【防災士が解説】防災×正月④|初詣の混雑で「逃げられない」を前提にした避難の考え方

正月の初詣は、日本で最も人が密集する行事の一つです。
被災地で群衆下の避難を何度も見てきましたが、混雑時は「走れない」「戻れない」が前提になります。

だから初詣の防災は、
事故や災害が起きた瞬間に“どう動かないか”を決めておくことが重要です。


■① 初詣は「移動できない災害環境」

初詣の混雑では、

・人の流れが止まる
・逆走ができない
・音が聞こえにくい

という条件が重なります。

被災地のイベント会場でも、
「避難しようとしても動けない」状況が一番危険でした。

初詣は、避難所に向かう前の“滞留災害”として考える必要があります。


■② まず決めるのは「合流場所」ではない

家族や友人と行く初詣でよくあるのが、
「はぐれたら○○で集合」という決め方です。

ですが混雑時は、
集合しに行くこと自体が危険になります。

被災地では、
合流しようとして人混みに突っ込み、
二次事故につながった例がありました。

初詣では、

・はぐれたら無理に探さない
・その場で安全を確保する

これを家族で共有しておく方が安全です。


■③ 初詣で優先すべきは「圧迫から逃げる」

混雑時に最も怖いのは、
地震や火災そのものより群衆の圧迫です。

被災地でも、
「倒れた人を助けられなかった」
「将棋倒し寸前だった」
という現場がありました。

初詣では、

・人の流れに逆らわない
・壁際や柵から距離を取る
・子どもは前、腕を組んで固定

この3点を意識してください。


■④ 神社仏閣の「危険ポイント」を知る

初詣会場には、構造的なリスクがあります。

・石段
・狭い参道
・屋台周辺
・鳥居付近

被災地で実際に、
段差で転倒→圧迫事故が起きたケースもありました。

参拝前に、
「ここは詰まりやすい」と感じた場所は、
記憶しておくだけでも判断が早くなります。


■⑤ 子ども・高齢者は“参拝しない選択”も防災

正月=初詣、という固定観念は捨てて構いません。

被災地では、
「無理に行かなければよかった」
という後悔を多く聞きました。

・時間をずらす
・人の少ない神社を選ぶ
・自宅で手を合わせる

これも立派な防災行動です。


■⑥ 初詣の防災は「事前に話す」が9割

混雑時は、その場で説明しても伝わりません。

だから出発前に、

・はぐれたらどうする
・動けなくなったらどうする
・帰る判断は誰がする

これだけを共有してください。

被災地では、
事前に一言決めていた家族ほど冷静でした。


■⑦ 何事もなく帰れたら、それが最良

初詣は、無事に帰るまでが参拝です。

・参拝できなくてもいい
・写真が撮れなくてもいい
・列に並ばなくてもいい

混雑の中で「無理をしない」ことが、
一番の防災になります。

正月の祈りは、
安全に帰る行動そのもので十分です。

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