【防災士が解説】夏の熱中症から避難中に日焼け止めは必要?塗る優先順位を間違えない判断基準

夏に地震や豪雨で避難する時、日焼け止めは「美容のための物」と思われがちです。ですが、避難が長引くと、屋外移動、受付待機、給水の列、片付けなどで日差しを受ける時間が増えます。一方で、日焼け止めは熱中症そのものを直接防ぐ主役ではありません。環境省の紫外線環境保健マニュアルでも、日焼け止めは「長時間日光に当たっても大丈夫にする物」ではなく、紫外線を避けられない時に防止効果を高める物とされています。
https://www.env.go.jp/content/900410650.pdf

つまり、夏の避難中の日焼け止めで大切なのは、「とりあえず塗ること」ではなく、帽子・服・日陰を優先したうえで、避けきれない日差しを補うことです。避難では暑さと紫外線の両方を受けるため、日焼け止めを過信せず、熱中症対策と一緒に考える方が現実的です。

■① まず結論として、日焼け止めで最優先にすべきことは何か

結論から言うと、最優先にすべきことは、日差しを受け続ける前に、露出部分を減らし、その補助として日焼け止めを使うことです。

日焼け止めを塗っていても、炎天下に長くいれば暑さは防げません。環境省の資料でも、日焼け止めは紫外線防御を高める物であり、日光を長時間浴びても大丈夫にする物ではないとされています。だから、避難中は「塗ったから安心」ではなく、「帽子・日陰・水分補給を回したうえで塗る」が安全です。

元消防職員として感じるのは、被災地で危ないのは「日焼け止めがないこと」だけではなく、「塗っているから大丈夫」と思って日差しの中に長くいることです。私なら、夏の避難では
まず帽子、次に日陰、最後に日焼け止め、
この順で考えます。

■② なぜ避難中に日焼け止めを考える必要があるのか

理由は、日差しによる皮膚の負担が、避難中の消耗を増やしやすいからです。

日焼けそのものは紫外線による皮膚障害で、暑さそのものとは別です。ただ、夏の避難では暑さ、汗、紫外線、疲労が重なるため、皮膚のヒリつきや不快感が増えると、休息や睡眠、着替えのしやすさにも影響しやすくなります。

被災地派遣の現場でも、夏は「暑さだけ」でなく、「肌が焼けて痛い」「汗でしみる」といった不快感がじわじわ効くことがありました。だから、日焼け止めはぜいたく品ではなく、長引く避難では体力温存の補助になります。

■③ 日焼け止めはどんな場面で優先して使うべきか

優先して使いたいのは、屋外移動、屋外待機、給水や配布で並ぶ時、片付け作業が長引く時です。

つまり、「外に少し出るだけ」より、「直射を受ける時間が読めない場面」で使いやすいです。特に顔、首、耳、腕、足の甲などは避難中でも焼けやすいので、そこを先に守る方が現実的です。

私なら、避難所の中でずっと過ごす前提なら優先度は下がりますが、外へ出る可能性が高いなら避難袋の上の方に入れます。

■④ 日焼け止めを塗れば帽子や長袖はいらないのか

そこはかなり注意が必要です。日焼け止めだけで日差し対策を済ませない方が安全です。

環境省の資料では、日焼け止めはあくまで防御効果を高める物であり、それだけで長時間の日光ばく露を安全にする物ではないとされています。だから、帽子、服、日陰の活用の方が先です。

私なら、日焼け止めは「最後の一枚を足す物」と考えます。被災地でも、帽子もなく炎天下で動けば、塗っていてもかなり消耗します。だから、日焼け止めは主役ではなく補助です。

■⑤ 敏感肌や子どもではどう考えるべきか

敏感肌や子どもでは、使える物を無理なく使う方が現実的です。

環境省の紫外線資料では、日焼け止めにはさまざまな種類があり、子ども用や敏感肌向けでは紫外線散乱剤中心の製品が多いことが紹介されています。つまり、肌が弱い人では「強そうな物をとにかく塗る」より、「自分や子どもに合う物を普段から決めておく」方が安全です。

私なら、子どもや敏感肌の人では、日焼け止めだけに頼らず、帽子や薄手の羽織りも一緒に回します。その方が肌トラブルを減らしやすいです。

■⑥ 汗をかく避難では塗り直しも必要なのか

はい。汗をかなりかくなら、塗り直し前提で考えた方がよいです。

日焼け止めの防御効果は、適切な使用で決まると環境省の資料でも示されています。つまり、一度塗れば終わりではなく、汗や拭き取りで落ちることを前提に見た方が現実的です。

被災地でも、汗を何度も拭く夏場は、顔や首の保護は持続しにくいです。私なら、「朝塗ったから大丈夫」ではなく、「外に出る前にもう一度見る」くらいで考えます。

■⑦ 日焼け止めでやってはいけないことは何か

一番避けたいのは、日焼け止めを塗った安心感で、暑い場所に長く居続けることです。

もう一つは、肌に合わないのに無理に使い続けることです。避難中は汗や汚れで肌が弱りやすく、かえってかゆみや荒れがつらくなることもあります。私なら、「塗ること」が目的になるより、「日差しを減らす全体の一部」として使います。その方が無理がありません。

■⑧ 迷った時の判断基準

迷ったら、次の順番で考えてください。

「今は日差しを受ける場面か」
「帽子や服で先に守れているか」
「その補助として日焼け止めを使えているか」
「塗ったことで暑い場所に居続けようとしていないか」

この4つが整理できれば、夏の避難中の日焼け止めの使い方としてはかなり現実的です。防災では、「塗るか塗らないか」より「塗り方と優先順位を間違えないこと」の方が大切です。

■⑨ まとめ

夏の熱中症から避難中に身を守る日焼け止めで大切なのは、帽子・服・日陰を優先したうえで、避けきれない紫外線を補うことです。環境省の紫外線環境保健マニュアルでは、日焼け止めは「長時間日光を浴びても大丈夫にする物」ではなく、紫外線を避けられない時に防止効果を高める物とされています。

私なら、夏の避難で日焼け止めに一番期待するのは「全部守ってくれること」ではなく「避けきれない日差しの負担を少し減らすこと」だと伝えます。被災地でも、効いたのは一本で完結する物ではなく、帽子・日陰・水分と組み合わせた対策でした。だからこそ、まずは帽子、次に日陰、最後に日焼け止め。この順番で整えるのがおすすめです。

出典:https://www.env.go.jp/content/900410650.pdf(環境省「紫外線環境保健マニュアル」)

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