新しく防災担当になった時、
「BCPドラフトを作ってと言われたが、何から書けばいいのか分からない」
「前任者の資料はあるが、どこまで直せばいいのか迷う」
「テンプレがないと手が止まる」
と感じる人は少なくありません。
結論から言えば、新人のBCPドラフトで最も大切なのは、“立派な計画書を最初から完成させること”ではなく、“重要業務・中断要因・初動体制・代替手段”を1枚ずつ見える化することです。
中小企業庁の「中小企業BCP策定運用指針」では、BCP様式類(記入シート)が公開されており、様式ごとに検討・記入していく形が示されています。
また、内閣府の事業継続ガイドラインは、BCPを含む事業継続マネジメントについて、基本方針、対象事業・事業所の範囲、重要業務、運用体制、事前対策、訓練・見直しまで含めて考える必要があると示しています。 oai_citation:1‡中小企業庁
防災士として率直に言えば、新人がBCPドラフトで一番失敗しやすいのは、
様式をきれいに埋めることが目的になって、実際に止めてはいけない業務の整理が後回しになること
です。
元消防職員として現場や被災地派遣、LO対応を経験して強く感じるのは、災害時に本当に役立つのは、
厚い計画書
より
最初の数時間で迷わない骨組み
です。
だから新人のBCPドラフトは、完成版の見た目より、後で追記しやすい土台を作る方が現実的です。
■① 新人のBCPドラフトは「1枚完結」を意識すると作りやすい
BCPドラフトを最初から何十ページにもすると止まりやすいです。
だから新人のうちは、
項目ごとに1枚ずつ整理する
方が進めやすいです。
中小企業庁の「BCP様式類」も、シートごとに検討・記入する構成になっています。
つまり新人のドラフトも、
・基本方針
・重要業務
・連絡体制
・初動対応
・代替手段
のように、分けて作る方が実務的です。 oai_citation:2‡中小企業庁
防災士として言えば、最初のBCPドラフトで大事なのは
全部つなげて完成させること
ではなく、
止まらず書ける単位に分けること
です。
■② 最初に書くべきは「何を守るBCPか」
ドラフトの最初に置きたいのは、
目的
です。
内閣府の事業継続ガイドラインでは、基本方針において、事業継続の目的や達成目標、対象とする事業や事業所の範囲を明らかにすることが求められています。 oai_citation:3‡bousai.go.jp
つまり、新人のドラフトでは最初に、
・何を守るBCPか
・どの部署、拠点が対象か
・何を最優先で継続したいか
を書けるとかなり強いです。
たとえば、
「大規模地震、風水害、停電等の発生時に、職員と来訪者の安全を確保し、重要業務を早期に再開することを目的とする」
のように短くて十分です。
■③ 次に必要なのは「重要業務」の整理
BCPドラフトの中心は、
重要業務
です。
内閣府のガイドラインでも、事業継続では、重要業務を見極め、どの水準まで継続・復旧させるかを決めることが重要とされています。 oai_citation:4‡bousai.go.jp
新人のドラフトなら、
・安否確認
・重要顧客対応
・窓口業務
・情報発信
・設備維持
のように、まず3〜5個に絞ると進めやすいです。
防災士として率直に言えば、新人のBCPドラフトで一番大切なのは
全部を守ると書かないこと
です。
最初は「これだけは止めない」を明確にする方が強いです。
■④ その次に書くのは「何で止まるか」
重要業務を書いたら、次は
中断要因
です。
内閣府の事業継続ガイドラインは、事業の中断をもたらす可能性のある発生事象について、分析・評価する必要性を示しています。 oai_citation:5‡bousai.go.jp
たとえば、
・停電
・通信断
・参集不能
・建物被災
・浸水
・サーバ停止
などです。
防災士として言えば、BCPドラフトは災害名だけでなく、
その結果、何が止まるか
まで書く方が現実的です。
元消防職員としても、現場で詰まるのは地震そのものより、
停電した、連絡できない、人が来ない
です。
■⑤ 初動体制は「役職」より「役割」で書く
新人のドラフトで止まりやすいのが、
体制表です。
ここでは、役職名を並べるだけより、
役割
で切る方が実務的です。
内閣府のガイドラインは、役割・責任、運用体制、代行者や代行順位を定めることを求めています。 oai_citation:6‡bousai.go.jp
最初のドラフトなら、
・指揮統括
・情報収集
・安否確認
・外部連絡
・記録
のように分ければ十分です。
防災士として率直に言えば、BCPドラフトで本当に強いのは、
誰が偉いか
ではなく、
誰が何をするか
が分かることです。
■⑥ 代替手段は「完璧な復旧」より「最低限で回す方法」を書く
ドラフト段階で特に大切なのが、
代替手段
です。
中小企業庁の指針は、BCP様式類を使って、緊急時に参照しながら事業継続のための対策を実施していく考え方を示しています。 oai_citation:7‡中小企業庁
つまりドラフトでは、
・紙で代替する
・別拠点へ切替える
・携帯回線で連絡する
・一部機能だけ縮小継続する
などを書ければかなり実務的です。
防災士として言えば、新人のドラフトで大切なのは
100点の復旧方法
ではなく、
30点でも止めない方法
を書くことです。
■⑦ 新人向けBCPドラフトの簡易テンプレ
ここでは、新人が最初に作りやすい形の簡易テンプレを示します。
BCPドラフト テンプレ
1. 基本情報
- 文書名:BCPドラフト
- 作成日:
- 作成者:
- 対象部署・拠点:
2. 目的
- 本BCPは、____発生時に、____を守り、____業務を継続・早期復旧することを目的とする。
3. 対象とする主なリスク
- 地震
- 洪水・浸水
- 停電
- 通信障害
- 参集不能
- その他:____
4. 重要業務
- 業務①:____
- 業務②:____
- 業務③:____
5. 中断要因
- 停電により____が停止
- 通信障害により____が使用不可
- 建物被災により____が困難
- その他:____
6. 初動体制
- 指揮統括:____
- 情報収集:____
- 安否確認:____
- 外部連絡:____
- 記録:____
- 代行順位:____ → ____ → ____
7. 初動対応(最初の30分〜半日)
- 安全確認
- 安否確認
- 被害状況把握
- 連絡体制立上げ
- 重要業務継続可否の判断
8. 代替手段
- 停電時:____
- 通信障害時:____
- 参集不能時:____
- 拠点使用不能時:____
9. 必要資源
- 人員:____
- 備蓄:____
- 機器:____
- 外部委託先:____
10. 今後の課題
- 未整備事項:____
- 次回確認事項:____
- 訓練予定:____
防災士として率直に言えば、このくらいのドラフトで十分スタートできます。
最初から完成版にしなくて大丈夫です。
■⑧ 最後に必要なのは「訓練前提」で作ること
BCPドラフトは、作ったら試す前提で作る方がいいです。
内閣府の事業継続ガイドラインは、訓練や点検、継続的改善を通じて実効性を高めることを示しています。 oai_citation:8‡bousai.go.jp
つまりドラフト段階で、
・誰に見てもらうか
・どの訓練で試すか
・どこを次回更新するか
まで決めておくと強いです。
防災士として言えば、BCPドラフトは
完成文書
ではなく
改善前提のたたき台
です。
■⑨ まとめ
新人のBCPドラフトで最も大切なのは、“立派な計画書を最初から完成させること”ではなく、“重要業務・中断要因・初動体制・代替手段”を1枚ずつ見える化することです。
中小企業庁の「中小企業BCP策定運用指針」には、BCP様式類(記入シート)が用意されており、内閣府の事業継続ガイドラインでも、BCPは基本方針、対象範囲、重要業務、体制、事前対策、訓練・見直しを含む継続的な仕組みとして整理されています。 oai_citation:9‡中小企業庁
防災士として強く言えるのは、新人のBCPドラフトで一番大切なのは
見た目
ではなく、
後で動ける骨組み
だということです。
迷ったら、
・目的
・重要業務
・中断要因
・初動体制
・代替手段
この5つから埋めるのが一番現実的です。

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