【防災士が解説】夏の熱中症から避難中に高齢者を守るには何を優先すべき?避難所で崩れない判断基準

夏に地震や豪雨で避難する時、高齢者対策で一番怖いのは、「本人が大丈夫と言っているから大丈夫」と考えてしまうことです。高齢者は若い人より暑さやのどの渇きを感じにくく、避難の疲れ、慣れない環境、トイレ不安が重なると、気づかないうちに熱中症へ近づきやすくなります。厚生労働省の「高齢者のための熱中症対策」では、高齢者は体内の水分が不足しやすく、暑さに対する調整機能も低下しやすいため、特に注意が必要と示されています。
https://www.mhlw.go.jp/content/001181473.pdf

さらに、内閣府・厚生労働省の「災害時の熱中症予防」では、災害時は慣れない環境や疲労で熱中症リスクが高まり、特に高齢者は注意が必要で、停電が長引く可能性がある場合には冷房設備が稼働している避難所への避難も検討するよう示されています。
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/pdf/nettyuu-saigaiji.pdf

つまり、夏の避難で高齢者を守るには、「避難できたか」より、避難した後に熱をためず、水を切らさず、無理をさせないことが大切です。この記事では、その判断基準を現実的な順番で整理して解説します。

■① まず結論として、高齢者対策で最優先にすべきことは何か

結論から言うと、最優先にすべきことは、涼しい場所の確保、こまめな飲水、見守りの3つです。

高齢者は自分から「暑い」「しんどい」「飲みたい」と言わないことがあります。しかも、避難所では遠慮も入りやすく、我慢が長引きやすいです。だから、「本人任せ」にしない方が安全です。

元消防職員として感じるのは、高齢者の熱中症は「急に倒れる」より、「少し元気がない」「食べない」「動きたがらない」が先に出ることが多いという点です。私なら、夏の避難では
①まず風の通る場所へ寄せる
②座ったらすぐ一口飲んでもらう
③その後も周りが声をかけ続ける
この順で動きます。

■② なぜ高齢者は避難中に熱中症になりやすいのか

理由は、暑さや渇きに気づきにくく、体の調整力も下がりやすいからです。

厚生労働省の高齢者向けリーフレットでも、高齢者は体内の水分が不足しやすく、暑さに対する体の調整機能が低下しやすいとされています。
https://www.mhlw.go.jp/content/001181473.pdf

つまり、「汗をかいていないから大丈夫」「本人が平気そうだから大丈夫」とは言いにくいです。被災地でも、高齢者は我慢強く見えて、あとから一気にしんどくなることがありました。だから、見た目だけで判断しない方が安全です。

■③ 避難所で最初に確認したいことは何か

最初に確認したいのは、次の4つです。

・今いる場所は暑すぎないか
・水分をすぐ飲めるか
・トイレが遠すぎないか
・体調変化を見てくれる人がいるか

この中でも特に大事なのは、場所と飲水です。高齢者はトイレを気にして飲む量を減らしやすいため、トイレの場所が分からないだけで飲水が遅れることがあります。私なら、避難所に入ったら先に席を決めるより、トイレと給水の動線を確認します。その方が後の我慢が減ります。

■④ 水分補給はどう促すべきか

高齢者には、のどが渇いてから飲むのではなく、周囲が声をかけて少しずつ飲んでもらう方が現実的です。

災害時の熱中症予防でも、のどが渇いていなくてもこまめに水分・塩分をとることが大切とされています。
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/pdf/nettyuu-saigaiji.pdf

被災地でも、「飲みましたか」と聞くより、「今ここで一口飲みましょう」と具体的に促した方が動きやすいことがありました。だから、高齢者には“自発性”より“声かけ”が大事です。

■⑤ 冷房のある避難所へ移す判断は早い方がいいのか

はい。暑さが強い時は早めの方が安全です。

内閣府・厚生労働省の災害時熱中症予防では、停電が長引く可能性がある場合、特に高齢者は冷房設備が稼働している避難所への避難も検討するよう示されています。
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/pdf/nettyuu-saigaiji.pdf

つまり、「まだ耐えられそう」で引っ張るより、「弱る前に移す」方が現実的です。私なら、高齢者では“限界まで頑張る”前提を置きません。夏は早めの移動の方が安全です。

■⑥ 服装や持ち物で気をつけたいことは何か

大切なのは、通気性の良い服、帽子、汗を拭ける物、薄手の羽織りです。

高齢者は暑さだけでなく冷えにも気づきにくいため、夏でも「脱げる」「羽織れる」の両方がある方が現実的です。汗を拭かずにそのままだと、不快感だけでなく体力も削りやすいです。

私なら、高齢者の避難では「涼しい服を着せる」だけでなく、「汗をかいたあとに切り替えられる」ことまで考えます。その方が避難所で持ちこたえやすいです。

■⑦ どんな症状が出たら危ないのか

注意したいのは、だるい、食欲がない、反応が鈍い、ぼんやりする、ふらつくといった変化です。

高齢者は典型的な「暑い、苦しい」という訴えが弱いことがあります。だから、「なんとなく元気がない」を軽く見ない方が安全です。被災地でも、会話が少なくなったり、座ったまま動かなくなったりするのが先に見えることがありました。

私なら、高齢者では「症状がはっきり出てから」ではなく、「いつもと違う」で早めに見るようにします。

■⑧ 迷った時の判断基準

迷ったら、次の順番で考えてください。

「今いる場所は高齢者にとって暑すぎないか」
「のどが渇いていなくても飲めているか」
「トイレ不安で我慢していないか」
「周囲が体調変化に気づける状態か」

この4つがそろっていれば、夏の避難での高齢者対策としてはかなり現実的です。防災では、「本人が平気と言うか」より「周囲が早く支えられるか」の方が大切です。

■⑨ まとめ

夏の熱中症から避難中に高齢者を守るには、涼しい場所の確保、こまめな飲水、周囲の見守りが最優先です。厚生労働省の「高齢者のための熱中症対策」では、高齢者は体内の水分が不足しやすく、暑さへの調整機能も低下しやすいため、特に注意が必要とされています。内閣府・厚生労働省の「災害時の熱中症予防」でも、災害時は高齢者が特に危険で、冷房設備が稼働している避難所への避難も検討するよう示されています。
https://www.mhlw.go.jp/content/001181473.pdf
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/pdf/nettyuu-saigaiji.pdf

私なら、夏の避難で高齢者を守る時に一番大事なのは「本人の我慢に任せないこと」だと伝えます。被災地でも、高齢者は静かに弱ることがありました。だからこそ、まずは涼しい場所、次に一口の飲水、最後に見守り。この順番で整えるのがおすすめです。

出典:https://www.mhlw.go.jp/content/001181473.pdf(厚生労働省「高齢者のための熱中症対策」)

コメント

タイトルとURLをコピーしました