大規模災害の現場に入るたびに痛感するのは、
「被災後に必要品を手に入れるのはほぼ不可能」 という現実です。
特に冬は“買えない”“届かない”“取りに行けない”の三重苦になります。
今回は、その中でも 「見落としがちな必需品」 と
“なぜ災害後には入手できないのか”を詳しく解説します。
■① 防災グッズは“季節で必要な物”が全く違う
冬の地震・停電では、とにかく寒さが命を奪います。
しかし災害後は店が開いても、
防寒用品だけがごっそり売り切れ ます。
具体的には:
- カイロ
- 毛布
- 手袋
- 厚手靴下
- 防寒下着
- レインウェア
- ブランケット
能登半島地震でも真っ先に消えました。
現場でも「寒すぎて夜が越えられない」という声を多く聞きました。
■② 簡易トイレは“災害後は絶対に買えない”
真っ先に売り切れる上に、配送も止まるため
在庫ゼロが数週間続くことも珍しくありません。
断水後はトイレの問題が生活の中で最も深刻です。
- トイレが流れない
- 汚物が溜まる
- 臭いや衛生問題で体調を崩す
- 子どもや高齢者が我慢して脱水症状になる
消防職員として避難所に入ったときも、
トイレ問題を解消できず、多くの方が困り果てていました。
■③ モバイルバッテリーは“総在庫ゼロ”になる
停電が長引くと、通信手段の確保が生命線です。
しかし災害後は:
- 売り切れ
- 入荷未定
- 配送不可
- 充電する場所もない
スマホが使えない → 情報が入らない → 避難の判断が遅れる
この悪循環は非常に危険です。
■④ カセットボンベは“地域全滅レベル”で消える
停電・断水時に最も役に立つのがガス火です。
だからこそ災害後は どこの店にも全く残りません。
また、地震で工場や物流が止まると補充も期待できません。
冬の避難生活で火が使えないことは、命に直結します。
■⑤ ペット用品は“完全に見落とされる”
被災地ではペット用の物資供給は最後になります。
ペット用:
- 水
- ごはん
- トイレシート
- キャリー
- 防寒用品
は、災害後は本当に手に入りません。
ペットと避難する家庭は特に“事前備蓄”が命綱です。
■⑥ 災害後は“キャッシュレス依存”が完全に破綻する
停電すると:
- レジが動かない
- ATMが動かない
- 電子マネー決済不可
- クレジット決済不可
これも現場で毎回起きています。
現金しか使えない環境で、
必要品もない、買うお金もない…
という地獄のような状況に直面します。
■⑦ “避難所で支給される”という考えは危険
避難所は万能ではなく、すぐに物資が揃うことはありません。
- 寒くても毛布がない
- トイレが混雑
- 飲み水が不足
- 充電場所が足りない
- 食料が配られるまで数時間〜半日かかる
能登でも熊本でも東日本でも、
避難所の物資不足は必ず起きました。
■⑧ 結局「備えていた家庭」だけが落ち着いて行動できる
必要品は災害後には手に入らない。
これは現場で働いた消防職員として、
何度も目の前で見てきた揺るぎない事実です。
■まとめ|“災害後に買えばいい”は命を落とす考え方
必要な物は、災害後には手に入りません。
だからこそ 日常の備えが唯一の防災対策 です。
特に:
- トイレ
- 防寒
- 食料
- 水
- 電源
- 情報手段
は、災害後に最も入手困難になります。
結論:
必要品は災害前に備えて初めて“命が守れる”。
防災士として現場を経験してきた立場から、強くそう断言します。

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