夜中の大きな揺れ。
停電、家具の転倒、割れたガラス。
そのとき、裸足で一歩踏み出せますか?
「枕元には使い捨てスリッパを置けば十分では?」
こうした疑問はよくあります。今回は、防災の視点から冷静に整理します。
■① なぜ足元対策が重要なのか
夜間地震では
・ガラス片の散乱
・食器棚の落下物
・割れた照明器具
が床に広がる可能性があります。
足裏の負傷は、その後の避難行動を大きく制限します。
初動で動けなくなると、自律的な避難が難しくなります。
■② 使い捨てスリッパのメリット
使い捨てスリッパには
・軽い
・準備が簡単
・コストが安い
・来客用を流用できる
といった利点があります。
最低限の対策として「裸足よりははるかに安全」です。
■③ しかし“十分”とは言い切れない理由
多くの使い捨てスリッパは
・底が薄い
・踏み抜き防止性能がない
・脱げやすい
という弱点があります。
鋭利なガラスや金属片がある場合、貫通する可能性は否定できません。
■④ 現場で多かった誤解
防災士として現場で感じた誤解は、
「スリッパを履いているから大丈夫」
という安心感。
実際には、踏み抜きで足裏を負傷するケースがありました。
特に古い家屋や店舗では、割れ物が多く危険度が高まります。
■⑤ 本当に安心なのは“かかと付き”
より安全性を高めるなら
・底が厚い室内履き
・かかと付きスリッパ
・軽量スニーカー
が望ましいです。
避難までの数分間を安全に動けるかどうかがポイントです。
■⑥ それでも使い捨てで十分なケース
・家具固定が徹底されている
・ガラスが少ない室内構造
・寝室に割れ物がない
このような環境であれば、使い捨てスリッパでも一定の役割は果たします。
「ゼロよりは一段上げる」発想は大切です。
■⑦ 夜間対策は“複合設計”
足元だけでなく
・枕元ライト
・ヘッドライト
・避難服の準備
を組み合わせることで安全性は高まります。
特別な装備を増やすより、日常の延長で整えることが継続につながります。
■⑧ 今日できる現実的な選択
まずは
・枕元に何か履物を置く
・できれば底の厚さを確認する
この2点から始めましょう。
防災は「完璧」より「改善」です。
■まとめ|裸足より一歩前へ
結論:
使い捨てスリッパは“最低限の対策”としては有効だが、可能なら底が厚い履物に格上げするのが理想。
被災地で感じたのは、初動で足を守れた人は落ち着いて行動できていたという事実です。
夜間地震は暗闇との戦い。
足元の一枚が、その後の行動力を左右します。
出典:内閣府「地震防災対策の推進」

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