台湾有事を巡る日本の発言に対し、中国はカイロ宣言やポツダム宣言、サンフランシスコ平和条約など、戦後の宣言や条約を持ち出して強く反発しています。一見すると外交や歴史の話に見えますが、被災地対応や危機管理の現場を見てきた立場からすると、これは「遠い話」ではありません。国際情勢と防災は、実は深くつながっています。
■① 中国が「歴史」を持ち出す理由
中国は、台湾を巡る正当性を主張する際に、戦後の国際秩序を形づくった宣言や条約を根拠として示します。これは単なる歴史論争ではなく、「自分たちの行動は戦後秩序に基づいている」という国際社会向けのメッセージです。危機の場面では、軍事力だけでなく、言葉や理屈も使われます。
■② カイロ宣言・ポツダム宣言が今も使われる現実
カイロ宣言やポツダム宣言は、80年以上前の文書です。それでも今なお外交の場で引用されるのは、戦後の国際秩序がそれを土台に成り立っているからです。被災地で感じたのは、「古い前提」が今の判断を縛ることがあるという現実です。制度やルールは、更新されない限り、今も効力を持ち続けます。
■③ サンフランシスコ平和条約を巡る対立
日本は、サンフランシスコ平和条約によって台湾の最終的な帰属を定めていない立場を取っています。一方、中国はこの条約自体を無効と主張しています。ここで重要なのは、「解釈の違い」がそのまま緊張の種になるという点です。災害対応でも、ルールの解釈違いが混乱を生むことは珍しくありません。
■④ 「旧敵国条項」が示す心理的圧力
中国は国連憲章の旧敵国条項にも言及しています。この条項はすでに死文化したとされていますが、あえて持ち出すこと自体が圧力になります。被災地でも、「使われないはずのルール」が突然持ち出され、現場が萎縮する場面を見てきました。危機では、心理的な揺さぶりも重要な手段になります。
■⑤ 国際緊張は「間接災害」を生む
国際情勢が緊張すると、経済、物流、エネルギー、食料に影響が出ます。これは地震や豪雨と同じく、生活を直撃します。被災地で実感してきたのは、「直接の被害がなくても、暮らしは壊れる」という事実です。国際情勢の悪化は、静かな災害として進行します。
■⑥ 防災は自然災害だけを想定してはいけない
防災というと、地震や台風を思い浮かべがちですが、国の危機管理はもっと広い範囲を含みます。エネルギー供給の不安定化、輸入の停滞、情報の混乱。これらはすべて「備え」がなければ生活に直結します。被災地で学んだのは、防災とは想定外を減らす努力だということです。
■⑦ 子どもに伝えるなら「なぜ今この話題なのか」
このニュースは受験や学習の題材として扱われていますが、大切なのは「なぜ今、この話が出ているのか」を考えることです。過去の出来事が、今の判断にどう影響しているのか。これは防災教育とも共通します。理由を理解する力は、非常時の判断力になります。
■⑧ 戦後80年でも終わらない「備えの必要性」
戦後80年が経っても、戦争の記憶や条約が国際関係を動かしています。これは、防災でも同じです。過去の災害の教訓が、今も生かされなければ意味がありません。被災地で感じてきたのは、「終わったと思った時が、一番危ない」という現実です。
■⑨ 防災の視点で国際ニュースを見る意味
国際ニュースを防災の視点で見ると、「次に何が起こり得るか」を考える習慣が身につきます。自然災害だけでなく、社会や国際情勢の揺れも含めて備えること。それが、これからの防災に求められる力です。国を取り巻く環境を知ることは、自分と家族の暮らしを守る第一歩でもあります。

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