットなど、少しでも体を浮かせる工夫を入れることをおすすめします。

■⑥ 音と光はどう減らすべきか

避難所では、完全に静か・真っ暗は難しいので、刺激を少しでも減らす考え方が現実的です。

タオルを目元にかける、帽子を深めにかぶる、耳栓やイヤーマフの代わりにタオルを使う、照明から少し離れる、といった小さな工夫でも違います。厚生労働省のガイドラインでは、休息や睡眠をできるだけ取れるよう環境面に配慮することが重要だとされています。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000805637.pdf

元消防職員としては、避難所では「静かになるのを待つ」より「自分側で刺激を減らす」方が現実的だと感じます。

■⑦ 高齢者や子どもは何を変えるべきか

高齢者や子どもは、先に眠りやすい条件を作ってあげる方が安全です。

高齢者は床の硬さや冷え、夜間トイレで眠りが分断されやすく、子どもは暑さや不安、音で寝つきにくくなることがあります。厚生労働省は、避難所で休息や睡眠を確保すること、不眠や食欲低下が続く場合に気づいて支えることが大切だとしています。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000805637.pdf

被災地でも、「眠れていないのに我慢している」人ほど、翌日に食欲や元気が落ちやすかったです。だから、家族の中で一番弱い立場の人を基準に、場所や寝具を考える方が現実的です。

■⑧ 迷った時の判断基準

迷ったら、次の順番で考えてください。

「ここは熱がこもりすぎていないか」
「汗や不快感を切り替えられているか」
「床の硬さや音・光を少しでも減らせているか」
「高齢者や子どもが眠れないまま我慢していないか」

この4つがそろっていれば、夏の避難所での睡眠確保としてはかなり実用的です。防災では、完璧に眠ることより「眠れない原因を減らすこと」の方が大切です。

■まとめ

夏の地震で避難所にいる時の睡眠確保で大切なのは、「眠れるかどうかは仕方ない」とあきらめないことです。厚生労働省は、避難所生活では休息や睡眠をできるだけ取ることが大切だと示しており、内閣府の資料でも、簡易ベッド、間仕切り、寝具や衛生環境の整備など、人が安心・安全に睡眠をとり体を休める環境が必要だとされています。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000805637.pdf
https://www.bousai.go.jp/taisaku/hinanjo/r6_setsumeikai/pdf/sanko_shiryo1.pdf

私なら、夏の避難所の睡眠確保で一番大事なのは「眠れるまで我慢すること」ではなく「眠れない原因を一つずつ減らすこと」だと伝えます。被災地でも、場所、汗、床の硬さ、この3つを少し変えるだけでかなり違いました。だからこそ、まずは場所、汗の処理、体を浮かせる工夫。この3つから先に整えるのがおすすめです。

出典:https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000805637.pdf(厚生労働省「避難所生活を過ごされる方々の健康管理に関するガイドライン」)

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