冬の地震では、高齢者は寒さ・転倒・体調急変の影響を最も受けやすい存在です。
実際の現場でも、地震そのものよりその後の環境変化で状態が悪化するケースが多く見られました。
注意すべき点を、現場視点で整理します。
■① 最優先は「体温低下を防ぐこと」
高齢者は体温調節機能が低下しており、
寒さを感じにくいまま低体温が進行します。
・厚着を嫌がる
・寒さを訴えない
・我慢してしまう
この傾向があるため、周囲が先に防寒を促すことが重要です。
■② 転倒リスクが一気に高まる
冬の地震後は、
・暗闇
・散乱した室内
・凍結や濡れた床
により、転倒事故が多発します。
高齢者の転倒は、骨折=長期寝たきりにつながる危険があります。
■③ 無理な移動をさせない
「避難しよう」
「外に出よう」
この判断が、高齢者にとっては命取りになることがあります。
建物が安全なら、自宅や室内での待機を優先する判断が必要です。
■④ 薬・持病の管理を最優先にする
高齢者の場合、
・持病の悪化
・服薬中断
・血圧変動
が起きやすくなります。
地震後はまず、
・常用薬の確認
・飲み忘れ防止
・体調の変化観察
を行います。
■⑤ トイレを我慢させない
冬の地震後、
・寒い
・暗い
・遠い
という理由で、トイレを我慢する高齢者が多くいます。
これは、脱水・便秘・体調悪化の原因になります。
簡易トイレの活用も含め、早めに対策します。
■⑥ 声かけで状態を確認する
高齢者は、
・遠慮
・我慢
・弱音を吐かない
傾向があります。
「大丈夫?」ではなく、
・寒くないか
・痛みはないか
・気分はどうか
具体的な質問で状態を確認することが重要です。
■⑦ やらなくていい防災
・自分で動かせようとする
・若者と同じ行動を求める
・寒さを我慢させる
これらは、やらなくていい防災です。
高齢者には別基準の判断が必要です。
■⑧ 今日できる最小行動
今日できる行動は一つ。
「高齢者は無理をさせない」と家族で共有すること。
この意識だけで、事故は大きく減ります。
■まとめ|冬の地震は「高齢者基準」で考える
冬の地震対応では、
高齢者を基準に考えることが全体の安全につながります。
結論:
高齢者は体温・転倒・持病管理を最優先。
防災士として現場を見てきて、
助かった家庭ほど「高齢者に合わせた判断」ができていました。

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